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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査52巻12号

2008年11月発行

雑誌目次

今月の主題 平衡機能検査

巻頭言

眼振の観察と記録・分析の歴史

加我 君孝

pp.1387-1388

1.眼振の発見

 眼振の英語名のnystagmusは,ギリシャ語のnystazenで,英語のnodを意味する.nod,すなわち“うなづく”というのは,居眠りをしているとコックリするが,眼振をコックリすることに例えたのであろう.このnystagmusという現象をはじめて述べたのは2,500年前に活躍したギリシャのヒポクラテスであった.わが国で最も古い記録は平安時代末期(10世紀)の「病草紙」の中に描かれているもので,碁をさしている男の眼が揺れているのを2人の若い女性が見て笑っている絵である.右顔面麻痺を伴っているので右の内耳障害によるものであろう.ただし“眼振”という漢字の述語はいつ頃から使われたのであろうか.

 三半規管を障害させると眼振とバランスの障害が生じることを示したのは19世紀初頭のフランスの生理学者,フルーランであった.回転眼振や電気刺激によって生じる眼振に興味を持ったのはチェコのプルキンエであった.しかし,その機序は20世紀になって解明された.

総説

めまい・平衡障害を呈する疾患の病態生理

北原 糺

pp.1389-1395

 良性発作性頭位めまい症は頭部運動時に剥離した耳石が半規管に迷入することで一過性に回転性めまいが生じ,メニエール病は内リンパ水腫により回転性めまいとともに難聴,耳鳴が繰り返し生じる.前庭神経炎およびめまいを伴う突発性難聴は,数日間の臥床を余儀なくされる回転性めまい発作が生じるが,前者は主として前庭神経1次求心性ニューロンのウイルス性障害,後者はコルチ器を含めた内耳血管性病変と推察されている.これらの疾患の病態を考える際,疾患のメイン・イベントである回転性めまい発作のみにとらわれてはならない.治療により回転性めまい発作は消失しても,発作により生じた半規管麻痺が大きければ,執拗に持続する誘発性の眼振や浮動感に悩まされる.各種平衡機能検査の実施は,めまい疾患の前庭系における障害部位,程度,経過を把握するために重要である.

末梢性めまい・平衡障害の治療

室伏 利久

pp.1397-1403

 末梢前庭性めまい・平衡障害疾患の治療について,頻度の高い三疾患,すなわち,良性発作性頭位めまい症,メニエール病,前庭神経炎,両側末梢前庭障害の代表例として特発性両側性末梢前庭機能低下症を加えた四疾患について述べた.治療法には,生活指導,薬物治療,理学療法,手術的治療,心理療法などがあり,疾患により,また,病期により最適の治療法を選択することが,良好な治療効果を上げるためには重要であることを述べた.

平衡機能の検査

平衡機能検査のすすめ方

加我 君孝 , 増田 毅

pp.1404-1406

 1861年にフランスの医師メニエールが,めまいが内耳由来であることを報告する以前は,めまいは脳出血で生じると思われていた.それから150年も経った現在では,ともあれ脳の画像診断を行う傾向がある.これは安易であり,次のような手順で検査をすると,余分な検査をしないで済み,かつ正しい診断に到達し患者へ貢献できる.めまいの訴えがあれば内耳性めまいを疑って検査をすすめる.ただし,中枢神経系にも問題がないか頭に入れてすすめる.

1.半規管機能検査―1) 温度刺激検査

岩崎 真一

pp.1407-1412

 温度刺激検査は,外耳道の温度を変化させることによって内耳を刺激し,誘発される眼振を計測することにより,主に外側半規管の機能を評価する検査である.本検査法は比較的簡便に半規管機能を左右別々に検査することが可能であり,最も重要な前庭機能検査の一つである.本検査における刺激法には,冷温交互刺激法,冷水刺激法,エアーカロリック法があり,眼振の評価法にもFrenzel眼鏡を使用する直接観察法と電気眼振図によって眼振の緩徐相速度を計測する方法などが存在する.いずれの方法で行う場合においても,被験者の状態に注意を払い,検査の原理を十分理解したうえで,検査の施行,判定を行うことが重要である.

