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特集 遺伝子検査―診断とリスクファクター 5.遺伝子診断を取り巻く最近の動向
6) 遺伝子検査ビジネスの社会浸透―体質・疾患感受性検査への関心の高まり
著者: 堤正好1
所属機関: 1株式会社エスアールエル(個人遺伝情報取扱協議会)
ページ範囲:P.1624 - P.1629
文献購入ページに移動はじめに
ヒトゲノム・遺伝子解析研究の進展により得られるようになった各種の個人遺伝情報は,医療の向上や企業などが実施する健康サービス産業などに幅広く活用され,国民の生活の質の向上に大きく寄与することが期待されている.一方,個人遺伝情報は個人だけではなく,血縁者の遺伝的素因も明らかにする.このため,個人遺伝情報を医療や健康サービスに用いる場合には,その取り扱いによっては倫理的・法的・社会的問題を生ずる可能性があることから,個人遺伝情報は本人および血縁者の人権が保障され,社会の理解を得たうえで,厳格な管理の下で取り扱われる必要がある.また,個人遺伝情報の取り扱いに際しては,関連する各種要素(科学的・技術的および倫理的・法的・社会的要素)に十分な配慮が必要である(図1).
このようななかで,これまで様々な場面で「遺伝子検査」,「体質遺伝子検査」,「個人遺伝情報」,「遺伝情報」などについて議論がなされてきたが,これらの用語を各人がそれぞれの思いで活用し,定義があいまいなままで議論が重ねられてきた.例えば「保護すべき対象としての遺伝情報」を定義することなく,遺伝情報にかかわる倫理的・法的・社会的問題について取りまとめられた報告なども数多く見受けられる.
このような情勢に鑑み,まず「遺伝子関連検査の分類」と「個人遺伝情報および遺伝情報取り扱い事業者の類型」を紹介する.さらに,遺伝子検査ビジネスの拡大にかかわる多方面からの課題に答えるべく,2006(平成18)年4月に「NPO法人個人遺伝情報取扱協議会」を設立し,その活動として,2007(平成19)年4月に「個人遺伝情報を取扱う企業が遵守すべき自主基準」(案)〔以下,「自主基準」(案)という〕を策定したので,その概要について紹介する.
ヒトゲノム・遺伝子解析研究の進展により得られるようになった各種の個人遺伝情報は,医療の向上や企業などが実施する健康サービス産業などに幅広く活用され,国民の生活の質の向上に大きく寄与することが期待されている.一方,個人遺伝情報は個人だけではなく,血縁者の遺伝的素因も明らかにする.このため,個人遺伝情報を医療や健康サービスに用いる場合には,その取り扱いによっては倫理的・法的・社会的問題を生ずる可能性があることから,個人遺伝情報は本人および血縁者の人権が保障され,社会の理解を得たうえで,厳格な管理の下で取り扱われる必要がある.また,個人遺伝情報の取り扱いに際しては,関連する各種要素(科学的・技術的および倫理的・法的・社会的要素)に十分な配慮が必要である(図1).
このようななかで,これまで様々な場面で「遺伝子検査」,「体質遺伝子検査」,「個人遺伝情報」,「遺伝情報」などについて議論がなされてきたが,これらの用語を各人がそれぞれの思いで活用し,定義があいまいなままで議論が重ねられてきた.例えば「保護すべき対象としての遺伝情報」を定義することなく,遺伝情報にかかわる倫理的・法的・社会的問題について取りまとめられた報告なども数多く見受けられる.
このような情勢に鑑み,まず「遺伝子関連検査の分類」と「個人遺伝情報および遺伝情報取り扱い事業者の類型」を紹介する.さらに,遺伝子検査ビジネスの拡大にかかわる多方面からの課題に答えるべく,2006(平成18)年4月に「NPO法人個人遺伝情報取扱協議会」を設立し,その活動として,2007(平成19)年4月に「個人遺伝情報を取扱う企業が遵守すべき自主基準」(案)〔以下,「自主基準」(案)という〕を策定したので,その概要について紹介する.
参考文献
1) 「経済産業分野のうち個人遺伝情報を用いた事業分野における個人情報保護ガイドライン」(平成16年12月経済産業省)〈http://www.meti.go.jp/policy/bio/Cartagena/seimei-rinri/files/keisanshoguideline.pdf〉
2) 「ヒトゲノム及び人権に関する世界宣言」(1997年11月11日ユネスコ:国際連合教育科学文化機関)〈http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu1/shiryo/001/04010701.htm〉
3) 「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」(平成13年3月29日)(平成16年12月28日全部改正)(平成17年6月29日一部改正)文部科学省厚生労働省経済産業省)〈http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/seimei/genome/04122801.htm〉
4) 「個人遺伝情報を取扱う企業が遵守すべき自主基準」(案)(個人遺伝情報取扱協議会)〈http://www.cpigi.gr.jp/index.html〉
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