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特集 遺伝子検査―診断とリスクファクター 5.遺伝子診断を取り巻く最近の動向
4) 認定技師制度とカリキュラム
著者: 三村邦裕1
所属機関: 1千葉科学大学危機管理学部環境安全システム学科臨床検査学コース
ページ範囲:P.1615 - P.1620
文献購入ページに移動20世紀の科学技術の進歩は目覚ましく,人々にとって便利で快適な生活をもたらした.しかし,一方では環境問題をはじめ,エネルギー,食糧問題,医療問題など多くの課題が山積されている.これらを解決する1つの方法として,バイオテクノロジーの技術が期待されている.
2003年のヒトゲノム解読後,医療の分野では遺伝子解析技術を用いて病気の原因遺伝子を検出することにより,個人の体質診断や病気を早期に診断したり,テーラーメード医療など個人に合った治療薬や治療方法の選択が可能となり,遺伝子検査は高度医療を行ううえで欠くことのできない技術となっている1).また,環境分野ではバイオマスや化石燃料に代わるエネルギー源の開発などバイオテクノロジーを活用した技術が研究されている.農業分野では遺伝子組換え作物の開発やクローン技術を利用した肉牛,3倍体の魚,また近年,実現不可能といわれた青色のカーネーションも作られている.しかし,このような遺伝子技術の利用が氾濫している日本において,いまだ遺伝子技術に携わる人材の技術的な質の担保がなされていないという問題が生じている.このようなことを鑑み,遺伝子検査法の技術水準向上とその標準化を図ることを目的に,遺伝子分析科学認定士制度が立ち上げられた.
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