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文献詳細

雑誌文献

臨床検査51巻13号

2007年12月発行

文献概要

今月の主題 胎盤 総説

胎盤の薬剤選択透過機能

著者: 中島恵美1

所属機関: 1共立薬科大学薬剤学講座

ページ範囲:P.1665 - P.1670

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 胎盤には多くの物質を選択的に透過させる機能がある.この機能は妊娠時期特異的に制御されている.血液-胎盤関門の本態は,合胞体性栄養膜細胞で一面の多核細胞となっている.細胞膜上に発現するトランスポーターが,栄養素の取り込みや代謝物の排泄を担っている.様々なトランスポーターが,胎児側や母体側の膜に局在することがわかってきた.特に,母体側に発現するトランスポーターにより,母体側へ薬剤を排出する機構も存在する.

参考文献

1) Sibley CP, Coan PM, Smith AC, et al:Placental-specific insulin-like growth factor 2(Igf2) regulates the diffusional exchange characteristics of the mouse placenta. PNAS 101:8204-8208, 2005
2) 旭満里子著:臨床調剤学(中島恵美編集),エルゼビア・ジャパン,p89,2005
3) 中島恵美,北野智英:条件的不死化血液胎盤細胞株の樹立と薬物動態研究への応用,Drug Delivery System 18:126-132, 2003
4) Kitano T, Iizasa H, Hwang IW, et al:Conditionally immortalized syncytiotrophoblast cell lines as new tools for study of the blood-placenta barrier. Biol Pharm Bull 27:753-759, 2004
5) Kitano T, Iizasa H, Terasaki T, et al:Polarized glucose transporters and mRNA expression properties in newly developed rat syncytiotrophoblast cell lines, TR-TBTs. J Cell Physiol 193:208-218, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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