1.半規管機能検査―2) 回転検査

肥塚 泉

pp.1413-1417

 めまい・平衡障害患者の診断に際しては,問診,視診,生理機能検査,画像診断などの結果の総合的判断が必要となる.生理機能検査の一つである回転検査はめまい・平衡障害患者の前庭機能の評価を目的に施行される.回転検査は温度刺激検査と異なり,両側迷路を同時に刺激するため患側の診断を行うことは不可能とされ,これまでは主に,治療前後の経過観察に用いられてきた.回転検査の一亜系である偏垂直軸回転検査(off-vertical axis rotation;OVAR)は,半規管系のみならず耳石機能についても評価が可能である.OVARによりめまい・平衡障害患者の病変部位診断が可能となる.

2.耳石機能検査―1) 前庭性頸筋電位

竹腰 英樹 , Waele Catherine de

pp.1419-1424

 平衡機能検査の中で最近注目されている前庭性頸筋電位(vestibular evoked myogenic potential;VEMP)は,ヘッドフォンからクリック音刺激を与え短潜時に胸鎖乳突筋より得られる筋電位であり,耳石器に由来する反応と考えられている.動物実験などから,球形囊由来の反応とされ,球形囊や下前庭神経の障害を診断するのに有用である.刺激はクリック音刺激のほか,ショートトーンバースト刺激,骨導刺激,電気刺激などが行われるようになり,様々な疾患の検査に応用されている.反応を振幅ばかりでなく,潜時も検討することにより前庭脊髄路の障害も診断可能である.本稿では,VEMPの検査法や注意点を記し,代表的な疾患における反応について述べた.

2.耳石機能検査―2) 傾斜知覚検査

落合 敦 , 加我 君孝

pp.1425-1429

 傾斜知覚検査は空間識検査の一つであり,耳石器検査に分類される.空間識のうち,重力に対する傾斜知覚の測定は1922年Graheにより初めてなされたが,その方法は極めて古典的なものであった.現在,われわれは電動ゴニオメーターを改良し傾斜台上に椅子を設置し座位における傾斜知覚を検査している.

 われわれの自験データより,片側前庭機能障害群,両側前庭機能障害群の両群ともコントロール群との間に有意差を認めなかったことから,体性感覚入力が優位に働いていることにほかならず,感覚脱失を呈していた多発性硬化症例がこのことを示唆していた.そして,健常老人群とコントロール群との間に有意差を認めたことから,前庭入力の低下を補って優位に働いていた体性感覚入力自体の機能低下と前庭入力,視覚入力,体性感覚入力を統合する中枢神経系の機能低下の両者によって高齢者の傾斜知覚は低下すると考えられた.したがって本検査は,平衡機能検査だけでなく加齢による認知能力の低下や脳神経疾患による感覚脱失重症度の評価のための補助的検査としても活用されることを推奨したい.

3.眼振の記録―1) 赤外線CCDカメラによる記録と分析

小泉 康雄 , 八木 聰明

pp.1431-1436

 固視機能が正常であれば,一般に内耳性(末梢前庭性)の眼振は固視によって抑制される(固視抑制).そのため,このような眼振が減弱したときや微弱であるときには,固視下(注視下)では観察できないことが多い.より完全な固視抑制を可能にする目的で,完全暗所で眼振の観察が可能な赤外線CCDカメラによる観察システムが開発された.

 また,近年では赤外線CCDカメラを用いて撮影した画像を,コンピュータ認識技術を用いて解析する方法が一般化し,眼球運動の三次元解析がすでに臨床検査機器として実用化されている.

