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文献詳細

雑誌文献

臨床検査52巻7号

2008年07月発行

文献概要

今月の主題 腎移植 腎移植の実際

腎移植手術 2) 腎移植術

著者: 齋藤満1 井上高光1 佐藤滋1 羽渕友則1

所属機関: 1秋田大学医学部生殖発達医学講座泌尿器科学分野

ページ範囲:P.767 - P.772

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 腎移植手術のポイントは血管吻合と尿管―膀胱吻合である.術前にドナーの腎血管,レシピエントの腸骨血管と膀胱を十分に評価しておく.血管の形成や吻合には習熟した血管外科の技量が求められる.動脈硬化の強い症例などでは,移植腎栄養血管として積極的に外腸骨動脈を使用する.移植腎血流を良好に保つため,動脈吻合は血管径が狭小化しないように注意する.通常,尿管―膀胱吻合では逆流防止機構を形成するが,萎縮膀胱では困難であり注意が必要である.術後はバイタルの維持に努め,移植腎が機能しやすい環境とする.移植腎機能が低下した場合には,まずエコーで血管系・尿路系合併症を除外し,時機を逸することなく移植腎生検を施行し,適宜対処する.

参考文献

1) 齋藤満,佐藤滋,土谷順彦,他:血流再開直後に移植腎動脈解離を認め動脈形成術を行った1例.泌尿器科紀要 50:195-198,2004
2) Renders L, Goerig M, Schreiber M, et al:Successful surgical revascularization of a kidney transplant after PTA-induced arterial dissection of the allograft renal artery. Nephrol Dial Transplant 12:1264-1266, 1997
3) Kuzuhara K, Inoue S, Dobashi Y, et al:Ethanol ablation of lymphocele after renal transplantation:a minimally invasive approach. Transplant Proc 29:147-150, 1997
4) Gill IS, Hodge EE, Munch LC, et al:Transperitoneal marsupialization of lymphoceles:a comparison of laparoscopic and open techniques. J Urol 153:706-711, 1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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