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文献詳細

雑誌文献

臨床検査51巻5号

2007年05月発行

文献概要

海外文献紹介

リポカリン-2はヒトでは肥満,インスリン抵抗性および高血糖と関係する炎症マーカーか

著者: 鈴木優治1

所属機関: 1埼玉県立大学短期大学部

ページ範囲:P.527 - P.527

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 リポカリン-2は25kDaの糖蛋白質であり,種々の腎障害の早期発見の有用なマーカーである.この物質が脂肪組織と肝臓で顕著に発現されることから,著者らはその肥満関連病理との関係について検討した.検討では,肥満マウスおよび痩せた同腹子のmRNAおよび血清リポカリン-2を定量するためにreal time PCRとイムノアッセイを用いた.また,血清リポカリン-2と種々の代謝物質および炎症物質との関係について過去の研究参加者から募集した229人を対象に解析し,糖尿病患者32人においてはインスリン感作薬剤であるrosiglitazoneの血清リポカリン-2への影響について評価した.肥満マウスでは痩せた同腹子と比較して,脂肪組織および肝臓のリポカリン-2のmRNA発現とその循環濃度は有意に増加していた.これらの変化はrosiglitazone投与後には正常化した.ヒトでは,循環リポカリン-2は脂肪蓄積,トリグリセライド血症,高血糖,インスリン抵抗指数およびCRPと正相関し,HDL-コレステロールとは負相関した.血清リポカリン-2は肥満とその代謝性合併症に密接に関連した炎症マーカーである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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