icon fsr

雑誌目次

雑誌文献

臨床検査52巻2号

2008年02月発行

雑誌目次

今月の主題 輸血の安全管理

巻頭言

輸血の安全管理―輸血による不幸を生まないために

紀野 修一 , 伊藤 喜久

pp.131-132

 輸血は出血を伴う患者の治療や移植医療を行うために不可欠な補助療法である.売血時代には輸血後患者の約半数に輸血後肝炎が発生していたが,行政や日本赤十字社の間断ない努力により輸血用血液の安全性は飛躍的に向上し,現在では輸血後肝炎の発生は著しく減少した.しかし,輸血用血液に潜むウイルスの検査精度向上によっても,ウィンドウピリオド内の血液を輸血することによるウイルス伝播は根絶されていない.また,細菌により汚染された血液を輸血したことによる死亡例も報告されている.さらに,輸血による新興・再興感染症,プリオンや未知の病原体の輸血による伝播の可能性が最近問題となっている.

 輸血は非自己の血液細胞を移植する行為である.したがって,放射線照射により防げるようになったGVHD(graft-versus-host disease;移植片対宿主病)のような自己細胞を攻撃する重篤な副作用が発生したり,非自己の抗原が移入されることによって免疫反応が生じ,ABO血液型不適合輸血のように最悪の場合には受血者に死をもたらすこともある.また,輸血関連急性肺障害のように受血者の生命にかかわる重篤な非溶血性副作用も存在する.

総説

輸血の安全管理に関する法令

武末 文男

pp.133-138

 輸血の安全管理に関する法令には,輸血血液の安定供給と適正な使用を定めた「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律(血液法)」と安全確保対策を示した薬事法の2つの法律がある.これらの2つの法律が,相まって輸血医療の安全性を確保する仕組みとなっており,なかでも,特定生物由来製剤として位置づけられる血液製剤は,血液製剤を介した感染症対策の一環として,使用にあたっての適切な説明や使用記録の保存義務など医療関係者に対する責務が明記されている.

血液センターにおける安全管理

田所 憲治

pp.139-144

 血液センターの業務は血液法,薬事法で規制されており,これを遵守して安全で品質の高い血液を安定的に供給することが求められている.血液の安全性を高めるため,輸血感染症や副作用に対する対策を行っているが,本稿では輸血感染症に対する安全対策について概説する.また,安全で品質の高い血液を支える,①製品標準書,基準書,標準作業手順書などの文書類,②業務の自動化,③組織体制,④職員の教育訓練体制,⑤情報システム,⑥過誤,事故を予防し,対応するためのインシデントレポート体制,リスク管理などについても紹介する.

輸血部門における安全管理

高松 純樹

pp.145-150

 輸血部門における安全管理には,検査機器,冷蔵庫,冷凍庫などのハードウエアー,採血,検査,払い出しなどソフトウエアーの両面があり,一方を欠いてもその保障は不可能である.輸血に関する技術的な進歩は自動機器,コンピューターの導入により,迅速性と,高感度,合理性に基づいた技術により可能になってきている.しかしながら,安全な輸血には検体の採取から,検査の実施,払い出し,実際の輸血まで多くの過程が存在しており,輸血部門のみならず,すべての関係部門における十分な対策,対応が求められる.

輸血療法委員会活動と安全管理

津野 寛和 , 高橋 孝喜

pp.151-155

 本邦における輸血療法の安全性の飛躍的な向上は,国,赤十字血液センター,医療従事者の努力によって可能となっている.特に,国は輸血療法に関する指針や法令を公示し,赤十字血液センターは安全な血液の供給のために様々な取組みを行ってきた.今後,2003(平成15)年に施行された血液新法にも明記されている,医療従事者の責務である輸血用血液の適正な使用,安全管理にわれわれは努めていく必要がある.そのためには,輸血療法委員会を積極的に活動することが重要と考えている.東大病院の輸血療法委員会の活動を例示し,安全かつ適切な輸血療法の実践への取組みについて述べる.

ヘモビジランスシステムと輸血安全管理

大坪 寛子 , 浜口 功 , 山口 一成

pp.157-161

 輸血の安全性をさらに高いレベルにまで引き上げるために,輸血血液および血液製剤による副作用の一貫した監視体制が構築されることが急務である.とくに全国の医療機関よりあまねく情報を収集し,統一した報告基準で解析を行う全国網羅のサーベイランスシステムの構築を行い,ヘモビジランスの強化を図っていくべきであろう.日本におけるこれまでの取組みと今後の改善点・将来構想について概説する.

各論:安全な輸血医療と輸血検査

輸血安全確保のためのinspection & accreditation(I & A)

星 順隆

pp.163-168

 日本輸血・細胞治療学会は,医療施設の輸血医療の安全管理を認証するI & A認定を法人事業として開始した.第三者による点検と認証は,自己評価で見落としたり先送りされる事項を明らかにして,改善の契機となるとともに,患者側に安全管理をアピールする手段となる.認定基準は,輸血管理料Ⅱの算定基準と同等であり,多くの施設が認証されると思われる.申し込みから認証までの手順を示すとともに,視察員(inspector)の資格について示した.

