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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査51巻7号

2007年07月発行

雑誌目次

今月の主題 不整脈検査

巻頭言

不整脈検査―明日のステップアップを目指して

犀川 哲典

pp.669-670

 本誌は臨床検査に関する様々な主題を取り上げ,最新の情報を提供し,多くの読者を獲得してきた.今回は不整脈を主題として取り上げ,最新の進歩を検査,ならびに不整脈臨床の立場から第一線の先生方に紹介していただいた.これまでの主題を振り返ってみると,1999年の11月号(43巻12号)に心電図が主題として取り上げられている.巻頭言は筆者の前任者である伊東盛雄教授が書いておられる.内容としては,心電図検査の電気生理学的基礎,技術解説,話題などである.それから早8年が経っていることに,愕然とする.月日の経つのは,早いものである.

 さて今回の主題は不整脈検査である.まず総論として,不整脈の電気生理学的発生機序,遺伝子診断,薬物治療,電気的治療などに関する話題を取り上げた.検査としては,不整脈に関係する心電図,負荷心電図,加算平均心電図,ホルター心電図,T波交互脈,心臓超音波検査,臨床電気生理学的検査,さらに生理検査ばかりでなく,検体検査から血液凝固系検査を取り上げた.これは心房細動の合併症の治療として,抗凝固薬による治療が大変重要であるからである.各論としては,やはり最も多い不整脈である心房細動,最近話題の特発生心室頻拍,Brugada症候群,心臓突然死,先天性QT延長症候群を取り上げた.加えて最近の話題として,心磁図と学校心臓検診を取り上げた.いずれも力作ぞろいで,読み応えのある特集になった.著者の先生方に感謝申し上げる.

総論

不整脈の電気生理学的発生機序

小野 克重

pp.671-676

 不整脈が発生するかしないかには,遺伝や性などの先天的な素因に加えて,加齢,心筋血流の程度,血圧などの環境因子によって決定される.様々な環境因子に対して心臓が生理的に適応し,ネガティブフィードバックによって心筋細胞が安定した電気的興奮性を維持できれば,遺伝子プログラムによって正常心機能が発現し正常洞調律が維持される.一方,環境因子に対して適応が不適当な場合は病的プログラムの作動によって不整脈基質の形成が始まる.不整脈の発生は,不整脈基質の形成以前にさかのぼるメカニズムと不整脈基質の形成以後のメカニズムとの二つに大別される.不整脈基質の形成にかかわるメカニズムは不整脈治療の根幹にかかわる重要なポイントであるが現在までの研究では不明な箇所が多い.本稿では不整脈の発生機序を不整脈基質形成の上流と下流とに分けて概説する.

不整脈の薬物治療

村川 裕二

pp.677-681

 不整脈の薬物治療では治療効果と副作用とのバランスが必要となる.抗不整脈薬はいずれも不整脈の抑制のみでなく,不整脈の増悪を招く可能性がある.この副作用は催不整脈作用と呼ばれる.抗不整脈薬の分類としてはVaughan Williamsの分類が用いられることが多い.この分類は薬剤のおおよその性格と治療対象となる不整脈を示すという面で使いやすい.近年,電気生理学的な新知見を網羅したSicilian Gambitの分類が提唱された.Sicilian Gambitの分類は不整脈治療に必要な情報が網羅されている.

不整脈の電気的治療

関口 幸夫 , 青沼 和隆

pp.683-689

 最近の高周波カテーテルアブレーションの進歩には目を見張るものがある.従来は薬剤抵抗性の不整脈に対して施行されていたが,現在では多くの頻脈性不整脈においてカテーテルアブレーションの有効性と安全性とが確認されており,薬物療法とならんで“first therapy”として定着しつつある.さらには新たなマッピングシステムの出現により頻拍機序や不整脈基質の解明が進み,器質的心疾患に合併した心室頻拍など以前は治療が困難と考えられていた不整脈にまでその適応は拡大しており,RFCA技術の進歩は目覚ましいものといえるだろう.

