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文献詳細

雑誌文献

臨床検査52巻13号

2008年12月発行

文献概要

今月の主題 凝固制御 巻頭言

血液凝固学の新たな展開

著者: 池田康夫1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部内科学

ページ範囲:P.1521 - P.1522

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 血液凝固反応は血管損傷時にみられる出血に対する重要な生体防御反応の一つであり,その破綻が重篤な出血性疾患をもたらすことは凝固第Ⅷ因子,第Ⅸ因子の欠損による血友病が如実に物語っている.一方,生体には実に精緻な血液凝固制御機構が備わっており,止血血栓形成という防御反応が過剰になり,その結果血管を閉塞するようなことが決して起こらないようになっている.この血液凝固制御機構の重要性については,その中心をなすアンチトロンビンⅢ,プロテインC,プロテインSなどの先天性欠損患者は重篤な血栓傾向を呈することからも明らかである.

 血液凝固過程はカスケード反応で構成されており,少量の刺激で大量の活性化凝固因子が生成され,最終的には,トロンビンがフィブリノゲンを不溶性フィブリンに変換する.トロンビンは同様に血小板を活性化し,血小板凝集塊を形成し,強固な止血血栓が完成する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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