輸血事故防止のための院内体制整備

友田 豊 , 紀野 修一 , 森 清香 , 花田 大輔 , 武田 悟 , 伊藤 喜久

pp.169-175

 輸血事故を防止するためには,日常業務において,どのような作業時に,どのようなミス発生の危険性があるのかを知ることが重要である.そのためには,輸血の準備から終了までの一連のプロセスを細かく分解し,それぞれの場面でどのようなミスが発生するのか分析することが重要となる.輸血事故やインシデントの多くは,ルールどおりに作業を行わないことにより発生する.これを予防するためには,マニュアルの作成とその実行が要となる.同時にセイフティネットとしてルールを無視すると次の作業に進めないような総合的な仕組みを作り,検査プロセスの中で起こりうるミスとその対策,予防,さらにチェックポイントを示し,安全な輸血業務を進める指針を示すことが重要である.

輸血業務24時間体制の構築

安藤 髙宣 , 丹羽 玲子

pp.177-182

 ABO不適合輸血の半数以上が時間外に発生しており,安全な輸血療法を実施するためには,輸血業務の24時間体制の構築が不可欠である.時間外輸血業務を輸血部門の技師だけで行うことは難しく,他部門の技師と合同して行う方式が現実的である.しかし,不慣れな技師により実施されることになるため,実施手順を手順書に具体的に記載する,輸血依頼を電話で受ける際の受付票を作るなど,輸血専門技師でなくても安心して時間外業務ができる体制を作らなければならない.

輸血前・後感染症検査―輸血前後の感染症マーカー検査についての日本輸血・細胞治療学会運用マニュアル

熊川 みどり

pp.183-186

 2004(平成16)年9月厚生労働省は輸血前後の感染症マーカー検査の在り方について検討し,「輸血療法の実施に関する指針」を一部改定した.これを受けて日本輸血・細胞治療学会が,全国の状況が異なる医療機関において指針内容を実践するための具体的方策である運用マニュアルを作成した.その内容は,①輸血前に核酸増幅検査に耐えうる検体を凍結保存する,②輸血前検査として厚生労働省が推奨するHBs抗原,HBs抗体,HBc抗体,HCV抗体,HCVコア抗原,HIV抗体を必要に応じて適宜施行する,③輸血3か月後をめどに肝機能検査,HBs抗原,HCV抗体,必要に応じてHIV抗体を測定し感染を早期に発見する.

抗体保有患者の検査と適合血選択:赤血球型検査ガイドライン(平成15年輸血学会会告Ⅷ)を含む

稲葉 頌一

pp.187-189

 適合血の選択は安全な輸血医療の第一歩である.わが国ではABO不適合は医療過誤と認識されているので,実態よりはるかに報告が少なく,危険性が過小評価されている.一方,不規則抗体による不適合の半数は実際には溶血を生じない冷式や自己抗体であり,必要のない適合血選択が技師の負担になっている.37℃間接抗グロブリン試験で検出される場合にのみ,適合血を日赤と協力して選択すればよい.カード法による交差試験は検査のトレーサビリティが担保できる点で優れている.

緊急輸血への対応:危機的出血への対応ガイドラインを含む

稲田 英一

pp.190-194

 緊急輸血を必要とするような危機的出血は,外傷や大動脈瘤破裂,産科出血,術中の血管損傷などにより起こる.適切な輸血療法が行われないと,その死亡率は高く,永久的脳障害などの重大な後遺症を起こしうる.「危機的出血への対応ガイドライン」においては,救命を最優先した輸血療法と,手術室や救急室,病院輸血部,検査部,血液センターが一体となった対応の重要性について強調している.

話題

輸血におけるInformation Technology

宮田 茂樹

pp.195-200

1.はじめに

 輸血療法は,現時点において,代替のない必要不可欠な治療である.大量出血等で緊急性を優先した輸血療法が,夜間や休祝日の時間外に行われることもしばしば発生する.手術室での致死性の輸血過誤が多いこと1),重症患者における治療で予想以上に医療過誤が発生しやすい2)ことが指摘されている.したがって,24時間体制で質を保った迅速性と確実性が要求される.

 輸血過誤,特にABO不適合輸血は,単純なヒューマンエラーが重篤な有害事象を招きうる医療過誤の典型的事例として取り上げられ,社会問題化している.迅速性が要求される場合でも,決して間違えることが許されない状況で,輸血検査技師(場合によっては薬剤師),看護師,医師は常に高度な注意力が要求されることとなる.特に時間外は,対応する人員が減少し,各個人に要求されるタスクがさらに増大する.しかしながら,ABO不適合輸血のような発生頻度の少ない間違えを防止するために常に注意力を持続することに対して,人は無力である3).医療従事者の記憶,注意力に過度に依存するプロセスに対しては,人の介在(human intervention)を可能な限り排除できるInformation Technology(IT)を導入することの重要性が指摘されている3).輸血過誤を防止するために,患者が被害に合わないように安全を保障するプロセスを組織的に設計し,間違うことが難しく,正しくすることがやさしいシステムの構築が要求される.手術室,ICU等で,緊急に大量に輸血を行う必要性が生じる場合には特に,Fail Safe/Fool Proof systemとして輸血システムのIT化は重要となる4)

わが国における輸血副作用の現状

藤井 康彦

pp.201-204

1.欧米での輸血副作用報告と赤十字血液センターによる輸血副作用報告の違い  世界的な副作用の調査体制の動向について,われわれは,本年の輸血細胞治療学会総会において報告を行った1).英国では,国からの要請に基づく輸血副作用の自発的報告からなる血液安全監視体制(ヘモビジランス)がSerious Hazards of Transfusion(SHOT)研究2)の形で機能している.英国に引き続き,ヨーロッパ,北米で様々な制度に基づくヘモビジランスの構築が進められている.しかし,ヘモビジランスを実現するためには輸血副作用の病態分類,重症度分類,原因検索方法の標準化が重要であり,その存在なしには,国際的な副作用の発生状況の比較はできない.このため,国際輸血学会(International Society of Blood Transfusion;ISBT)のヘモビジランス委員会3)では輸血副作用の病態分類,重症度分類の標準化案の作成がなされている(表1).

