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今月の主題 胎盤 巻頭言
胎盤―その生理と病態
著者: 水谷栄彦1
所属機関: 1名古屋大学医学部プロテアーゼ臨床応用学(グッドマン)寄附講座
ページ範囲:P.1641 - P.1642
文献購入ページに移動胚は,胎児と胎盤に分かれるが,機能的にはこの両者が一体となって,母体の中で(胎盤を接点として),短期間に発育・成熟する.妊娠は,ヒトの最も基本的な生命現象であり,精子と卵子の合体(受精)から,わずか280日で約3kgの胎児と,約0.5kgの胎盤が作られるという驚異的な生理現象である.したがって,妊娠の生理変化には,非妊娠時(日常的)の生理変化が大きく増幅され表現されていると言えよう.妊娠の生理・病態の解明は,あらゆるヒトの生理・病態の解明の鍵になると思われる.妊娠時にしか存在しない臓器である胎盤は,妊娠の生理・病態を解明する鍵と言えよう.
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