 本稿では赤外線CCDカメラによる眼球運動検査およびそれを利用した三次元解析システムについて解説する.

3.眼振の記録―2) フレンツェル眼鏡下の頭位・頭位変換検査

清水 重敬 , 鈴木 衞

pp.1437-1442

 末梢性めまい疾患における眼振は,固視機能を減弱させることにより発現しやすくなる.フレンツェル眼鏡は患者の眼球を拡大し,固視を抑制して眼振を観察しやすくする器具である.フレンツェル眼鏡を用いた頭位・頭位変換検査は,日常の外来やベッドサイドでも簡易に行うことができ,得られる情報はめまいの診断に非常に有益である.検査の基本手技と,得られた眼振から予想される疾患につき述べる.

3.眼振の記録―3) ENGの原理と記録方法

中村 雅子

pp.1445-1449

 身体の平衡は前庭系,視覚系および体性感覚系によって保たれ,めまいはこれらのいずれかに破綻をきたしたときに起こる.めまいは,前庭性(末梢性・中枢性)と非前庭性に分類され,眼振や異常眼球運動を伴う例もある.耳鼻咽喉科領域では,主に眼振の検査としてENG記録を行う.ENGは自発眼振の記録のほか,視標追跡検査,視運動性眼振検査,回転刺激検査,温度眼振検査などの誘発検査において用いられる.本稿では,眼振や異常眼球運動を電気的に記録する方法および記録上の注意点を説明する.

4.視刺激検査―1) 視標追跡検査

中村 正

pp.1450-1454

 視刺激検査のなかで視標追跡検査(eye tracking test;ETT)は比較的簡便な検査であり,中枢性疾患を診断するための検査法として一般臨床の場でよく利用されている.本検査において視標刺激を与える方法としては,用手的な刺激方法から投影式の大型の装置を使用する方法まで様々なものがある.用手的な方法では検者の指を左右にゆっくりと動かし被験者に指先を固視するように指示し,眼球運動が滑らかに動くかどうかを評価する.一方,定量的に評価するためにはスクリーンに光源を投影する大型の刺激装置を使用し,眼球運動を電気眼振図検査装置で記録し解析する.眼球運動速度波形においてスパイク波形が規則的に認められれば異常所見と評価する.異常所見は主に後頭蓋窩疾患に認められ,左右どちらかの方向に対して片側性の異常所見が認められた場合,その病巣も片側性である.通常,末梢前庭障害では視標追跡検査の異常は認められない.ただし,末梢前庭障害の急性期で強い自発眼振を持つ症例では一見片側性の異常所見を呈することがある.これは強い眼振が眼球運動に影響を与えるために起こる見かけ上の異常所見であり,その評価には注意が必要である.

4.視刺激検査―2) 視運動性眼振検査

田浦 晶子 , 船曳 和雄

pp.1455-1459

 運動する物体を認知するために,中心および周辺視野に映った外界の動きを追うような眼球運動が視運動性眼振(OKN)である.中心視野を使って速い立ち上がりを示す直接経路と,周辺視野を使ってゆっくりとした反応を起こす間接経路がある.直接経路は大脳皮質を介し,間接経路は介さない.画像診断の進歩により障害部位診断にとってのOKN検査の臨床的意義は低下しつつあるものの,眼運動系の機能評価法の一つとして有用である.

4.視刺激検査―3) 急速眼球運動検査

伊藤 彰紀

pp.1460-1464

 急速眼球運動には衝動性眼球運動(saccade)と眼振の急速相とがあるが,ここではsaccadeの解説をする.Saccadeは頭部を動かさずに視覚対象物を網膜中心窩で捕らえようとするときに生じる急速な眼球運動のことである.検討するパラメーターは,反応時間(指標の動き出しからsaccadeの開始点までの時間),最大眼球運動速度,そして振幅の異常の三つである.Saccadeの発現には,主に脳幹網様体や脳幹の眼運動系が関与していることから,この検査は脳幹の機能検査として臨床上重要である.