 さて,赤十字血液センターへ報告された副作用の内訳4)を見るとABO型不適合輸血を含めた溶血性副作用の報告件数が極めて少ない(表2).これはABO型不適合輸血を含めた輸血間違いの報告が80%と大部分を占める前述のSHOT報告2)と大きな違いがある.一方で,輸血後肝炎の調査体制5)は,欧米に比較してわが国が優れている点である.

輸血関連急性肺障害

岡崎 仁

pp.205-209

1.はじめに

 輸血の安全管理というテーマに沿っていえば,輸血はまだまだ安全とは言い難い印象を受ける.たとえABO,Rhなどの血液型が一緒であっても遺伝的にすべてが同一ではない(もちろん一卵性双生児からの輸血は別だが)ので実際起こりうる生体反応がすべて理解できているわけではない.凝集反応だけに限ってみても,クロスマッチは毎回の輸血に必要であるし,たとえクロスマッチ陰性の血液を輸血したとしても,副作用が起きないとは保証できない.輸血の副作用に関しては,今まであまりにも副作用がありすぎたので,軽微な副作用は仕方がないというような雰囲気がある.しかし,やはり重篤な副作用に関する知識は必要であり,輸血は薬剤ではないが,(最近の薬事法では血液製剤も医薬品らしいが)一般的に薬剤を処方するときには,重篤な副作用については知っておかねばならないことはいうまでもない.

 最近,医薬品医療機器総合機構(pharmaceuticals and medical devices agency;PMDA)のホームページから「重篤副作用疾患別対応マニュアル」なるものが提供されており,個々の薬剤について重篤な副作用を調べるだけでなく,逆にどのような症状が出たら,どのような薬剤の副作用の可能性があるかを調べられるようにもなっている1).薬物の副作用は知らないと診断できない.例えば降圧剤としてACE阻害剤を飲んでいる患者の慢性咳そうや,ファモチジンによる無顆粒球症,メトクロプラミドによる錐体外路症状など本来の薬剤の働きからは考えにくい副作用も多くある.

 血液製剤による急性の肺障害もそのような反応の1つであり,その機序についての解明も道半ばである.よく知られた輸血によるアレルギー反応とは違い,輸血開始直後に起こるわけではない.時間的には輸血中もしくは輸血後1~2時間くらいで起きてくる副作用であり,ときに数時間後に起こることもあるので因果関係がはっきりしないこともある.時間的な観点からみると輸血による循環血漿量の増加による心不全~肺水腫という病態が起こりうる時期と似ているため,診断は難しい.実際この輸血関連急性肺障害(transfusion-related acute lung injury;TRALI)の概念が一般に広く知られるようになって,日赤に寄せられる副作用報告のなかでTRALI疑いと報告される症例のなかにかなりの確率で循環負荷の症例がある2).もちろん肺障害の起きた結果,低酸素から心機能が低下するという場合もありうるので,一概にすべてを心不全→心原性肺水腫と言い切ることはできないのだが,輸血後に心不全による肺水腫ではない呼吸障害が起きた症例のなかに,TRALIと診断できていなかった症例が今までもあったのかもしれない.

輸血用血液採取と細菌汚染

佐川 公矯

pp.211-213

1.はじめに

 細菌に汚染された輸血用血液製剤を輸血されて細菌感染症を発症する患者が,少数ではあるが報告されている.

 近年,輸血用血液製剤による細菌汚染の原因が解明されて,その防止対策が講じられている.本稿では,同種血および自己血による細菌感染症の実態とその防止対策について略述する.

献血血液における新興・再興感染症対策

水上 拓郎 , 浜口 功 , 山口 一成

pp.215-219

1.はじめに

 本邦では,献血血液は日本赤十字社において病原体スクリーニングすなわち,HBV(hepatitis B virus),HCV(hepatitis C virus),HIV(human immunodeficiency virus),HTLV(human T-cell leukemia virus type Ⅰ)-Ⅰ,ヒトパルボウイルスB19(human parvovirus;PV-B19),サイトメガロウイルス(cytomegalovirus;CMV),梅毒の血清学的検査およびHBV,HCV,HIVの核酸増幅検査(nucleic acid amplification test;NAT)が実施されている(表1)1).NATの導入によってHIV/HBV/HCVのウイルス感染のリスクは海外と比較しても限りなく減少し2),輸血血液における感染症対策は飛躍的に向上したといえる.

