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内皮機能障害およびC-Reactive Proteinは本態性高血圧における糖尿病の危険因子である
著者: 鈴木優治1
所属機関: 1埼玉県立大学保健医療福祉学部
ページ範囲:P.396 - P.396
文献購入ページに移動 2型糖尿病および本態性高血圧は冠状動脈疾患の主要な危険因子である.また,糖尿病患者や高血圧患者では,動脈硬化症に至る初期段階において内皮機能障害が証明されている.著者らは前腕内皮機能障害が本態性高血圧患者において2型糖尿病の独立予測因子であるかどうかについて研究した.研究では,初診時に2型糖尿病がなく,グルコース代謝に影響することが知られる薬剤を服用せず,高血圧治療を受けていない白人外来患者400人(男性183人,女性217人,年齢22~60歳)を被検者として登録した.内皮依存血管拡張はアセチルコリンの動脈内注入により検査し,インスリン抵抗性はHOMA(homeostasis model assessment)により見積った.追跡期間中に患者44人が2型糖尿病に進行し,発症率は2.4例/100患者-年であった.Cox多変量回帰分析による解析では,アセチルコリン刺激による前腕血液流量ピーク百分率の増加およびC-Reactive Proteinのみが2型糖尿病の独立危険因子になった.アセチルコリンによる血管拡張の応答障害は本態性高血圧患者の2型糖尿病への進行を予測する.
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