不整脈でみられる遺伝子異常

蒔田 直昌 , 筒井 裕之

pp.691-696

 近年,不整脈患者の一部に心筋イオンチャネルの遺伝子異常が報告され,「心筋イオンチャネル病」という新しい疾患概念が生まれた.不整脈の遺伝子解析は,発端者の遺伝子異常のみならず,家系内の変異保有者の発症前診断も可能にし,遺伝子情報に基づいた不整脈予防に道を開いた.また,パッチクランプ法などの電気生理学的機能解析技術は,不整脈の病態生理をチャネルレベルで理解することに大きく貢献してきた.遺伝性不整脈のなかでは,先天性QT延長症候群とBrugada症候群の遺伝子解析が最も進んでいるが,最近,後天性不整脈を含めた様々な不整脈にも遺伝子異常が報告されている.

不整脈の検査

心電図,負荷心電図,加算平均心電図

村田 広茂 , 加藤 貴雄

pp.697-702

 心電図およびその応用検査は,不整脈の検出のみをその目的とするのではなく,心筋虚血や電解質異常の有無,薬剤の有効性や安全性の評価,さらには健康診断や術前スクリーニング検査など臨床の現場で幅広く用いられている.

ホルター心電図

田邉 晃久

pp.703-708

 ホルター心電図,イベント心電図の検査を行うにあたっては,まず良好な記録をし,正確な診断を可能とすることである.不整脈検出にあたっては,1誘導法であればP波,QRS波の大きく記録できるCM5誘導を選択する.2誘導法であればCM2誘導を追加する.イベント心電図の押し当て電極式では,発作時に患者自身が電極を自己で手掌や胸部皮膚に押し当てる.不整脈の解析にあたっては,心臓性突然死,失神,失神前状態などの誘引となる不整脈に特に注意を払う.その可能性のある不整脈が検出されたなら速やかに主治医に連絡する.イベント心電図は心電図の間欠記録で,長期間携帯中に患者が症候を自覚した際イベントボタンを押すか(patient activation:患者トリガー式),あるいはあらかじめ設定した条件の心電情報が発生するとその異常心電図がメモリされる(automatic activation:オートトリガー式)方法である.イベント心電図は頻度の低い発作性の異常の検出に有用でホルター心電図の短所を補う.

T波交互脈

池田 隆徳

pp.709-714

 T波交互脈(T-wave alternans;TWA)とは,形の異なるT波が1拍ごとに交互にみられる現象である.スペクトル解析によって検出されるマイクロボルトTWAが心臓突然死の予知指標として活用されている.最近では,Holter心電図をタイムドメイン解析することでTWAを検出する解析プログラムも発売されている.TWAの予知指標としての特徴は,不整脈事故に対して陰性的中率が極めて高いことであり,心筋梗塞/虚血性心筋症や拡張型心筋症/心不全において多くのエビデンスが出されている.

超音波検査(ICD,CRT-D)

中谷 敏

pp.715-719

 超音波検査では不整脈を引き起こす可能性のある拡張型心筋症,肥大型心筋症,心筋梗塞,心サルコイドーシス,不整脈源性右室異形成などの基礎的心疾患の有無を検索する.また心機能低下例では致死性不整脈を合併しやすいことが知られているので,左室駆出率,左室径を報告書に記載する.CRTでは収縮同期不全(dyssynchrony)を評価することが必要であるが,現時点ではdyssynchronyの標準的指標は定まっていない.Mモード法,組織ドプラ法などを用いていくつかの指標を算出して総合的に判断する.

臨床電気生理学的検査

草野 研吾

pp.721-725

 従来経験的に行われていた不整脈治療は,特に頻脈性不整脈の分野においてカテーテルアブレーションや植込み型除細動器の登場とともに,大きく変貌し,不整脈のメカニズムに応じた治療へと変貌した.そのなかで電気生理学的検査は,循環器内科にとって非常に重要な検査の一つとなったが,その理解には膨大な知識が要求される.ここではその基本的な検査について概説する.