 しかし,地球規模の気候変化,生活環境の変化や高速移動手段の発達に伴い新興・再興感染症の脅威は増大している.1985年にウシ海綿状脳症(bovine spongiform encephalopathy;BSE),1997年に高病原性トリインフルエンザ,1999年にウエストナイル熱,2003年に重症急性呼吸器症候群(severe acute respiratory syndrome;SARS)が発生した3).特に,1999年にニューヨークで発生したウエストナイルウイルス(west nile virus;WNV)は多数の感染者・死亡者を出しただけではなく,輸血や臓器移植による感染が報告され,緊急対策が講じられた.2007年現在でも終息の気配はなく,米国のみならずロシアやシベリアでも発生が認められ,日本への移入も時間の問題と言われている.今回,われわれは,献血血液におけるWNVの安全性対策としてNATの体制整備を行ったので,献血血液における新興・再興感染症対策を含めてここに紹介する.

今月の表紙 臨床微生物検査・2

バンコマイシン耐性腸球菌

光武 耕太郎

pp.128-130

 バンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin-resistant enterococci:VRE)は抗MRSA薬であるバンコマイシンに耐性を示す腸球菌である.腸球菌自体はヒトの腸管や陰部に常在しており,便や尿,喀痰などから日常的に検出される.VRE感染症は感染症法で5類に分類され,全数把握の対象疾患となっており2006年の報告数は(発症者)80件程度である.国内での臨床材料からのVREの分離頻度は高くないと推定されるが,米国ではICUから分離される腸球菌のうちVREが30%程度と高頻度である.また,英国では2004~2005年のサーベイランス報告では,VRE菌血症患者数は年間700件を超える.VREは,本来病原性は低いものの血液悪性疾患患者など免疫の極度に低下した患者では敗血症などを起こし,致命率は20%以上にもなる1,2)

 VREにはいくつかのクラスがあるが,臨床的に問題となるのは主にVanAとVanBである.それぞれ,耐性遺伝子をPCR(polymerase chain reaction)によって検出するが感受性ディスク(VCMとTEICをそれぞれ30μg/ml含有)を用いて,vanAvanBvanCの遺伝子型の推定が可能である(図1).ただし,図2のようにVanAでも,ある程度TEICに感受性を示し,VanBと紛らわしい株があるので感受性結果だけでは必ずしも区別できないことに注意しておく3)

随筆・紀行

柳都情感

屋形 稔

pp.210

 私の住んでいる新潟市は昔から柳都と呼ばれ,堀端の柳の風情からそう呼ばれたといわれる.それは江戸時代から昭和30年までの街並に見られたもので,古い小唄にも“あだな西堀,東堀”と唱われる町の名物でもあった.

 道路がアスファルトになり,堀も埋められるとこの風情も少なくなったが,柳は依然として今の街の中や大川端にも残す努力は行われている.もう一つ柳にちなんだ花柳界という存在も,北前船という湊の生み出した名残りとして承け継がれた街の文化でもある.

シリーズ最新医学講座・Ⅰ 糖鎖と臨床検査・2

糖鎖構造解析法の進歩―質量分析法を用いた糖鎖診断法の開発

天野 純子

pp.221-226

はじめに

 腫瘍マーカーを抗体で検出する簡便迅速な血清診断が今日繁用されている.しかし,先進医療技術の進展や個別化医療の実現が期待されるなか,これに寄与する腫瘍マーカーはほとんどないといっても過言ではない.すなわち,その精度および特異度が十分ではないのである.高性能質量分析装置の台頭により,新規のバイオマーカーを探索するプロテオミクスが盛んに行われてきたが,実用化されたものはまだない.糖鎖解析が新規マーカー開発の鍵を握ると考えられ,グライコミクスやグライコプロテオミクスも着手され始めた.本稿では,糖鎖構造の複雑さとそれを解析する新しい質量分析法の開発,さらにそれを応用した新規診断法開発について述べる.

シリーズ最新医学講座・Ⅱ 臨床検査用に開発された分析法および試薬・2

化学分析から酵素法へのシフト(含窒素成分を中心に)

中山 年正

pp.227-235

はじめに

 一般に,新しい技術が発見・開発されるとそれが実用化されるには,長い低迷期の後に,指数関数的な爆発的急拡大期があり,その後は緩やかな増加期となるとされる.酵素を試薬とする臨床検査を見ると,まさにその軌跡を踏んでいるように見える.そこで,本総説では酵素法をⅠ期,Ⅱ期前期,Ⅱ期後期,Ⅲ期とし,現在進行中であろうⅢ期を除き含窒素成分を中心に臨床検査に大きな影響を与えた検査項目の分析の特徴と,分析が与えた・あるいは与えつつあるインパクトについて概観したい.なお,ここではその名称として「酵素法」を使用するが(note参照),この技術は,今や化学検査・電極法・免疫化学的検査・遺伝子検査と並び臨床化学検査に不可欠の主要な分析法の1つである.

編集者への手紙

高齢者の健診について思うこと―一般の健診と区別して

寺田 秀夫

pp.236-237

1.はじめに

 検診センター(予防医療センター)のわが国での起源は,「人間ドック」という言葉から始まる.この言葉は昭和29年(1954年)9月19日の読売新聞の日曜特集に初めて登場した言葉で,人間が長い人生航路を歩む過程で病院にドック入りして総合的な健康診断を受け,再び健康で実生活を続けるという意味で,非常にユニークなかつ一般の人々にもわかりやすい言葉のため,今日まで広く用いられている.その内容は施設により差異があるが,「泊り」と「日帰り」の2種類に大別され,その仕事はあくまで総合健診と生活指導までである.

