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女性における血漿デヒドロエピアンドロステロンと心筋梗塞のリスク
著者: 鈴木優治1
所属機関: 1埼玉県立大学保健医療福祉学部
ページ範囲:P.1591 - P.1591
文献購入ページに移動 著者らは女性におけるデヒドロエピアンドロステロン(dehydroepiandrosterone;DHEA)およびデヒドロエピアンドロステロン硫酸塩(DHEA-S)の血漿濃度と心筋梗塞との関係について検討した.血液試料は女性32,826人が43~69歳の時(1989~1990年)に採取されたものを用いた.1998年までの追跡期間に239人が心筋梗塞と診断された.解析は年齢,喫煙状況,空腹状態,採血日を一致させた症例対照を選択し,人体測定学的因子や食事を含む交絡因子を調整したロジスティック回帰分析を用いて行った.DHEAの基準メディアン濃度(10,90パーセンタイル値)は心筋梗塞を発症した女性では17.1(4.3,46.7)nmol/l,対照では16.6(6.1,37.9)nmol/lであった.心筋梗塞の危険率はDHEAおよびDHEA-Sの血漿濃度の増加とともに高まった.DHEAの高四分位の女性と低四分位の女性における心筋梗塞の率比率(rate ratio)は1.27であった.この結果は閉経状態や閉経後のエストロゲン療法,空腹状態,採血時の年齢により変化しなかった.同様の関係はDHEA-Sにも認められ,高四分位の女性と低四分位の女性における心筋梗塞の率比率は1.58であった.
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