icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査52巻1号

2008年01月発行

文献概要

今月の主題 インフルエンザ診療のブレークスルー 検査・診断

インフルエンザの迅速診断―「鼻かみ液」検体の可能性

著者: 三田村敬子1 清水英明2 渡邉寿美3 川上千春4 菅谷憲夫5

所属機関: 1(財)ライフ・エクステンション研究所付属永寿総合病院小児科 2川崎市衛生研究所 3神奈川県衛生研究所 4横浜市衛生研究所検査研究課 5(財)神奈川県警友会けいゆう病院小児科

ページ範囲:P.41 - P.45

文献購入ページに移動
 インフルエンザ迅速診断キットの検体として,患者に鼻をかませて採取した「鼻かみ液」が使用可能か検討した.ウイルス分離と比較した感度は,鼻咽頭拭い液に比べてやや低いが,A型で86%,B型で77%と良好な数値であった.鼻かみ液の量が少ない場合には検出率が低くなるため,検体量の確認をすることが必要である.鼻かみ液の採取は,侵襲もなく痛みも伴わないため採取は円滑に行われ,有用な検体であると考えられる.

参考文献

1) 三田村敬子,山崎雅彦,川上千春:インフルエンザの迅速診断.化学療法の領域 21:1751-1758, 2005
2) 川上千春,市川正孝,三田村敬子:インフルエンザ迅速診断キットの現況.インフルエンザ 10:309-316, 2005
3) 川上千春,三田村敬子,木村和弘:迅速診断キットの基礎的検討.インフルエンザ 4:317-324, 2003
4) 三田村敬子,山崎雅彦,市川正孝,他:イムノクロマトグラフィー法と酵素免疫法を組み合わせた原理によるインフルエンザ迅速診断キットの検討.感染症誌 78:597-603, 2004
5) 三田村敬子:インフルエンザの診断と治療の進展.Medical Science Digest 32:600-604, 2006
6) 梅田悦生:インフルエンザ抗原迅速診断における鼻かみ検体の有用性.耳鼻臨床 99:781-787, 2006
7) 岩城紀男,河合直樹,廣津伸夫,他:インフルエンザ抗原迅速診断の際の鼻かみ鼻汁検体の診断的有用性について.臨床と研究 84:1298-1302, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?