 昭和39年(1964年)に米国カイザー財団ガオークランドクリニックで,世界で最初に自動化健診(automated multiphasic health testing and services;AMHTS)を開始して以後,わが国でも広く導入され今日に至っている.AMHTSでは自動化された検査機器とコンピュータシステムの接合によって,速やかに生理・生化学検査・X線検査などを行い,データの収集整理や印刷などシステム工学的技法を取り入れたもので,それらの結果を速やかに受診者に報告し,健康管理を指導している.

学会だより 第54回日本臨床検査医学会学術集会

浪速の地で検査医学の発展を期す

通山 薫

pp.238

 第54回日本臨床検査医学会・第47回日本臨床化学会学術集会連合大会は2007年11月22~25日にかけて,それぞれ高橋伯夫関西医科大学臨床検査医学講座教授,熊谷俊一神戸大学臨床検査医学講座教授を会長として,大阪国際会議場にて開催された.「医療を活かす臨床検査」という大会テーマのもとに,2つの特別講演,それから招待講演,双方の会長講演をはじめとして,12の教育関連講演やエキスパートによるレビューシリーズ,さらに13のシンポジウムにワークショップや種々のセミナー,市民公開講座などが織り込まれ,そして最も重要といえる一般演題が口演・ポスターあわせて468演題発表された.

 両特別講演に象徴されるように,感銘を受けるすばらしいプレゼンテーションに満ちた会であったことには諸兄ともご異論がないと思われるが,ここでは日本臨床検査学教育学会との合同シンポジウム2「現場が求める臨床検査技師教育」の様子をご紹介したい.司会はこの分野を常に先導しておられる三村邦裕,岩谷良則両氏である.4人のシンポジストのご発表があったが,まず最初に登壇された聖路加国際病院・武田京子氏は「地域医療支援病院が求める技師像」と題して,西洋近代思想に立脚する同病院理念と現病院長が示された「医師を補佐し,あるところは任せられる検査技師像」を目標に,バランスのとれた検査室を構築すること,そして所属するスタッフは病院の知的財産であると同時に,環境に適応できる柔軟性ゆたかな人材たることを重視していると力説された.

ポストゲノム時代の臨床検査へ

真里谷 靖

pp.239

 第54回日本臨床検査医学会学術集会は,高橋伯夫大会長(関西医科大学臨床検査医学講座教授)のもと2007年11月22~25日までの4日間,「医療を活かす臨床検査」をメインテーマとして大阪国際会議場で開催された.今回は第47回日本臨床化学会年次学術集会,第50回近畿臨床検査技師会および臨床検査医学会近畿支部総会と4学会が合同開催されたこともあり,会場は期間を通して大盛況であった.話題であった大会初日夜のユニバーサルスタジオジャパン(USJ)での交流懇親会は,(筆者は都合で出席できなかったが)参加者にお聞きしたところでは,少々寒かったもののサービス満天のアトラクションで本場大阪のエンターテインメントを十分満喫できたとのことであった.

 講演は盛りだくさんだったが,特別講演が2つあり,1つは筑波大学村上和雄先生による「心と体の関係を遺伝子で解く」で,精神的因子と遺伝子発現の関係,遺伝子発現の調和を保つ「サムシンググレート」の存在などについてお話をいただいた.もう1つは先端医療振興財団の井村裕夫先生による「病因論の新しい展開―ゲノムから個体へ,そして集団へ」で,遺伝子発現が細胞の世代を越えて維持される発達プログラミングについてお話をされた.これはいわゆるエピジェネティックな変化で,様々な疾病の病因を考えるうえで注目すべきテーマと考えられた.また招待講演の演者は,あの「フォークル」で名を馳せた九州大学の北山修先生であった.昔ラジオでお聞きした懐かしい語りを満喫したものの講演内容は難しく,改めて「心の物語のつむぎ方」が容易ではないことだけは理解できた.

斬新な企画を盛りこんだ臨床検査の大連合大会

岩谷 良則

pp.240-241

 第54回日本臨床検査医学会学術集会が,関西医科大学医学部臨床検査医学講座の高橋伯夫教授を集会長として,2007年11月22日~25日に,大阪国際会議場で開催された.この学会は,第47回日本臨床化学会年次学術集会(熊谷俊一年会長 神戸大学大学院医学系研究科生体情報医学講座臨床病態・免疫学分野教授)との連合大会であり,また,2005年から近畿地方で同時開催されていた3つの臨床検査関連学会の連合大会も同時に開催された.その近畿の学会は,第47回近畿医学検査学会(森嶋祥之学会長 大阪府臨床検査技師会会長)と第50回日本臨床検査医学会近畿支部総会(岩谷良則総会長 大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻生体情報科学講座教授)と第27回日本衛生検査所教会近畿支部学術研究発表会(佐守友博学術委員長 日本医学臨床検査研究所所長)である.したがって,今回の学会は,臨床検査に携わるすべての医療人が参加する大連合大会となり,参加者総数が3,000人を超える大盛会となった.

 今学会は「医療を活かす臨床検査」をテーマに,斬新な企画が盛り込まれていた.そのいくつかをここでご紹介したい.