5.姿勢の分析―1) 重心動揺検査

伊藤 八次

pp.1465-1469

 体平衡検査は身体の平衡機能を総合的に観察し評価できる最も基本的な平衡機能検査である.検査は簡便なものが多く,めまい・平衡障害のほぼ全例が対象となる.そのなかで,重心動揺検査は,直立時の平衡維持機能を身体重心の動揺(移動)で評価する検査である.身体動揺を客観的かつ定量的に記録・評価できるので,平衡障害の有無と程度の把握,疾患の経過観察,治療効果判定に有用である.さらに,特徴的な動揺を観察できた場合は病巣診断の一助となる

5.姿勢の分析―2) 歩行解析

國見 ゆみ子 , 伊藤 裕之

pp.1471-1476

 一般の臨床歩行分析における歩行動作相と歩行パラメータ,計測装置の概略について解説した.平衡機能障害患者の歩行計測で得られた床反力ならびに矢状面下肢関節角度パラメータ,ならびに足部位置と重心変動の俯瞰図を健常者と対比して図示,解説するとともに,一部パラメータの健常差を解説した.また,歩行中の下肢筋電図を,めまいの有無で提示し,平衡機能障害があると歩行が蹣跚となり歩行パラメータの変動係数も大きくなることを紹介した.

話題

Head Impulse Test

千原 康裕

pp.1479-1482

1.はじめに

 半規管機能(主に外側半規管)を調べる臨床検査として,前庭眼反射(vestibulo-ocular reflex;VOR)を利用した温度眼振検査と回転検査が普及している(本号「1.半規管機能検査」参照).近年注目を集め,臨床および基礎研究が進んでいる新しい半規管機能検査としてhead impulse testがある.head impulse testは1988年にHalmagyiとCurthoysによって報告された半規管機能検査で,「head thrust test」「Halmagyi & Curthoys test」などとも呼ばれている1).Head impulse testは頭部に高加速度・高周波数刺激を負荷する検査で,温度眼振検査や回転検査とは異なった特徴を持つ.また,特殊な器具や装置を必要とせずに短時間で検査を行うことができる.

 本稿では,head impulse testの行いかた,結果の解釈と生理学的意義,検査上の注意点について述べる.なお,原理的にはhead impulse testで前半規管や後半規管の機能を調べることも可能であるが,本稿では外側半規管に対する検査についてのみ紹介する.

自覚的視性垂直位(SVV)

國弘 幸伸

pp.1483-1486

1.はじめに

 自覚的視性垂直位(subjective visual vertical)は「SVV」と呼ばれることが多い.本稿でもSVVおよびSVV検査という呼称を用いる.SVVではなく自覚的視性水平位(subjective visual horizontal;SVH)を測定している施設もあるが,SVVとSVHとの間に本質的な違いはないと考えられる.

 SVV検査の主たる目的は,耳石器,前庭神経,および中枢での重力認知経路の機能評価をすることである.耳石器機能検査としては,SVV検査のほかに,偏垂直回転(off-vertical rotation)検査,偏心性回転(eccentric rotation)検査,直線加速(linear translation)検査などの頭部に加速度を加える方法や眼球回旋(ocular torsion)を測定する方法などがある.また,最近は,前庭誘発筋電位(vestibular evoked myogenic potential;VEMP)検査も注目されている.SVV検査が卵形囊およびその中枢投射路の機能検査と考えられるのに対して前庭誘発筋電位検査は球形囊およびその中枢投射路の機能を反映する.

 SVV検査の特長は,大がかりな器具を必要とせず短時間に行えるということである.また加速度などの刺激を被験者に加える必要がない.本稿では,SVVの測定方法,SVVに影響を与える諸要因および,めまい・平衡機能検査としてのSVV検査の意義について概略を述べる.

