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文献概要
今月の主題 脂質 脂質代謝異常と疾病
高LDLコレステロールと疾病
著者: 上田之彦1
所属機関: 1国家公務員共済組合連合会 京阪奈病院
ページ範囲:P.499 - P.505
文献購入ページに移動 高LDLコレステロール血症は虚血性心疾患に代表される動脈硬化性疾患の最大の危険因子である.高LDLコレステロール血症は,家族性高コレステロール血症(FH),家族性複合型高脂血症(FCH),常染色体劣勢遺伝性高脂血症(ARH),アポ蛋白B結合部欠損症といった遺伝子異常によって引き起こされるほか,コレステロールの過剰摂取や甲状腺機能低下症,ネフローゼ症候群,原発性胆汁性肝硬変,閉塞性黄疸,糖尿病,クッシング症候群,薬剤性でも二次性に引き起こされる.血液中に蓄積したLDLは,血管内皮の機能障害を引き起こすとともに,酸化変性されてマクロファージに取り込まれ,泡沫細胞を形成し,粥状動脈硬化を引き起こす.〔臨床検査 51:499-505,2007〕
参考文献
1) 日本動脈硬化学会(編):動脈硬化性疾患診療ガイドライン2002年版,日本動脈硬化学会,2002
2) Brown MS, Goldstein JL:Lipoprotein receptors in the liver. Control signals for plasma cholesterol traffic. J Clin Invest 72:743-747, 1983
3) Zuliani G, Arca M, Signore A, et al:Characterization of a New Form of Inherited Hypercholesterolemia:Familial Recessive Hypercholesterolemia. Arterioscler Thromb Vasc Biol 19:802-809, 1999
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