海外文献紹介

血清シスタチンCは1型糖尿病における潜在性冠状動脈硬化の進行を予測する フリーアクセス

鈴木 優治

pp.168

 腎機能は冠状動脈硬化の重要な決定因子であり,血清シスタチンCは新規のGFRの正確な尺度であり,冠状動脈疾患と死亡率の予測因子である.著者らは1型糖尿病において,①シスタチンCが潜在性冠状動脈硬化(subclinical coronary arteriosclerosis;SCA)の進行を予測し,②血清クレアチニン,GFRおよびアルブミン排泄速度よりもSCAの優れた予測因子であると仮定し,これらの点について検討した.冠状動脈の石灰化は1型糖尿病患者509人を対象としてCTを用いて2.5年前後の間隔で2回測定した.SCA進行の予測因子は逐次ロジステック回帰により選択されたモデルにおいて解析した.選択されたモデルでは,シスタチンC,年齢,基準の冠状動脈石灰化,性別,糖尿病罹病期間,収縮期血圧およびHDLがSCAの予測変量として有意であった.この逐次モデルは血清クレアチニン,GFRあるいはアルブミン排泄速度を用いる他の競合モデルよりも良好な予測性を示した.1型糖尿病においては,シスタチンCはSCAを適度に予測することができる.

IGF-1およびレプチンは出生時の胎児HDLコレステロールに関係する:1型糖尿病母親の子における解析 フリーアクセス

鈴木 優治

pp.182

 1型糖尿病母親の子(OT1DM)では,子宮において脂肪沈着の増加,高インスリン血症,高レプチン血症が証明されている.著者らは出生時に母親の糖尿病の臍帯脂質への影響および生体成分,臍帯インスリン,レプチン,その他のホルモン値との関係についてOT1DM139人と対照48人を対象として検討した.総コレステロール,HDLコレステロールおよび遊離脂肪酸濃度は男子OT1DMにおいて有意に低値であった.臍帯脂質はOT1DMの出生体重とは関係なく,胎児インスリンと一致する関係を示さなかった.予想とは異なり,IGF-1は男女の対照およびOT1DMにおいてHDLコレステロールとは正の相関を,中性脂肪とは負の相関を示した.OT1DMにおいてはレプチンも独立的にHDLコレステロールと負の相関を示した.母親の糖尿病は男子胎児の脂質濃度の変動に関係しており,インスリンよりはむしろIGF-1,レプチンおよび男性であることが子宮におけるHDLコレステロールおよび中性脂肪の主要な決定因子であると考えられる.

Beta-trace proteinを用いるGFRを推定するための新しい計算式 フリーアクセス

鈴木 優治

pp.194

 Beta-trace protein(BTP)は低分子量の糖蛋白質であり,血清クレアチニンよりも高感度のGFRのマーカーである.BTPの有用性はBTPをGFRに変換するための計算式がないことにより制限されている.著者らは163人の安定した成人腎臓移植者においてBTPとテクネチウム化合物によるGFRの測定を行い,BTPをもとにしたGFRの計算式を考案した.体表面積補正したGFRの予測は逐次多変量回帰モデルにより行った.計算の変量には,BTP,尿素,性別,アルブミン,クレアチニン,年齢および人種を選択した.変量がBTPのみではGFRの変動の75.6%しか説明できなかったが,すべてを変量に含むモデルでは,最も高い決定係数(R2=0.821)が得られた.しかし,BTP,尿素および性別を変量としたときにも,決定係数はわずかに低いR2=0.81であり,計算式として,GFR=112.1×BTP-0.662×Urea-0.280×(0.88女性ならば)が得られた.尿素に代えてクレアチニンを変量としたときには,決定係数はR2=0.79であり,計算式として,GFR=1.678×BTP-0.758×creatinine-0.204×(0.871女性ならば)が得られた.BTPを含む簡単な式でGFRが予測できる.

乾燥血液スポットにおけるレチノール結合蛋白質の安定性 フリーアクセス

鈴木 優治

pp.204

 レチノール結合蛋白質(RBP)はビタミンAの状態を決定するレチノールの代理マーカーである.最近開発されたRBP測定の酵素免疫測定法は血清または乾燥血液スポット(DBS)として保存された全血を用いる.しかし,DBSにおけるRBPの安定性は検討されていない.そこで,著者らは北ケニアの野外と検査室においてRBPの安定性について検討した.検査室では,指穿刺により採取され,乾燥剤入りプラスチックバッグに密閉保存されたDBS63例を種々の温度と時間〔(a)対照,(b)30℃/7日,(c)30℃/14日,(d)30℃/28日,(e)4℃/38日〕で暴露をした.野外では,50ペアのDBSおよび血清をケニア人の静脈血から得て,DBSは12~28℃で13~42日間乾燥剤入りプラスチックバッグに密閉保存し,血清は-20℃~-70℃で保存した.検査室において,30℃で保存したDBSのRBPは2.4週間安定であったが,4℃/38日間の保存では対照以下の値に低下した.野外条件下では,RBPは2~6週間は安定であり,比較的高い周囲温度でも保存に耐え,血清の採取や保存が困難な地域の人々のビタミンAの正確な評価を容易にする.

Coffee Break

現職時代「君は仕掛け人」と呼ばれて

佐々木 禎一

pp.176

 私は現職中,全国の多くの学会関係者と識り合う機会が多かった.それゆえ学会や研究会,セミナー等の開催に携わる機会も多く,そのいづれも想い出多いものであった.あるときある友達から「君は仕掛け人だ」といわれ,一瞬褒められたのか注意されたのかわからなかった.しかし私が先立ち中心になって実施された関連研究会やユニークなセミナーは結構多かったと思う.以下代表的なものを振り返ってみよう.