Galvanic Stimulationの新展開

都筑 俊寛 , 小宮 卓

pp.1487-1492

1.はじめに

 頭部,特に耳後部に弱い電気刺激(galvanic stimulation)を加えると電気性身体動揺(galvanic body sway)が起こる.さらに電流を強くすると電気性眼振(galvanic nystagmus;GN)が起こる.その発生機序については,末梢前庭器や前庭神経であるといわれているが,電気刺激が前庭系のどこに働いて,眼振や身体動揺が誘発されているか決定的な説はない1~4)

 この理由として,眼球運動を記録する場合,ENG(electronystagmography)では,刺激電流がノイズとして記録に混入してしまうため眼球運動速度の定量的な解析が困難であったことが挙げられる.

 この問題を解決しGN検査を他の眼振検査と同様に広く臨床的に利用するために,近年開発された赤外線CCDカメラとコンピューターによる眼球運動記録装置(video-oculography)を用いてGNの解析を行えば,電気刺激と眼球運動の関係がより明解となると考えられるので,以下の三つの実験を計画施行した.

 健常人における電気刺激による前庭系の生理的反応を明らかにする目的で,①健常人のGNの解発閾値,電流の強さと眼振頻度の関係,電流の強さと平均緩徐相速度の関係につき検討した5)

 GN解発の電流が作用する器官を考察する目的で,②末梢前庭系が作用部位であると仮定して,内リンパ水腫による半規管および前庭機能障害であるメニエール病(Meniere disease;MD)のGNを記録解析した6).さらに,前庭神経の関与を明らかにする目的で,③前庭神経障害である聴神経腫瘍症例(acoustic nerve tumor;AT)のGNを記録解析し,健常人のGNと比較した.

小児の人工内耳埋込術後のVEMPについて

金 玉蓮

pp.1493-1497

1.はじめに

 人工内耳は高度難聴児の聴覚認知と言語発達に画期的な効果を与えている.鼓室階に電極を挿入すると内耳障害が生じ,残存聴力が失われることが少なくない.球形囊は蝸牛に最も近く,結合管により蝸牛とつながっている.このような形態学的特徴から,球形囊は人工内耳埋込術後に最も障害を受けやすい前庭器官と考えられる.

 前庭誘発筋電位(vestibular evoked myogenic potential;VEMP)は球形囊-下前庭神経系に起源を持つとされ前庭機能検査の一つとして応用されるようになった.人工内耳埋込術前後のVEMPを記録することにより,術後の球形囊の機能変化を把握することが可能である.人工内耳のスイッチを入れた状態でVEMPを測定することで,術後の下前庭神経機能を評価することができる1,2)

今月の表紙 臨床微生物検査・11

ビブリオ・ブルニフィカス

栁原 克紀 , 木谷 貴嘉 , 松田 淳一 , 泉川 公一

pp.1384-1385

1.はじめに

 ビブリオ・ブルニフィカス(Vibrio vulnificusV. vulnificus)は腸炎ビブリオに類似した性質を持つコンマ状ビブリオである.河口付近の海水と真水が交わる汽水域に生息しており,水温が20℃を超えると検出されやすくなる.夏期に海産物を生食することにより発症し,敗血症や壊死性筋膜炎など重症感染症を引き起こす.免疫不全宿主,慢性肝疾患ならびに鉄欠乏貧血などで鉄剤を内服している人などのリスクが高い.九州地方をはじめとする西日本地区で多くの症例が報告されているが,症状の進行が極めて早く,死亡する症例も多いため,迅速かつ適切な対応が必要である.

