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文献概要
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あとがき
著者: 濱﨑直孝
所属機関:
ページ範囲:P.560 - P.560
文献購入ページに移動 今月の主題は「脂質」です.脂質に関する最近の話題としては,メタボリックシンドロームに関係する健診の話題があります.厚生労働省が「標準的な健診・保健指導プログラム」を2006年に発表しました.このプログラム発表では,厚生労働省は,健診・保健指導に関する方針を,これまでの「プロセス重視の保健指導」から「結果を出す保健指導」に変える劇的な方針転換を明らかにいたしました.すでに,2006年4月に法律が成立しており,2008年4月から新しい制度が始まります.この新方針では,結果を出す保健指導を中心に据え,保健指導対象者の選別を病院ではなく健診で行おうという,完全な予防医学的視点を高らかに謳っております.2008年4月といえば,あと1年弱の時間的猶予しかなく,現在,各関連部署や諸学会などで2008年4月の新方針スタートに向けて鋭意準備を行っているところです.準備を開始してみると,いろいろなところで問題点が浮き彫りになり,2008年からのスタートを危ぶむ声もありますが,厚生労働省のこの新方針は国民の福祉・医療の観点からは正しい方向転換だと思いますので,関連している多くの人々の努力で,是非,成功させなければならないと考えております.
最近は,「脂質」に対する特集はいろいろな雑誌や学会などで取り上げられています.その理由は上記メタボリックシンドローム,生活習慣病に関連して,取り上げられてきたと推測されます.本号主題の「脂質」は,疾病に関係してメタボリックシンドロームの話題は一部にありますが,本題はそれとは少し趣を変えております.最近,世間的に話題になっている「脂質」は脂肪としてわれわれの体内に蓄積するものに関する話題でありますが,実は,われわれの体の中には微量にしか存在せず,半減期も短く,でも,重要な生理活性を示す「脂質」が存在しており,それらは生体内で代謝やホメオスタシス調節に重要な役割を果たしていることがだんだんとわかってきました.このような“脂質”に関する研究は,膜蛋白質研究の進歩,微量生体成分分析技術の向上,遺伝子工学的手法の発展のおかげで最近は著しく進歩しています.本号では,このような「脂質」に注目して主題を組ませていただきました.はじめて耳にするような言葉などが多く,馴染みにくいかもしれませんが,当代第一流の研究者にわかりやすく解説していただいておりますので,じっくりと読んでいただければ幸いです.
最近は,「脂質」に対する特集はいろいろな雑誌や学会などで取り上げられています.その理由は上記メタボリックシンドローム,生活習慣病に関連して,取り上げられてきたと推測されます.本号主題の「脂質」は,疾病に関係してメタボリックシンドロームの話題は一部にありますが,本題はそれとは少し趣を変えております.最近,世間的に話題になっている「脂質」は脂肪としてわれわれの体内に蓄積するものに関する話題でありますが,実は,われわれの体の中には微量にしか存在せず,半減期も短く,でも,重要な生理活性を示す「脂質」が存在しており,それらは生体内で代謝やホメオスタシス調節に重要な役割を果たしていることがだんだんとわかってきました.このような“脂質”に関する研究は,膜蛋白質研究の進歩,微量生体成分分析技術の向上,遺伝子工学的手法の発展のおかげで最近は著しく進歩しています.本号では,このような「脂質」に注目して主題を組ませていただきました.はじめて耳にするような言葉などが多く,馴染みにくいかもしれませんが,当代第一流の研究者にわかりやすく解説していただいておりますので,じっくりと読んでいただければ幸いです.
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