文献詳細
今月の主題 血管超音波検査
静脈疾患
文献概要
近年,深部静脈血栓症の発生頻度は年々増加していることが報告され,初期診断における超音波検査の重要性は増している.さらに超音波機器開発各社の画像技術の開発にも進歩が認められ,従来検出できなかった微少な深部静脈血栓症にも対応できるようになりつつある.しかしながら,現在でも静脈壁構造が十分に描出できない,形成されたばかりの急性血栓は描出困難である,退縮し閉塞してしまった静脈は描出できない,など今後解決すべき問題も多い.そのほか静脈の名称についても国際的に用語統一はまだ実現されていない1).これらの不確定要素を前提として現在の超音波検査による深部静脈血栓症の確定診断の方法について概説する.〔臨床検査 51:293-304,2007〕
参考文献
1) 應儀成二,折井正博,後藤紘司,他:下肢静脈の名称に関する専門分野間の国際的統一見解について.日本静脈学会用語検討委員会.静脈学 16:297-300,2005.
2) 森成志,赤木将男,保田知生,他:超音波エコーによるTKA術中深部静脈血栓形成の検索:ターニケット使用の影響.膝 29:85-89,2005
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