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文献詳細

雑誌文献

臨床検査52巻7号

2008年07月発行

文献概要

海外文献紹介

女性および子供間の受動喫煙暴露:31か国からの事実

著者: 鈴木優治1

所属機関: 1埼玉県立大学保健医療福祉学部

ページ範囲:P.748 - P.748

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 広範な研究から,受動喫煙暴露が成人や子供に肺機能低下のような危険をもたらすことが明らかになった.世界では,女性の喫煙率は男性よりも低く,受動喫煙暴露の機会は多い.著者らは喫煙者と同居する女性や子供の受動喫煙暴露の範囲を明確にし,発展途上国におけるタバコ抑制政策や介入の進展を促す適切なデータを得るために研究を行った.2006年,31か国の40家庭における試料で非喫煙女性および子供間で家庭の空気ニコチン濃度および毛髪ニコチン濃度を測定する横断的暴露サーベイを実施した.空気ニコチン濃度中央値は喫煙者がいる家庭では喫煙者のいない家庭に比べて17倍高値であった.空気ニコチン濃度および女性と子供の毛髪ニコチン濃度は,家庭における喫煙同居者数とともに増加した.用量応答関係は子供間で顕著であった.空気ニコチン濃度は内部禁煙でない家庭においては内部禁煙の家庭に比べて12.9倍増加すると推定された.これらの結果は,喫煙者と同居する女性や子供で受動喫煙暴露から早死や疾患の危険率が高いことを物語っており,家庭の受動喫煙暴露から女性と子供を保護するための介入が強化されなければならない.

参考文献

Wipfli H, Avila-Tang E, Navas-Acien A, et al : Secondhand smoke exposure among women and children : evidence from 31 countries. Am J Pub Health 98 : 672-679, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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