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著者: 坂本穆彦
所属機関:
ページ範囲:P.1726 - P.1726
文献購入ページに移動前立腺癌の最終検査である針生検組織診は今日では十数片ないし20片程度の検体採取が行われる.つまり,その片数分だけ繰り返し前立腺に針が穿されるわけである.筆者はすでに前立腺癌“適齢期”に突入して久しいが,これまで何となくPSA検査を敬遠してきた.しかし,今年は一念発起して検査を受けたところ,値は低く,胸をなでおろしたところである.この安堵感には,ただ単に癌ないしその可能性の宣告を免れることができたということのほかに,あの生検をとりあえず逃れることができたという気持ちも含まれている.しかし,このPSA測定はこれからも適当な間隔をおいて受け続けることになるが,検査結果を待つたびごとに同じ思いをしなければならないのかと思うと気が重くなる.ところで10年ほど前は“6箇所生検”といって,6片の組織を採取するのが一般的であり,それでも随分,採取片の数が多い大変な検査だと思っていたが,現在は前述の様にその2~3倍の片数が採取される.時代とともに侵襲性を増し,患者の苦痛度が高まるとは,検査としては珍しい部類に属するのではないだろうか.
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