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文献詳細

雑誌文献

臨床検査52巻6号

2008年06月発行

文献概要

今月の主題 エピジェネティクスと臨床検査 臨床検査への展開

エピジェネティクスと病理

著者: 北澤荘平1 近藤武史1 松田修一1 森淸1 北澤理子1

所属機関: 1神戸大学大学院医学系研究科病理学分野分子病理学研究室

ページ範囲:P.655 - P.661

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 「病的なメチル化」として検査対象になるものは,遺伝子発現との関連性のある特異的な部位におけるメチル化の状態である.そのなかでも特にCpG-islandのhypermethylationは,p16などの癌抑制遺伝子の不活化に関与することが報告されている.一方,技術的な側面からは病理で最も汎用性の高いホルマリン固定・パラフィン包埋検体を用いる場合,微量のDNAから検討せざるを得ないため,メチル化特異的PCR法の操作を効率良く行う工夫が必要となる.ここではわれわれが改良したアガロースビーズ法の概要を紹介し,結果の解釈の仕方や応用例を含め解説する.

参考文献

1) Kitazawa R, Kitazawa S:Methylation status of a single CpG locus 3 bases upstream of TATA-box of receptor activator of nuclear factor-κB ligand(RANKL)gene promoter modulates cell-and tissue-specific RANKL expression and osteoclastogenesis. Mol Endocrinol 21:148-158, 2007
2) Kitazawa S, Kitazawa R, Maeda S:Identification of methylated cytosine from archival formalin-fixed parraffin-embedded specimens. Lab Invest 80:275-276, 2000
3) 吉田淳一,牛島俊和:2章エピジェネティクスとクロマチンの解析 1) DNAメチル化解析の技術-MSP法とbisulfite sequencing法,実験医学別冊 実験医学基礎から先端までのクロマチン・染色体実験プロトコール(押村光雄,平岡泰編)羊土社,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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