シリーズ最新医学講座・Ⅰ 糖鎖と臨床検査・11

血液型異常と糖鎖

碁石 勝利

pp.1499-1504

はじめに

 医療の分野で血液型検査が必要となったのは,当初はもっぱら輸血の場合であり,輸血を安全に施行するための要求が血液型システムを発展させてきたドライバーと言える.1900年,オーストリアのLandsteinerは,ヒトの血清に他のヒトの赤血球を混合すると,凝集する場合と凝集しない場合があることに気づき,翌1901年,ヒト赤血球がA,B,Cの三つのグループに大別されることを発見し血液型学の扉を開けた.1902年,DecastelloとSturliが第4のグループを発見し,現在のA・B・AB・O型の基礎ができた.1907年にはOttenbergが輸血前検査として初めて交差適合試験を取り入れ,ABO血液型システムを臨床に応用している.その後,血液型は次々と報告されてきたが,これらの赤血球表面抗原は種々の糖蛋白質または糖脂質であり,極めて特異性の高い抗体によって認識されるエピトープは糖鎖あるいは蛋白質である.

 国際輸血学会(International Society of Blood Transfusion;ISBT)の,赤血球表面抗原の用語に関する作業部会によると,ISBTの血液型の定義は,「特異的抗体によって免疫血清学的に実証される赤血球の細胞表面抗原」とされ,2008年8月の時点でISBTの血液型は300もの血液型抗原が同定されている.このうち260抗原は30種類の血液型システムのいずれかに分類され,残りは血清学的特性が似た二つ以上の抗原からなる集合(コレクション),または,高頻度(90%以上の頻度,901 Series)あるいは低頻度(1%未満の頻度,700 Series)で独立して遺伝継承される一連の抗原に分類されている.近年は血液型システムを規定する遺伝子の同定が試みられ,これまでにほとんどの血液型システムを決定する遺伝子が同定された.血液型抗原が糖鎖の場合(表1),その血液型を決定する遺伝子産物の機能は糖転移酵素である.血液型糖鎖抗原は,その糖転移酵素遺伝子のコーディング配列に存在する遺伝子多型に依存していることがわかってきた.

シリーズ最新医学講座・Ⅱ 臨床検査用に開発された分析法および試薬・11

単層および積層フィルムを用いる測定法(検査のSPOT化)

磯村 光男 , 芦原 義弘

pp.1505-1512

はじめに

 SPOT(satellite and physician's office testing)1)は大型の測定機器などを必要としない簡便で迅速に行える検査の総称で,開業医,検査室での割り込み検査,病棟や出先の施設での検査,患者自身が行う検査などが含まれる.またSPOT検査は注目されているPOCT(point of care test)1,2),すなわち患者のかたわらの治療の場における即時検査と,簡便性や短時間測定等が要求される点で共通する.SPOTは,簡便で測定に熟練を必要としない広い項目をカバーする一般検査と考えてよい.一方,POCTはベットサイド検査が中心で,検査データを直ぐ治療の選択に活用するため検査項目も緊急性を要するものが中心で,感度や定量性を要求する項目測定には小型の簡易測定装置を用いることも多い.

 本稿では,生化学検査や免疫測定検査を中心に実際に市販され実用に供してきたSPOT検査,すなわち簡易測定法の開発の経緯を概説し,現在簡易検査の主流となりつつある本題の単層および積層フィルムを用いる測定法について紹介したい.

Coffee Break

北海道全域を襲った米艦載機による波状攻撃と,室蘭製鋼所への艦砲射撃を受けて

佐々木 禎一

pp.1443-1444

 1945年3月,1年余の室蘭製鋼所の生活を切り上げて,私は北大予科に入学したが,直ちに軍事教錬を含む3週間程の集中講義を受け,長沼村への援農に動員された.ここではK.S.君と2人で大きな農家へ配属されたが,当家は10数haの田を耕し,働き盛りの主人と若い2人の弟とその奥さん達ならびに使用人も含めて,労働力には恵まれていた.しかも納屋の奥には使われていないが古い自動車もあった.したがってわれわれ2人はあまり労働力として期待されていなかったものと勝手に解釈していた.

