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母親の血清,臍帯血および母乳中のアディポネクチンとレプチン
著者: 鈴木優治1
所属機関: 1埼玉県立大学短期大学部
ページ範囲:P.188 - P.188
文献購入ページに移動 アディポネクチンとレプチンはアディポカインと呼ばれ,臍帯血,胎盤および胎児組織において,これらの物質の存在は胎児成長における役割を示唆している.著者らは大集団内で母親の血清,臍帯血および母乳中のアディポネクチンおよびレプチンを測定し,それらの相関を調べた.検討は分娩6週に母乳サンプルが採取できた母親766人で行った.母親血清,臍帯血および母乳中のアディポネクチン濃度の中央値は,それぞれ8.6mg/l,30.6mg/l,10.9μg/lであった.同様にレプチン濃度の中央値はそれぞれ12.8μg/l,7.8μg/l,174.5ng/lであった.出生体重,在胎年齢に応じた出生体重および重量Indexの増加によるレプチン増加は,臍帯値において統計学的に有意であったが,臍帯血アディポネクチンは出生体重だけにしか関係がなかった.両アディポカイン濃度は母乳と母親血清において中程度に相関していた.アディポネクチンおよびレプチンの濃度は,母親血清と母乳中のアディポカイン濃度だけが中程度に相関しながら母親血清,臍帯血および母乳において激しく変動していた.
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