 1.「日韓臨床病理学コンファレンス(JK-CCP)」:私は1973年韓国Seoulでの「臨床化学検査の自動化に関する会議」に招かれて講演をして来た.その際韓国側の臨床病理関係の重鎮─李三悦,金相仁や金箕洪の各教授と逢い,「両国のこの分野での知識や研究成果の交換のためのconferenceをしよう」との意見の一致をみた.早速日本側のボス小酒井望教授に伝えてその指示を受け,韓国側との交渉を重ね,1975年長崎での日本病理学会総会の後第1回JK-CCPへ参加の為Seoulへ向かった.日本側からの参加は僅か5名だったが,そのときの反省を踏まえ,日本側より参加者をもう少し増やすこと,および2年ごとに両国で交互に開催することにした.その結果日本側では東京,佐賀および札幌でも実施され,当初の計画に副うことができたと思う.後日小酒井会長が某紙上で「JK-CCPの成功は札幌医大の佐々木博士がその緒をつけた」といっていたのを想い出す.

あとがき フリーアクセス

伊藤 喜久

pp.244

 輸血の安全管理は,不適合輸血,感染をはじめとする医療事故,副作用の予防,防止に集約される.人は過ちを繰り返すもの,その頻度を下げ,もし不幸にしてトラブルが起きたとしても可及的に程度の軽減が得られるよう,国,血液センター,病院輸血検査室,臨床の現場が一体となって,安全医療のトータルシステムを構築してきました.国のレベルでは関連法規,規則の整備,血液センターは安全な製剤の供給,病院検査室ではマニュアルに従った正確な検査の実施と取り違えのない払い出し,医療の最前線ではマニュアル化された輸血,輸液の安全実施の励行,さらには外部,内部による評価点検としてISO15189の認定,病院評価機構の認証,精度管理,ヘモビジランスなどにより,より高いレベルに向けての安全医療の評価,監視が進められています.とりわけ病院内での輸血療法委員会が毎月開催され,常に関連部門との協力のもとで,総合的に安全確保があらゆる角度から推進されています.

 まだまだ本邦の病院の置かれた環境はお寒いばかりで,人手不足,設備不備のなかで,いまだに不慣れな医師,技師により実施が余儀なくされていることも少なくなく,輸血過誤が入り込む余地が残されています.輸血部では専門性の高い信頼できる医師,技師を養成し検査を委ねること,職員,学生などを対象とした教育・研修の実施,検査部,輸血部の枠組みを超えて質の向上の裾野が広がりを見せて,ようやくセーフティーネットが張り巡らされ,かなりの効果が得られてきています.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

雑誌購入ページに移動

バックナンバー

64巻12号(2020年12月発行)

今月の特集1 血栓止血学のトピックス—求められる検査の原点と進化
今月の特集2 臨床検査とIoT

64巻11号(2020年11月発行)

今月の特集1 基準範囲と臨床判断値を考える
今月の特集2 パニック値報告 私はこう考える

64巻10号(2020年10月発行)

増刊号 がんゲノム医療用語事典

64巻9号(2020年9月発行)

今月の特集1 やっぱり大事なCRP
今月の特集2 どうする?精度管理

64巻8号(2020年8月発行)

今月の特集1 AI医療の現状と課題
今月の特集2 IgG4関連疾患の理解と検査からのアプローチ

64巻7号(2020年7月発行)

今月の特集1 骨髄不全症の病態と検査
今月の特集2 薬剤耐性カンジダを考える

64巻6号(2020年6月発行)

今月の特集 超音波検査報告書の書き方—良い例,悪い例

64巻5号(2020年5月発行)

今月の特集1 中性脂肪の何が問題なのか
今月の特集2 EBLM(evidence based laboratory medicine)の新展開

64巻4号(2020年4月発行)

増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見

64巻3号(2020年3月発行)

今月の特集1 Clostridioides difficile感染症—近年の話題
今月の特集2 質量分析を利用した臨床検査

64巻2号(2020年2月発行)

今月の特集1 検査でわかる二次性高血圧
今月の特集2 標準採血法アップデート

64巻1号(2020年1月発行)

今月の特集1 免疫チェックポイント阻害薬—押さえるべき特徴と注意点
今月の特集2 生理検査—この所見を見逃すな!

63巻12号(2019年12月発行)

今月の特集1 糖尿病関連検査の動向
今月の特集2 高血圧の臨床—生理検査を中心に

63巻11号(2019年11月発行)

今月の特集1 腎臓を測る
今月の特集2 大規模自然災害後の感染症対策

63巻10号(2019年10月発行)

増刊号 維持・継続まで見据えた—ISO15189取得サポートブック

63巻9号(2019年9月発行)

今月の特集1 健診・人間ドックで指摘される悩ましい検査異常
今月の特集2 現代の非結核性抗酸菌症

63巻8号(2019年8月発行)

今月の特集 知っておきたい がんゲノム医療用語集

63巻7号(2019年7月発行)

今月の特集1 造血器腫瘍の遺伝子異常
今月の特集2 COPDを知る

63巻6号(2019年6月発行)

今月の特集1 生理検査における医療安全
今月の特集2 薬剤耐性菌のアウトブレイク対応—アナタが変える危機管理

63巻5号(2019年5月発行)