 私は援農中も,室蘭残留の多くの中学同期の友達の生活が気になり,時折葉書で陣中見舞いを書き,また彼らからの近況がとても懐かしかった.さらに同じ時北大予科に入学した医類のH.O.,Y.S.君や工類のY.K.君と文通し,近況を交換し合っていた(Y.S.君は釧路で今も精神科医院を開業し活躍中であるが,他の2人は共に惜しまれつつ夭折してしまった).

臨床検査技師の能力と血液疾患患者の予後判定―国際スコアリングシステムから

寺田 秀夫

pp.1477-1478

 血液腫瘍をどこまで治しうるかという問題は内科医として,また血液専門医にとって永遠の課題ではなかろうか?

 近年,これら悪性血液疾患の予後不良因子の国際的研究が広く報告されるようになった.その一部をここで述べる.(1) 多発性骨髄腫では血清アルブミンとβ2ミクログロブリンの二つの因子から臨床病期を表1のごとく分類している.(2) 進行期ホジキン病について予後不良因子として,①血清アルブミン値<4g/dl ②Hb<10.5g/dl ③男性 ④年齢>45歳 ⑤臨床病期:Ⅳ期 ⑥WBC>15,000/μl ⑦リンパ球<1,600/μlまたは<WBCの8%を挙げ,the rate of freedom from progression of disease(RFPD)を検討している.(3) 骨髄異形成症候群:FAB分類に基づいた国際スコアリングシステム(International Prognostic Scoring System;IPSS)では骨髄中の芽球(%)染色体異常,血球減少を基準とし(表2),その後WHO分類(2000)の分類に基づいたスコアリングシステム(WHO classification-based prognostic scoring system;WPSS)(2007)では,①WHO分類,②染色体異常の度合,③輸血必要度の三つの予後因子により五つのリスク群に分類している(表3).

あとがき フリーアクセス

片山 善章

pp.1514

 今回の主題「平衡機能検査」の内容は,総説に「めまい・平衡障害……」,「末梢性めまい・平衡障害……」と「めまい」と言う語に対して,『めまい』と言う映画を思い出した.父が映画好き,しかも洋画が好きで,私が中学2年生ごろに父に連れられて見た映画である.洋画を見るようになって,不思議に思ったことは,男優は見分けがつくが,女優はみな同じ顔に見えることであった.主演していた男優はジェームス・ステュアートであり,女性はキム・ノバァクという女優であった.洋画での女優はみな同じ顔に見えたのが,キム・ノバァクは気品があって謎めいた妖艶な女優(役柄)で,当時,はじめて名前を憶えた女優であった.映画の概略は元刑事スコティー(ジェームス・ステュアート)が高所恐怖症(めまいを起こす)であるがために,大学時代の友人の美しい妻マデリン(キム・ノバァク)の殺害に利用されるというあらすじで,アルフレッド・ヒッチコックが製作,監督の映画であった(1958年).

 さて,誰でも一度ぐらい一過性ですぐ回復する「めまい」を経験したことがあるのではないだろうか.睡眠不足,多忙で仕事疲れなどで日常生活が不規則になることからめまいが起こることもあるようである.いわゆる生活習慣病の一つと考えられている.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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62巻12号(2018年12月発行)

今月の特集1 海外帰りでも慌てない旅行者感染症
今月の特集2 最近の輸血・細胞移植をめぐって

62巻11号(2018年11月発行)

今月の特集1 循環癌細胞(CTC)とリキッドバイオプシー
今月の特集2 ACSを見逃さない!

