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文献詳細

雑誌文献

臨床検査52巻4号

2008年04月発行

文献概要

今月の主題 歯科からみえる全身疾患 トピックス

糖アルコールとデンタルプラークコントロール

著者: 三宅洋一郎1 板野守秀2 矢納義高2

所属機関: 1徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部・口腔微生物学 2花王株式会社 パーソナルヘルスケア研究所

ページ範囲:P.455 - P.458

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1.はじめに

 デンタルプラークは現在バイオフィルムの1つとして扱われることが多くなった.もちろん,そのとおりなのであるが,バイオフィルムという用語が医・歯学の分野で一般的になるずっと以前の1960年代からデンタルプラークの研究は精力的に進められてきた.まだ不明な部分は多く残されてはいるが,バイオフィルムの中でも最もよく研究されているものの1つということができる.

 デンタルプラークはう蝕,歯周病の原因となるのみならず,誤嚥性肺炎等の全身疾患を引き起こす.デンタルプラークを原因とする様々な疾患の予防のためにはデンタルプラークコントロールが必須であるが,その概容についてまとめるとともに,糖アルコールを用いたデンタルプラークコントロールについて考えてみたい.

参考文献

1) Kolenbrander PE:Oral microbial communities;biofilms, interactions, and genetic systems. Annu Rev Microbiol 54:413-437, 2000
2) Whittaker CJ, Klier CM, Kolenbrander PE:Mechanisms of adhesion by oral bacteria. Annu Rev Microbiol 50:513-552, 1996
3) Baker PJ, Coburn RA, Genco RJ, et al:The in vitro inhibition of microbial growth and plaque formation by surfactant drugs. J Periodontal Res 13:474-485, 1978
4) 千葉厚子,石井直子,矢納義高,他:糖アルコールが物理的歯垢除去作用に与える影響について.第55回日本口腔衛生学会2006年10月8日(千里ライフサイエンスセンター)
5) 板野守秀,矢納義高,吉田修,他:細菌共凝集塊の物理的分散におよぼす糖アルコールの影響.第48回歯科基礎医学会総会2006年9月23日(鶴見大学歯学部)
6) 市川哲雄,矢納義高,永尾寛:エリスリトール配合殺菌剤の口腔洗浄効果.第127回日本歯科保存学会2007年10月30日(岡山コンベンションセンター)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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