今月の特集1 現在のHIV感染症と臨床検査
今月の特集2 症例から学ぶフローサイトメトリー検査の読み方

63巻4号(2019年4月発行)

増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ

63巻3号(2019年3月発行)

今月の特集 血管エコー検査 まれな症例は一度みると忘れない

63巻2号(2019年2月発行)

今月の特集1 てんかんup to date
今月の特集2 災害現場で活かす臨床検査—大規模災害時の経験から

63巻1号(2019年1月発行)

今月の特集1 発症を予測する臨床検査—先制医療で5疾病に立ち向かう!
今月の特集2 薬の効果・副作用と検査値

62巻12号(2018年12月発行)

今月の特集1 海外帰りでも慌てない旅行者感染症
今月の特集2 最近の輸血・細胞移植をめぐって

62巻11号(2018年11月発行)

今月の特集1 循環癌細胞(CTC)とリキッドバイオプシー
今月の特集2 ACSを見逃さない!

62巻10号(2018年10月発行)

増刊号 感染症関連国際ガイドライン—近年のまとめ

62巻9号(2018年9月発行)

今月の特集1 DIC診断基準
今月の特集2 知っておきたい遺伝性不整脈

62巻8号(2018年8月発行)

今月の特集 女性のライフステージと臨床検査

62巻7号(2018年7月発行)

今月の特集1 尿検査の新たな潮流
今月の特集2 現場を変える!効果的な感染症検査報告

62巻6号(2018年6月発行)

今月の特集1 The Bone—骨疾患の病態と臨床検査
今月の特集2 筋疾患に迫る

62巻5号(2018年5月発行)

今月の特集1 肝線維化をcatch
今月の特集2 不妊・不育症医療の最前線

62巻4号(2018年4月発行)

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック

62巻3号(2018年3月発行)

今月の特集1 症例から学ぶ血友病とvon Willebrand病
今月の特集2 成人先天性心疾患

62巻2号(2018年2月発行)

今月の特集1 Stroke—脳卒中を診る
今月の特集2 実は増えている“梅毒”

62巻1号(2018年1月発行)

今月の特集1 知っておきたい感染症関連診療ガイドラインのエッセンス
今月の特集2 心腎連関を理解する

60巻13号(2016年12月発行)

今月の特集1 認知症待ったなし!
今月の特集2 がん分子標的治療にかかわる臨床検査・遺伝子検査

60巻12号(2016年11月発行)

今月の特集1 血液学検査を支える標準化
今月の特集2 脂質検査の盲点

60巻11号(2016年10月発行)

増刊号 心電図が臨床につながる本。

60巻10号(2016年10月発行)

今月の特集1 血球貪食症候群を知る
今月の特集2 感染症の迅速診断—POCTの可能性を探る

60巻9号(2016年9月発行)

今月の特集1 睡眠障害と臨床検査
今月の特集2 臨床検査領域における次世代データ解析—ビッグデータ解析を視野に入れて

60巻8号(2016年8月発行)

今月の特集1 好塩基球の謎に迫る
今月の特集2 キャリアデザイン

60巻7号(2016年7月発行)

今月の特集1 The SLE
今月の特集2 百日咳,いま知っておきたいこと

60巻6号(2016年6月発行)

今月の特集1 もっと知りたい! 川崎病
今月の特集2 CKDの臨床検査と腎病理診断

60巻5号(2016年5月発行)

今月の特集1 体腔液の臨床検査
今月の特集2 感度を磨く—検査性能の追求

60巻4号(2016年4月発行)

今月の特集1 血漿蛋白—その病態と検査
今月の特集2 感染症診断に使われるバイオマーカー—その臨床的意義とは?

60巻3号(2016年3月発行)

今月の特集1 日常検査からみえる病態—心電図検査編
今月の特集2 smartに実践する検体採取

60巻2号(2016年2月発行)

今月の特集1 深く知ろう! 血栓止血検査
今月の特集2 実践に役立つ呼吸機能検査の測定手技

60巻1号(2016年1月発行)

今月の特集1 社会に貢献する臨床検査
今月の特集2 グローバル化時代の耐性菌感染症

59巻13号(2015年12月発行)

今月の特集1 移植医療を支える臨床検査
今月の特集2 検査室が育てる研修医

59巻12号(2015年11月発行)

今月の特集1 ウイルス性肝炎をまとめて学ぶ
今月の特集2 腹部超音波を極める

59巻11号(2015年10月発行)

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ

59巻10号(2015年10月発行)

今月の特集1 見逃してはならない寄生虫疾患
今月の特集2 MDS/MPNを知ろう

59巻9号(2015年9月発行)

今月の特集1 乳腺の臨床を支える超音波検査
今月の特集2 臨地実習で学生に何を与えることができるか

59巻8号(2015年8月発行)

今月の特集1 臨床検査の視点から科学する老化
今月の特集2 感染症サーベイランスの実際

59巻7号(2015年7月発行)

今月の特集1 検査と臨床のコラボで理解する腫瘍マーカー
今月の特集2 血液細胞形態判読の極意

59巻6号(2015年6月発行)

今月の特集1 日常検査としての心エコー
今月の特集2 健診・人間ドックと臨床検査

59巻5号(2015年5月発行)

今月の特集1 1滴で捉える病態
今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら