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今月の主題 食中毒 話題
バクテリオファージによる大腸菌O157:H7の同定
著者: 丹治保典1
所属機関: 1東京工業大学大学院生命理工学研究科
ページ範囲:P.713 - P.716
文献購入ページに移動1996年夏,大阪府堺市で大腸菌O157:H7(以降O157と略記)による集団食中毒が発生し,約8,000人の患者と3人の死者が報告された.当初は原因食材としてカイワレ大根が疑われ,大きな風評被害をもたらしたが,結局発生源を特定するまでには至らなかった.患者に対する適切な治療と発生源を特定するためには,迅速な病原体の同定が必須である.しかし,培養を必要とする公定法は菌体の同定に3日間以上を要する.そこで,細菌に感染するウイルス(バクテリオファージ,またはファージ)の機能をうまく利用し,O157を迅速に検出する方法を開発したので報告する.
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