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あとがき
著者: 濱﨑直孝
所属機関:
ページ範囲:P.948 - P.948
文献購入ページに移動 20世紀半ばから今日に至るまで,生命科学研究の発展には目を見張るものがある.臨床検査領域では,1934年にフェーリングが,尿を分析することによってアミノ酸代謝異常を発見(フェニルケトン尿症の発見:Fölling A:Hoppe Seylers Z Physiol Chem 227:169-176, 1934)できることを明らかにし,当時の医学会に「生体成分の科学的な分析」すなわち現在の臨床検査医学の重要性を提示している.隔世の感があるが,今やEBMの実践に必須である臨床検査医学なしには,医療・医学は成り立たなくなっている.
そのような生命科学研究発展の中でも,免疫学は,発展著しい代表的な領域の一つである.生体内で起こっている免疫学的事象は,かなりの部分が科学的に説明できるようになり,移植医療や生殖医療の今日の進展はその具体的成果である.一方で,免疫はまだ解明すべき点が多く残っている学問でもある.地味な自然免疫はすでに解明済みの領域と考えている人々が多いのかもしれない.しかしながら,自然免疫細胞膜にあるTLR(トールライクレセプター)の発見・解明により,自然免疫細胞が侵入微生物の糖鎖やウイルスのRNAなどのパターンを識別し,防御をしていることがわかってきた.まだまだ,われわれ人間が知りえていることは,自然現象のほんの一部に過ぎないのである.
そのような生命科学研究発展の中でも,免疫学は,発展著しい代表的な領域の一つである.生体内で起こっている免疫学的事象は,かなりの部分が科学的に説明できるようになり,移植医療や生殖医療の今日の進展はその具体的成果である.一方で,免疫はまだ解明すべき点が多く残っている学問でもある.地味な自然免疫はすでに解明済みの領域と考えている人々が多いのかもしれない.しかしながら,自然免疫細胞膜にあるTLR(トールライクレセプター)の発見・解明により,自然免疫細胞が侵入微生物の糖鎖やウイルスのRNAなどのパターンを識別し,防御をしていることがわかってきた.まだまだ,われわれ人間が知りえていることは,自然現象のほんの一部に過ぎないのである.
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