心房細動の血栓塞栓予防における血液凝固系検査

藤木 明

pp.726-730

 心房細動の血栓塞栓のリスクのなかでは年齢が大きな要因となる.しかし同じ年齢でも個々に異なるリスクを,凝血分子マーカーで評価できれば意義は大きい.血栓塞栓症の治療薬は凝固抑制のワルファリンと,血小板抑制のアスピリンとに大別される.これまでの大規模試験からワルファリンの効果は確立された.しかし心房細動例のなかには動脈硬化による塞栓を発症する例もあり,そのような場合にはアスピリンが有効な可能性がある.個々に異なる塞栓症のリスク要因が凝血分子マーカーで判別できれば,塞栓症予防の特異的な治療選択も可能となろう.

不整脈と疾病

心房細動

熊谷 浩一郎

pp.731-736

 心房細動(AF)は加齢とともに罹患率が増加するため,今日の高齢化社会ではますます増加傾向にある.AFにより,塞栓症リスクの増大,動悸,息切れなどによるQOLの低下をきたす.AFの診断には,心電図,Holter心電図が最も有用な検査法である.AFの主な心電図所見としては,①洞調律P波の消失,②f波の存在,③心室QRS波間隔(R-R間隔)の不規則性がある.発生起源である肺静脈に対してカテーテルアブレーションによる肺静脈隔離術を行うことで約90%の症例は根治可能である.

特発性心室頻拍

中川 幹子

pp.737-741

 特発性心室頻拍とは,明らかな器質的心疾患の合併がない症例に出現する心室頻拍の総称である.特発性心室頻拍のほとんどは,単形性の心室頻拍であり,持続性,非持続性両者を含む.特発性心室頻拍は心室内での発生起源部位より,右室起源と左室起源とに大別されるが,特に右室流出路が最大の好発部位である.心室頻拍の12誘導心電図波形から起源部位を推定できる.治療としては,薬物療法とカテーテルアブレーションとがあるが,治療の必要がない場合も多く,一般的に予後は良好である.

Brugada症候群

西崎 光弘

pp.743-751

 Brugada症候群は心電図上,V1~V3誘導において特徴的なST上昇波形(Coved型およびSaddleback型ST上昇)を示し,心室細動により突然死をきたす疾患として知られている.病態は右室流出路領域における心内膜細胞と心外膜細胞の活動電位の勾配に起因すると考えられている.本疾患はST上昇波形の心電図所見に基づいて診断され,薬物負荷試験や電気生理学的検査などの検査を用いて,症候性および家族歴の有無により,植え込み型除細動器治療の適応などの治療方針が決定される.

WPW症候群

庭野 慎一 , 黒川 早矢香

pp.753-758

 WPW(Wolff-Parkinson-White)症候群は,先天的に心房心室間に非生理的な異常伝導路(副伝導路)が存在する病態であり,副伝導路を介した頻拍発作が臨床的に問題となる.心電図上は,洞調律中に心室の早期興奮がデルタ波として確認できる顕性WPW症候群のほか,逆行伝導のみでデルタ波は出現しないが,頻拍発作の原因となる潜在性WPW症候群がある.現在では,カテーテルアブレーションによって高率かつ安全に副伝導路を離断できるため,臨床的な症候や発作によってリスクを持つ可能性のある症例は積極的にアブレーション治療を行っている.

心臓突然死

池主 雅臣 , 阿原 静枝 , 飯嶋 賢一

pp.759-763

 心臓突然死の主要な原因は重症心室性不整脈で,器質的心疾患のために心機能が低下した症例には発症のリスクが高い.心室性不整脈の発症を予測することは困難であるが,再発性であり厳重な検査と治療が必要である.薬物,カテーテルアブレーション,植え込み型除細動器(ICD)を総合的に用いて治療を行うが,二次予防(心肺蘇生の既往例,心室細動・持続性心室頻拍がすでに確認されている症例)ではICDが治療の基本となる.

