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文献詳細

雑誌文献

臨床検査51巻3号

2007年03月発行

文献概要

海外文献紹介

ビタミンB12の著しい濃度増加はIgG-IgM-ビタミンB12複合体に起因する

著者: 鈴木優治1

所属機関: 1埼玉県立大学短期大学部

ページ範囲:P.304 - P.304

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 血清ビタミンB12濃度は肝疾患,骨髄増殖性疾患などで増加する.著者らはこれらの疾患ではない患者において非常に高濃度の血清ビタミンB12を最近発見したので,アフィニティクロマトグラフィ,SDS-PAGE,MS,ELISAによりその原因について検討した.健康者および貧血治療のためにビタミンB12を最近投与された患者の血清では,Protein Gカラム溶出液中のビタミンB12濃度は74pmol/l未満であったが,46歳の前頭側頭の認知症男性患者の血清では,溶出液中のビタミンB12濃度は7,380pmol/lであった.この患者の血清には,クロマトグラフィとSDS-PAGEによる検討で見かけの分子量が76kDaの異常なビタミンB12結合蛋白質が見いだされた.この蛋白質は質量分析によりIgMのheavy chainであることがわかった.さらに,ELISAにより患者の溶出液中に存在するIgMはIgGと結合しIgG-IgM免疫複合体を形成していることがわかった.この症例はIgG,IgMおよびビタミンB12からなる免疫複合体に帰する高ビタミンB12濃度を有する珍しい患者の存在を証明した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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