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植物由来化合物によるヒト大腸癌細胞の成長阻害
著者: 鈴木優治1
所属機関: 1埼玉県立大学保健医療福祉学部
ページ範囲:P.1547 - P.1547
文献購入ページに移動 植物由来化合物(phytochemical)の抗癌作用に関する知見が蓄積されている.著者らはresveratrol,cinnamaldehyde,piperine(それぞれ赤ぶどう,シナモン,黒こしょうに由来)が大腸癌細胞(DLD-1)に対する増殖抑制作用をもつか検討した.実験では,培養ヒト大腸癌細胞に植物由来化合物を最終濃度で1~200μmol/lを加え,24,48および72時間後に生細胞の染色を行い,濃度応答と経時的変化を分光光度法により定量的に測定した.植物由来化合の増殖抑制作用は濃度と時間により異なっていた.cinnamaldehydeは24時間(200μmol/l),48時間(100~200μmol/l),72時間(200μmol/l)に増殖抑制作用を示した.piperineは48時間および72時間(100~200μmol/l)に増殖抑制作用を示した.resveratrolは24時間(50~200μmol/l),48時間および72時間(10~200μmol/l)に増殖抑制作用を示した.いずれの植物由来化合物もDLD-1に増殖抑制作用を有したが,resveratrolは低濃度を一定時間間隔で投与することが著しく効果的であった.これらの植物由来化合物の規則的な低量摂取は,大腸癌予防に有効であると考えられた.
参考文献
Duessel S, Heuertz RM, Ezekiel UR, et al:Growth inhibition of human colon cancer cells by plant compounds. Clin Lab Sci 21:151-157, 2008
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