臨床検査53巻3号

2009年03月発行

今月の主題 臨床検査コンサルテーション/診療支援 話題

遠隔画像コンサルテーション

著者： 白石泰三¹ 米田操¹

所属機関： ¹三重大学大学院医学研究科腫瘍病態解明学講座

ページ範囲：P.360 - P.362

1．はじめに

　遠隔画像コンサルテーションの対象には放射線画像，病理組織および細胞診画像，その他臨床画像(皮膚，眼科領域など)が含まれるが，ここでは病理画像に限って概説する¹⁾．また，本題は遠隔画像コンサルテーションであるが，病理診断自体が主治医から病理医へのコンサルテーションである，との位置づけもあり，病理医間の狭義のコンサルテーション以外に，遠隔病理診断やカンファレンスを含めて解説する．なお，日本テレパソロジー・ヴァーチャルマイクロスコピー研究会からはテレパソロジー運用ガイドラインが公表されているので参考にされたい²⁾．

参考文献

1) 渡辺みか：テレパソロジーの現状．病理と臨床　26(臨増)：104-110，2008

2) 土橋康成，澤井高志：テレパソロジーの普及にとって必要な運用ガイドラインの作成．癌の臨床　51：721-725，2005

3) 井藤久雄，庄盛浩平，安達博信，他：テレパソロジーの移植医療への応用．癌の臨床　51：669-674，2005

4) 白石泰三：遠隔病理診断(telepathology)システム．臨床検査　42：1594-1595，1998

5) 白石泰三，中野洋，渡辺昌俊：テレパソロジーネットワークの構築とその問題点．医学のあゆみ　195：163-166，2000

6) 山城勝重：細胞診とバーチャルスライド．Medical Technology　36：824-827，2008

7) 柳井広之，森谷恭子，大森昌子，他；デジタルマイクロスコープを用いた遠隔迅速病理診断．日本遠隔医療学会雑誌　3：270-271，2007

8) 猪山賢一，本田由美，池田公英，他：「P to P」方式によるコンサルテーション．癌の臨床　51：691-698，2005

9) 中村眞一，菅井有，及川守康，他：virtual slideを用いたテレパソロジー．病理と臨床　24：373-378，2006