62巻10号(2018年10月発行)

増刊号 感染症関連国際ガイドライン—近年のまとめ

62巻9号(2018年9月発行)

今月の特集1 DIC診断基準
今月の特集2 知っておきたい遺伝性不整脈

62巻8号(2018年8月発行)

今月の特集 女性のライフステージと臨床検査

62巻7号(2018年7月発行)

今月の特集1 尿検査の新たな潮流
今月の特集2 現場を変える!効果的な感染症検査報告

62巻6号(2018年6月発行)

今月の特集1 The Bone—骨疾患の病態と臨床検査
今月の特集2 筋疾患に迫る

62巻5号(2018年5月発行)

今月の特集1 肝線維化をcatch
今月の特集2 不妊・不育症医療の最前線

62巻4号(2018年4月発行)

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック

62巻3号(2018年3月発行)

今月の特集1 症例から学ぶ血友病とvon Willebrand病
今月の特集2 成人先天性心疾患

62巻2号(2018年2月発行)

今月の特集1 Stroke—脳卒中を診る
今月の特集2 実は増えている“梅毒”

62巻1号(2018年1月発行)

今月の特集1 知っておきたい感染症関連診療ガイドラインのエッセンス
今月の特集2 心腎連関を理解する

60巻13号(2016年12月発行)

今月の特集1 認知症待ったなし!
今月の特集2 がん分子標的治療にかかわる臨床検査・遺伝子検査

60巻12号(2016年11月発行)

今月の特集1 血液学検査を支える標準化
今月の特集2 脂質検査の盲点

60巻11号(2016年10月発行)

増刊号 心電図が臨床につながる本。

60巻10号(2016年10月発行)

今月の特集1 血球貪食症候群を知る
今月の特集2 感染症の迅速診断—POCTの可能性を探る

60巻9号(2016年9月発行)

今月の特集1 睡眠障害と臨床検査
今月の特集2 臨床検査領域における次世代データ解析—ビッグデータ解析を視野に入れて

60巻8号(2016年8月発行)

今月の特集1 好塩基球の謎に迫る
今月の特集2 キャリアデザイン

60巻7号(2016年7月発行)

今月の特集1 The SLE
今月の特集2 百日咳,いま知っておきたいこと

60巻6号(2016年6月発行)

今月の特集1 もっと知りたい! 川崎病
今月の特集2 CKDの臨床検査と腎病理診断

60巻5号(2016年5月発行)

今月の特集1 体腔液の臨床検査
今月の特集2 感度を磨く—検査性能の追求

60巻4号(2016年4月発行)

今月の特集1 血漿蛋白—その病態と検査
今月の特集2 感染症診断に使われるバイオマーカー—その臨床的意義とは?

60巻3号(2016年3月発行)

今月の特集1 日常検査からみえる病態—心電図検査編
今月の特集2 smartに実践する検体採取

60巻2号(2016年2月発行)

今月の特集1 深く知ろう! 血栓止血検査
今月の特集2 実践に役立つ呼吸機能検査の測定手技

60巻1号(2016年1月発行)

今月の特集1 社会に貢献する臨床検査
今月の特集2 グローバル化時代の耐性菌感染症

59巻13号(2015年12月発行)

今月の特集1 移植医療を支える臨床検査
今月の特集2 検査室が育てる研修医

59巻12号(2015年11月発行)

今月の特集1 ウイルス性肝炎をまとめて学ぶ
今月の特集2 腹部超音波を極める

59巻11号(2015年10月発行)

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ

59巻10号(2015年10月発行)

今月の特集1 見逃してはならない寄生虫疾患
今月の特集2 MDS/MPNを知ろう

59巻9号(2015年9月発行)

今月の特集1 乳腺の臨床を支える超音波検査
今月の特集2 臨地実習で学生に何を与えることができるか

59巻8号(2015年8月発行)

今月の特集1 臨床検査の視点から科学する老化
今月の特集2 感染症サーベイランスの実際

59巻7号(2015年7月発行)

今月の特集1 検査と臨床のコラボで理解する腫瘍マーカー
今月の特集2 血液細胞形態判読の極意

59巻6号(2015年6月発行)

今月の特集1 日常検査としての心エコー
今月の特集2 健診・人間ドックと臨床検査

59巻5号(2015年5月発行)

今月の特集1 1滴で捉える病態
今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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