QT延長症候群(先天性,後天性)

坂口 知子 , 堀江 稔

pp.764-768

 QT延長症候群(LQTS)は心電図上,著しいQT時間の延長と特異な多形性心室頻拍(TdP)を呈する遺伝性疾患である.先天性LQTSでは,すでに九つの遺伝子型が報告され,特に頻度の高いLQT1,LQT2,LQT3では遺伝子型に基づいた患者の生活指導や遺伝子型特異的治療が実践されつつある.また,薬剤,電解質異常などを原因とする後天性LQTSの一部でも先天性LQTSの原因遺伝子の異常が同定されている.本稿ではその分子生物学的背景と臨床病態および治療について,先天性QT延長症候群を中心に概説する.

話題

心磁図

中居 賢司

pp.769-773

1.はじめに

 1903年,Einthovenは絃検流計を開発して,はじめてヒトのElektrokardiogrammを記録した1).Einthovenが絃検流計を開発して100余年が経過し,多くの臨床データに裏付けされた心電図法は心電現象の解析法として揺るぎない地位を確立した.しかし,体表より導出された心電図信号は,原理的に二次元表示にとどまる.

 一方,磁界は生体内部臓器の透磁率が一定である.超伝導量子干渉素子(super quantum conduction device;SQUID)を用いて導出する心磁図は,心臓の電気的興奮に伴い発生する磁界を三次元的に解析できることを特徴とする.1963年,BauleとMcFeeは,200万回巻いた誘導コイルを利用して成人の心臓の磁界(心磁図)をはじめて検出した2).1970年,Cohenは磁気シールドルーム内でSQUID磁束計を用いて冠動脈結紮時の心磁図STセグメント(DC成分)の低下を示した3).日本国内では,森,中屋らが精力的に研究して臨床例での心磁図の有用性の礎を築いた4)

 われわれは心臓磁界分布より電流密度分布を求める空間フィルター法を開発し,心臓の電気的興奮伝播あるいは電気的事象の三次元解析を可能とした5,6).本稿では,電流密度分布より求めた心臓外郭と各種不整脈での信号源解析や心室高周波成分(遅延電位)の立体的表示,胎児不整脈など心磁図の臨床での意義について概説する.

学校心臓検診と不整脈

德村 光昭

pp.774-778

1.学校心臓検診の歴史

 1954年(昭和29年)に大阪市で学校健康診断の一端として始められた学校心臓検診は,その後の試行錯誤から重要性と必要性が確立し,1973年(昭和48年)の学校保健法施行規則の改定によって義務化された.さらに,1995年(平成7年)の学校保健法施行規則の改定では,小学1年生,中学1年生,高校1年生全員の心電図検査が義務化され,世界で唯一の大規模な学校心臓検診システムが完成した.

 心臓超音波診断装置の普及などによって,多くの先天性心疾患や川崎病後遺症が学齢期までに把握されるようになり,学校心臓検診の主目的は以前の診断されていない心臓病(リウマチ性心臓病や先天性心疾患)の発見から,近年では心臓性突然死の予防(不整脈や心筋疾患の発見,術後心疾患児の管理)に移行している.

今月の表紙 腫瘍の細胞診・7

卵巣腫瘍―1

籏 ひろみ , 海野 みちる , 坂本 穆彦

pp.666-668

 卵巣腫瘍の組織分類は,発生母地による分類と,悪性度による分類が用いられている.発生母地による分類は,①表層上皮性・間質性腫瘍,②性索間質性腫瘍,③胚細胞腫瘍,④その他に分けられる.発生頻度は,表層上皮性・間質腫瘍が全腫瘍の60~70%を占め最も高く,次に胚細胞腫瘍の30%,性索間質性腫瘍の6%,その他の4%と続く.

 悪性度による分類には,良性と悪性の中間群として境界悪性borderline malignancy(低悪性度腫瘍,tumor of low malignant potential;LMP)が存在する.境界悪性腫瘍の組織学的特徴は,①上皮細胞の多層化,②腫瘍細胞集団の内腔への分離増殖,③同一細胞型における良性と悪性の中間的な核分裂活性と核異型,④間質浸潤の欠如などである.本稿では普段経験することの多い表層上皮性・間質腫瘍について述べる.

