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文献詳細

雑誌文献

臨床検査51巻8号

2007年08月発行

文献概要

研究

小児臨床分離Streptococcus pneumoniae株のPBPs遺伝子解析と薬剤感受性の比較検討

著者: 林絵里奈1 中本有美2 山村淳一3 大友志伸1 中村常之3 柿沼宏明3 高橋弘昭3 唐澤忠宏1

所属機関: 1金沢大学大学院医学系研究科保健学専攻病態検査学 2金沢医科大学病院中央臨床検査部 3金沢医科大学発生発達医学(小児科学)

ページ範囲:P.887 - P.891

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 2006年1~7月に金沢医科大学病院小児科において分離されたS. pneumoniae 74株について,11種類の抗菌薬に対するMIC(minimum inhibitory concentration)を測定し,PCRにてPBPs遺伝子解析を行った.PBPs遺伝子変異頻度は,変異なし3株(4.1%),pbp2x変異13株(17.6%),pbp1a2x変異15株(20.3%),pbp2x2b変異4株(5.4%),pbp1a2x2b変異39株(52.7%)であった.pbp1apbp2b変異はPCG耐性,pbp2x変異はCTX耐性に関与し,さらにpbp1a変異が加わることでより強い耐性を示す傾向にあった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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