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文献詳細

雑誌文献

臨床検査53巻4号

2009年04月発行

文献概要

今月の主題 妊娠と臨床検査 話題

妊娠とHIV感染

著者: 佐野(嶋)貴子1 山田里佳2 谷口晴記3 近藤真規子1 今井光信1 塚原優己4

所属機関: 1神奈川県衛生研究所微生物部 2石川県立中央病院いしかわ総合母子医療センター産婦人科 3三重県立総合医療センター産婦人科 4国立成育医療センター周産期治療部産科

ページ範囲:P.467 - P.471

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1.はじめに

 日本のHIV感染者は年々増加し続けており,2004年以降は年間1,000件を超えるHIV感染者およびエイズ患者数が報告されている.現時点においては,HIV感染者は男性が9割以上を占めており,女性の割合は1割に満たないが,母子感染予防の点から多くの妊婦が妊娠初期検査の一環としてHIV検査を受検している.本稿では,妊婦におけるHIV検査の実態および実施上の問題点,HIV感染妊娠と母子感染の現状などについて概説したい.

参考文献

1) 母子保健の主なる統計.母子保健事業団:pp22-23,2008
2) 和田裕一,林公一,吉野直人,他:妊婦HIV検査実施率の全国調査.平成18年度厚生労働科学研究費補助金エイズ対策研究事業「周産期・小児・生殖医療におけるHIV感染対策に関する集学的研究」班 平成18年度研究報告書,6-25,2007
3) 喜多恒和,井上孝美,岩田みさ子,他:HIV感染妊婦の実態調査とその解析およびHIV感染妊婦とその出生児に関するデータベースの構築.平成18年度厚生労働科学研究費補助金エイズ対策研究事業「周産期・小児・生殖医療におけるHIV感染対策に関する集学的研究」班 平成18年度研究報告書,46-79,2007
4) Grimes DA, Schulz KF:Uses and abuses of screening tests. Lancet 359:881-884, 2002
5) Magee LA, Murphy KE, von Dadelszen P:False-positive results in antenatal HIV screening. CMAJ 160:1285, 1999
6) Doran TI, Parra E:False-positive and indeterminate human immunodeficiency virus test results in pregnant women. Arch Fam Med 9:924-929, 2000
7) Zacharias NM, Athanassaki ID, Sangi-Haghpeykar H, et. al:High false-positive rate of human immunodeficiency virus rapid serum screening in a predominantly hispanic prenatal population. J Perinatol 24:743-747, 2004
8) 今井光信,嶋貴子:HIV感染の診断法.治療 88:2865-2870,2006
9) 山田里佳,嶋貴子,塚原優己,他:妊婦HIVスクリーニング検査の偽陽性に関する検討.日性感染症会誌 19:122-126,2008
10) 塚原優己,山田里佳,嶋貴子,他:妊婦HIVスクリーニング検査における偽陽性発生率の検討および陽性例への対応.平成18年度厚生労働科学研究費補助金エイズ対策研究事業「周産期・小児・生殖医療におけるHIV感染対策に関する集学的研究」班 平成18年度研究報告書,105-107,2007
11) 和田裕一,矢永由里子,辻麻理子,他:妊婦スクリーニング検査の実施と課題.平成18年度厚生労働科学研究費補助金エイズ対策研究事業「周産期・小児・生殖医療におけるHIV感染対策に関する集学的研究」班 平成18年度研究報告書,27-45,2007
12) HIV母子感染予防対策マニュアル第5版.平成19年度厚生労働科学研究費補助金エイズ対策研究事業「周産期・小児・生殖医療におけるHIV感染対策に関する集学的研究」班 分担研究「わが国独自のHIV母子感染予防対策マニュアルの作成・改訂に関わる研究」班編,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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