シリーズ最新医学講座 臓器移植・7

臓器移植の検査

宮崎 孔 , 池田 久實

pp.779-787

はじめに

 免疫の根幹部分である自己と非自己の認識には主要組織適合性複合体(major histocompatibility complex;MHC)が重要な役割を果たしているが,その中心を担うのがヒト白血球抗原(human leukocyte antigen;HLA)である.移植では患者の体内に異なる個体の組織が入るため,当然患者の免疫システムは移植片を排除しようと働く.これを防ぐ手段の一つとして有効なのは患者の免疫システムに移植片を患者自身のものであると認識させること,すなわち患者と移植ドナーのHLAを適合させることであり,実際にHLAの適合度が高いほど移植成績の向上がみられている1).したがって,患者と移植ドナーのHLAタイピングは特に造血幹細胞移植(骨髄移植,臍帯血移植,末梢血幹細胞移植など)では非常に重要であり,必要不可欠な検査となっている.一方,腎移植をはじめとする血管を介した臓器移植ではABO血液型の適合は優先されるものの,患者と移植ドナーのHLAは一致しない場合が多い.しかし,患者がドナーのHLA抗原に対する抗体を持つ場合は超急性拒絶反応が惹起されるため,患者のHLA抗体検査も重要な検査である.

 本稿では組織適合性試験の中心であるHLAタイピング,およびHLA抗体検査について解説する.

学会だより 第96回日本病理学会総会

病理学への新しい社会的要望

若狭(八幡) 朋子

pp.788

 第96回日本病理学会総会は大阪国際会議場グランキューブにて3月13~15日の三日間,参加者2,353人,総演題数1,143を集めて盛大に行われた.

 プログラムのなかで注目すべきは,病理学を人体病理と先端医学の視点に二分したところであろう.病理学会がこの二つのキーワードできれいに二分されるかといわれれば,必ずしも当てはまらない.しかしこのことは今日の病理学会の在り方を考えた場合,病理診断という病院機能の一部としての病理学と,研究を主体とした病態解析学としても病理学の重なる部分が小さくなっていることを象徴している.

病理学の役割と医療への貢献

寺畑 信太郎

pp.789-790

 第96回日本病理学会総会は大阪大学の青笹克之教授を会長として,例年より早めの2007年3月13~15日の3日間,大阪国際会議場で開催された.春の総会はプログラムが豊富で,演題数も多く,全国から多数の病理医,病理学研究者の集まる祭典でもある.今回も1,000題を超える一般演題の応募があった(一般口演315題,示説発表733題うち学生36題).広い会場のためポスター会場,機器展示会場,書籍展示が1会場にまとめられ,休憩所も多数か所確保されており,上下の行き交いはあるが,移動しやすい会場であった.コアプログラムは宿題報告3題,特別講演2題,教育講演3題,シンポジウム3題,日独交流セッション,ワークショップ9題で,その他例年恒例となった系統的病理診断講習会,臓器別診断講習会,12題のランチョンセミナー,1題のイブニングセミナーとコンパニオンミーティングが行われた.

 宿題報告は近年公募によって行われており,今回は動物実験モデルから人前立腺癌を再現しその発生・進展を検討した病理学らしい基礎的研究,他の2題はマクロファージの分化・機能制御機構の解析と障害心筋における不整脈源性基質の関連など分子病理学分野から得られた最新の知見を得ることができた.教育講演では病理学と疫学の接点,シンポジウムでは医療関連死を取り上げた「病理学と法医学の架け橋」,ワークショップでは臨床科や病理学会以外の演者を交えた「病態診断と治療」,「先端医療」の講演が行われ,あらためて病理学の深さと広さ,多様性を実感できた次第である.またアジア,英国,ドイツ,米国の演者も招かれた国際色豊かな講演も有意義で,版を重ねている病理学の世界的な名著であるRobbins Pathologyの編集者Kumar教授の特別講演は今後の病理教育を考えるうえで,印象深かった.

