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今月の主題 インフルエンザ診療のブレークスルー トピックス
インフルエンザの暴露後発症予防
著者: 新庄正宜12
所属機関: 1慶應義塾大学医学部小児科 2慶應義塾大学病院感染対策室
ページ範囲:P.89 - P.91
文献購入ページに移動インフルエンザ予防の基本は毎年のワクチンであるが,インフルエンザ患者に接触後(暴露後)にワクチンを接種しても無効である.ワクチン接種から免疫獲得までは成人で通常2週間程度であるが,感染から発症まではわずか1~3日程度であるためである.このため,暴露後(接触後)予防,いわゆるpostexposure prophylaxisの基本は,抗インフルエンザ薬となる.抗インフルエンザ薬には,M2イオンチャネル阻害薬であるアマンタジン(シンメトレル(R))と,ノイラミニダーゼ阻害薬であるオセルタミビル(タミフル(R))・ザナミビル(リレンザ(R))がある.
予防投与の方法には,流行期予防投与(長期予防投与),暴露後予防投与(短期予防投与)の二つがある.前者はシーズン中,患者との暴露の有無にかかわらず常に予防しておくという考えであり,後者は暴露後にだけ予防するという考えである.今回は後者,特に院内感染予防について述べる.
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