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Coffee Break
外国で体験した変った床屋さん
著者: 佐々木禎一1
所属機関: 1元札幌医科大学付属病院検査部
ページ範囲:P.693 - P.694
文献購入ページに移動 髪を苅る店を台湾の様に「理髪廰」と厳めしく呼ぶ例もあるが,私たちが通常使っているのは近くの顔見知りで,安くしかも身近の話題も出る「床屋さん」という庶民的な響きの店が普通である.現役時代の私は海外出張も多く,長期になる場合には旅先で髪を苅る必要も起こってくる.そこの国や大都市ならば一流の理髪店がHotelなどにあるが,私はむしろ地元の人たち同様庶民的な「床屋」を探して利用する様にしてきた.その結果種々の体験をしたが,その中から数か国での例を紹介してみよう.
1.Bangkokの下街の床屋:1968年初めて東南アジアを歴訪し,Bangkokを訪れた折,Hotel近くの仲小路で小さい床屋を見付けて飛び込んだ.先客もなく雑然とした店は案外広く,私は“Please, cut hair!”と言って1台の椅子に座った.しかし店にいた主人と家族はびっくりしたらしく,店の奥のほうに隠れてしまった.私も仕方なく椅子に座り,正面の鏡を見ながら待っていたが,時々奥の入口のカーテンの蔭から彼らは何か珍しそうに,あるいは変な外国人と訝りながら覗いていた.やがて主人が恐る恐る現われ,私と手真似で話しながら髪を切ってくれた.タイの下街でも私は見なれない外国人であったらしい.
1.Bangkokの下街の床屋:1968年初めて東南アジアを歴訪し,Bangkokを訪れた折,Hotel近くの仲小路で小さい床屋を見付けて飛び込んだ.先客もなく雑然とした店は案外広く,私は“Please, cut hair!”と言って1台の椅子に座った.しかし店にいた主人と家族はびっくりしたらしく,店の奥のほうに隠れてしまった.私も仕方なく椅子に座り,正面の鏡を見ながら待っていたが,時々奥の入口のカーテンの蔭から彼らは何か珍しそうに,あるいは変な外国人と訝りながら覗いていた.やがて主人が恐る恐る現われ,私と手真似で話しながら髪を切ってくれた.タイの下街でも私は見なれない外国人であったらしい.
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