海外文献紹介

学童の過体重に対する学校の影響:学業期および夏休み中のBMIの増加 フリーアクセス

鈴木 優治

pp.676

 過去20年にわたる,米国の6~11歳の学童間における過体重の発生率は5%から15%へと3倍になった.過体重は特に黒人およびスペイン系の学童間では日常化しており,彼らのおおよそ20%は現在肥満である.学童の過体重を説明するために様々な検討がなされているが,一般に過体重が学業期と休業期それぞれの影響を受けるかどうかについては不明である.著者らは学業期と休業期の環境が学童の過体重の発生に寄与するかどうかを調べるために,幼稚園と1年生の期間において,学業期のBMIの増加と夏休み中のBMIの増加とを比較した.BMIは310校の学童5,380人を対象に測定した.BMI増加率は夏休み中のほうが幼稚園および1年生の学業期よりも速く,しかも変化しやすかった.学業期と夏休み中のBMI増加率の差は黒人学童,スペイン系学童および幼稚園入園時ですでに過体重になっている学童の危険グループで特に大きかった.初期の学校環境は学校の休業期よりも過体重の発生への寄与は小さいと考えられた.

2型糖尿病におけるα-トコフェロールと混合トコフェロール補助剤の酸化ストレスおよび炎症のマーカーへの影響 フリーアクセス

鈴木 優治

pp.736

 ビタミンE異性体は動脈硬化から生体を保護すると考えられる.著者らは2型糖尿病における酸化ストレスおよび炎症のマーカーへのα-トコフェロール(αT)およびγ-トコフェロール(γT)に富む混合トコフェロール(mT)補助剤投与の影響を比較した.検討は2型糖尿病患者に無作為に,①αT,②mT,③偽薬を6週間投与し,投与前後の細胞内トコフェロール,血漿および尿のF2-イソプロスタン,赤血球抗酸化酵素活性,血漿炎症マーカー,エイコサノイド合成について分析した.好中球のαTとγTはmT投与とともに増加したが,αTの投与後には,αTは増加し,γTは減少した.αTとmTの投与は血漿F2-イソプロスタンを減少させたが,24時間尿F2-イソプロスタンおよび赤血球抗酸化酵素活性に影響はなかった.また,血漿CRP,IL-6,TNF-α,単球chemoattractant protein 1には影響しなかった.全身の酸化ストレスを減少させるトコフェロールの作用は2型糖尿病患者におけるビタミンE補助剤投与の有効性を示唆している.

前糖尿病者における非グルコース栄養物のインスリン分泌および作用に及ぼす影響 フリーアクセス

鈴木 優治

pp.768

 前糖尿病者は顕性糖尿病に進展する危険率が高い.インスリン分泌と作用の欠陥はこの危険率を増加させる.著者らは非グルコース栄養物誘導性インスリン分泌が前糖尿病者で損傷されているかどうかについて,空腹時グルコース濃度が異常あるいは正常な者に,グルコース75gを含む混合栄養物またはグルコース75gだけを摂取させて検討した.被検者のグルコース耐性が異常か正常かどうかに関係なく,すべてのグループにおいてOGTTに比較して混合栄養物のグルコース誘導性インスリン分泌は高く,インスリン作用は低かった.しかし,混合栄養物誘導性インスリン分泌とグルカゴン濃度ではグループ間に違いはなかった.加えて,食事後のインスリン作用の低下はすべてのグループで適度のインスリン分泌の増加により代償され,このことは混合栄養物摂取でOGTT中のDisposition Indexに等しいか,それ以上のDisposition Indexをもたらした.対照的に,Disposition Indexはグルコース耐性異常グループにおいてOGTT中に低下し,このことはグルコース低下がインスリン分泌を低下させたことを示している.

コーヒーブレイク

書架にある人生

屋形 稔

pp.742

 人は己の人生をふり返るとき無意識に類似した生き方を他に求めたりする.また書物に表現された内容と自らを比べたりすることもある.書架にひしめく多くの書は己の友でありまた規範ともなりうる.

 最近,平岩弓枝という神主の娘に生まれた作家の時代物,現代物,スリラーなど茫大な著作が書架に充満したので再読した.きっかけは「はやぶさ新八」ものの新作で,幕末の新潟,佐渡を舞台にした筋立てがよく調べてあり興を惹かれたことによる.池波正太郎とともに長谷川伸の新鷹会で磨かれた彼女の時代物はいいものが多い.

