文献詳細
文献概要
海外文献紹介
境界型糖尿病が認知症およびアルツハイマー病の危険率に及ぼす影響
著者: 鈴木優治1
所属機関: 1埼玉県立大学短期大学部
ページ範囲:P.468 - P.468
文献購入ページに移動 多くの研究が糖尿病と認識の低下および認知症との関係を明らかにしたが,糖尿病と認知症のアルツハイマー病型との関係については論争中である.著者らは境界型糖尿病が認知症およびアルツハイマー病の危険率を高めるという仮説を立証するために,75歳以上で認知症および糖尿病のない1,173人の長期的なCommunity-based cohortにより認知症およびアルツハイマー病の発症状況について調査した.境界型糖尿病は随時血漿グルコース濃度が7.8~11.0mmol/l のものとし,データはCox proportional hazards modelsで解析した.9年間の追跡中にアルツハイマー病307人を含む397人が認知症を発症した.47人は境界型糖尿病と同定され,境界型糖尿病は認知症およびアルツハイマー病のadjusted hazard ratioと関係していた.層別分析ではAPOEε 4対立形質の非保有者間だけに境界型糖尿病とアルツハイマー病との強い関係が示唆された.境界型糖尿病と重度の収縮期高血圧間の相互作用がアルツハイマー病の危険率に影響していた.境界型糖尿病は認知症とアルツハイマー病の危険率の増加と関係していた.
掲載誌情報