文献詳細
文献概要
Coffee Break
北大時代の学長に“進藤英太郎君”と呼ばれたS.K.君の想い出
著者: 佐々木禎一1
所属機関: 1元札幌医科大学附属病院検査部
ページ範囲:P.1144 - P.1144
文献購入ページに移動当時の北大学長は理化学化学科の杉之目教授であった.この学長はユニークで何かにつけて行動派で,有機化学の分野での業績も多く,特にトリカブトなどの毒性alkaloidの研究は有名であった.札幌市の南区に立派な洋風邸宅を持ち,当時珍しかった集中暖房や水洗トイレも完備していた.また学生には気軽に声を掛けるが,急に有機化学に関する質問も飛び出し,学生のわれわれには時として脅威でもあった.当時頻回に行われていた「化学雑誌会」(新しい文献や自分の実験データを発表し,教授以下全員で質疑応答をする)では,杉之目教授は階段教室の一番前の席に座り次々と意見や質問を述べ,時折大きな声で“good !”などと発言する.また講義ではドイツ語と英語を混えて使用することが多かった.
掲載誌情報