あとがき フリーアクセス

伊藤 喜久

pp.794

 特集としてははじめて,不整脈検査を取り上げました.基礎研究から臨床応用に至るまで幅広くバランスよくまとめられており,とりわけ電気生理学,抗不整脈治療,最近明らかにされてきた遺伝子異常などの進歩が濃縮されて,まさにこの領域の今を伝える総説が軒を連ねています.

 不整脈は誰もが一生を通じて必ず経験するもの,短時間で自覚症状のないものから,息詰まり喉が絡まる感じ,めまい,意識喪失まで症状は実に多彩,多様です.初めて自らが知覚する瞬間はあるいはかなりショッキングで,心電図の波形を見るにおよび,自身が“なまみ”の人間であることを改めて思い出す,人生の一こまかもしれません.生まれつき,あるいは加齢と裏腹であることから治りにくいものも少なくなく,患者側は一生を通じてお付き合いの覚悟が必要であり,一方,治療する側はいかに患者の予後を延長し,QOLを向上させることが最優先の課題となります.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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バックナンバー

64巻12号(2020年12月発行)

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64巻11号(2020年11月発行)

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今月の特集2 パニック値報告 私はこう考える

64巻10号(2020年10月発行)

増刊号 がんゲノム医療用語事典

64巻9号(2020年9月発行)

今月の特集1 やっぱり大事なCRP
今月の特集2 どうする?精度管理

64巻8号(2020年8月発行)

今月の特集1 AI医療の現状と課題
今月の特集2 IgG4関連疾患の理解と検査からのアプローチ

64巻7号(2020年7月発行)

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増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見

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今月の特集1 Clostridioides difficile感染症—近年の話題
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64巻1号(2020年1月発行)

今月の特集1 免疫チェックポイント阻害薬—押さえるべき特徴と注意点
今月の特集2 生理検査—この所見を見逃すな!

63巻12号(2019年12月発行)

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今月の特集2 高血圧の臨床—生理検査を中心に

63巻11号(2019年11月発行)

今月の特集1 腎臓を測る
今月の特集2 大規模自然災害後の感染症対策

63巻10号(2019年10月発行)

増刊号 維持・継続まで見据えた—ISO15189取得サポートブック

63巻9号(2019年9月発行)

今月の特集1 健診・人間ドックで指摘される悩ましい検査異常
今月の特集2 現代の非結核性抗酸菌症

63巻8号(2019年8月発行)

今月の特集 知っておきたい がんゲノム医療用語集

63巻7号(2019年7月発行)

今月の特集1 造血器腫瘍の遺伝子異常
今月の特集2 COPDを知る

63巻6号(2019年6月発行)

今月の特集1 生理検査における医療安全
今月の特集2 薬剤耐性菌のアウトブレイク対応—アナタが変える危機管理

63巻5号(2019年5月発行)

今月の特集1 現在のHIV感染症と臨床検査
今月の特集2 症例から学ぶフローサイトメトリー検査の読み方

63巻4号(2019年4月発行)

増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ

63巻3号(2019年3月発行)

今月の特集 血管エコー検査 まれな症例は一度みると忘れない

63巻2号(2019年2月発行)

今月の特集1 てんかんup to date
今月の特集2 災害現場で活かす臨床検査—大規模災害時の経験から

63巻1号(2019年1月発行)

今月の特集1 発症を予測する臨床検査—先制医療で5疾病に立ち向かう!
今月の特集2 薬の効果・副作用と検査値

62巻12号(2018年12月発行)

今月の特集1 海外帰りでも慌てない旅行者感染症
今月の特集2 最近の輸血・細胞移植をめぐって

62巻11号(2018年11月発行)

今月の特集1 循環癌細胞(CTC)とリキッドバイオプシー
今月の特集2 ACSを見逃さない!

