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リチウムのPOCTのためのミクロチップキャピラリー電気泳動
著者: 鈴木優治1
所属機関: 1埼玉県立大学短期大学部
ページ範囲:P.491 - P.491
文献購入ページに移動 リチウムは双極性気分障害の治療に対する最も重要な気分安定剤である.リチウム治療の短所は薬剤濃度範囲が狭く,薬剤モニターが必要になることである.血漿や血清のリチウムは通常,イオン選択性電極で測定されるが,最近,リチウムのPOCTが開発された.この方法はポルフィリン化合物の光吸収の変化を測定することに基づいており,50μlの試料を必要とする.著者らは全血のような複雑な試料の化学分析に有望な方法であるミクロチップキャピラリー電気泳動法(CE)がリチウムのPOCTとして応用できるかどうかについて検討した.はじめに指からの血液採取器にはガラスキャピラリーを採用した.さらに,新しい使い捨て血液採取器となるよう工夫し,病院における臨床的標準として試験した.これらの血液採取器のミクロチップは血液細胞の移動を防ぐ完全な濾過膜を備えている.このような血液採取器とミクロチップCEの組み合わせはPOCTによるリチウム測定を可能にした.この新規の方法によるリチウム測定を患者5人で検討したところ,電解質は20秒以内に分離でき,リチウムの検出限界は0.15mmol/l であった.
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