62巻10号(2018年10月発行)

増刊号 感染症関連国際ガイドライン—近年のまとめ

62巻9号(2018年9月発行)

今月の特集1 DIC診断基準
今月の特集2 知っておきたい遺伝性不整脈

62巻8号(2018年8月発行)

今月の特集 女性のライフステージと臨床検査

62巻7号(2018年7月発行)

今月の特集1 尿検査の新たな潮流
今月の特集2 現場を変える!効果的な感染症検査報告

62巻6号(2018年6月発行)

今月の特集1 The Bone—骨疾患の病態と臨床検査
今月の特集2 筋疾患に迫る

62巻5号(2018年5月発行)

今月の特集1 肝線維化をcatch
今月の特集2 不妊・不育症医療の最前線

62巻4号(2018年4月発行)

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック

62巻3号(2018年3月発行)

今月の特集1 症例から学ぶ血友病とvon Willebrand病
今月の特集2 成人先天性心疾患

62巻2号(2018年2月発行)

今月の特集1 Stroke—脳卒中を診る
今月の特集2 実は増えている“梅毒”

62巻1号(2018年1月発行)

今月の特集1 知っておきたい感染症関連診療ガイドラインのエッセンス
今月の特集2 心腎連関を理解する

60巻13号(2016年12月発行)

今月の特集1 認知症待ったなし!
今月の特集2 がん分子標的治療にかかわる臨床検査・遺伝子検査

60巻12号(2016年11月発行)

今月の特集1 血液学検査を支える標準化
今月の特集2 脂質検査の盲点

60巻11号(2016年10月発行)

増刊号 心電図が臨床につながる本。

60巻10号(2016年10月発行)

今月の特集1 血球貪食症候群を知る
今月の特集2 感染症の迅速診断—POCTの可能性を探る

60巻9号(2016年9月発行)

今月の特集1 睡眠障害と臨床検査
今月の特集2 臨床検査領域における次世代データ解析—ビッグデータ解析を視野に入れて

60巻8号(2016年8月発行)

今月の特集1 好塩基球の謎に迫る
今月の特集2 キャリアデザイン

60巻7号(2016年7月発行)

今月の特集1 The SLE
今月の特集2 百日咳,いま知っておきたいこと

60巻6号(2016年6月発行)

今月の特集1 もっと知りたい! 川崎病
今月の特集2 CKDの臨床検査と腎病理診断

60巻5号(2016年5月発行)

今月の特集1 体腔液の臨床検査
今月の特集2 感度を磨く—検査性能の追求

60巻4号(2016年4月発行)

今月の特集1 血漿蛋白—その病態と検査
今月の特集2 感染症診断に使われるバイオマーカー—その臨床的意義とは?

60巻3号(2016年3月発行)

今月の特集1 日常検査からみえる病態—心電図検査編
今月の特集2 smartに実践する検体採取

60巻2号(2016年2月発行)

今月の特集1 深く知ろう! 血栓止血検査
今月の特集2 実践に役立つ呼吸機能検査の測定手技

60巻1号(2016年1月発行)

今月の特集1 社会に貢献する臨床検査
今月の特集2 グローバル化時代の耐性菌感染症

59巻13号(2015年12月発行)

今月の特集1 移植医療を支える臨床検査
今月の特集2 検査室が育てる研修医

59巻12号(2015年11月発行)

今月の特集1 ウイルス性肝炎をまとめて学ぶ
今月の特集2 腹部超音波を極める

59巻11号(2015年10月発行)

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ

59巻10号(2015年10月発行)

今月の特集1 見逃してはならない寄生虫疾患
今月の特集2 MDS/MPNを知ろう

59巻9号(2015年9月発行)

今月の特集1 乳腺の臨床を支える超音波検査
今月の特集2 臨地実習で学生に何を与えることができるか

59巻8号(2015年8月発行)

今月の特集1 臨床検査の視点から科学する老化
今月の特集2 感染症サーベイランスの実際

59巻7号(2015年7月発行)

今月の特集1 検査と臨床のコラボで理解する腫瘍マーカー
今月の特集2 血液細胞形態判読の極意

59巻6号(2015年6月発行)

今月の特集1 日常検査としての心エコー
今月の特集2 健診・人間ドックと臨床検査

59巻5号(2015年5月発行)

今月の特集1 1滴で捉える病態
今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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