文献詳細
今月の表紙 帰ってきた真菌症・6
文献概要
真菌による日和見感染症は,白血病など悪性腫瘍,臓器移植,HIV感染などのため,免疫能が極端に低下した患者に感染する.原因菌の多くは,通常,腐生菌として土壌,植物,空気中など生活環境に生息し,一部の菌は宿主に常在している.カンジダ症,アスペルギルス症,クリプトコックス症,接合菌症が主要な疾患である.
これらに加えて,近年,Pseudallescheria boydii と関連無性型種,Paecilomyces 属(4月号),Fusarium 属,Schizophyllum commune (スエヒロタケ,12月号予定)などによる真菌症が報告され,新興真菌症と呼ばれている.これらの病原性はそれほど強くはないが,抗真菌剤に対する抵抗性がある菌種もある.今後,原因菌の同定,診断技術が高まるとともに,症例の報告数も増加すると考えられる1~4).
これらに加えて,近年,
参考文献
1) 宮治誠,西村和子:医真菌学辞典 第2版,協和企画通信,1993
2) De Hoog GS, Guarro J, Gene J, et al:Atlas of Clinical Fungi 2nd ed. Centraalbureau voor Schimmelcultures, pp59-124, 2000
3) 宮治誠:病原性真菌ハンドブック,医薬ジャーナル,pp140-145, 2007
4) 山口英世:病原真菌と真菌症 改訂4版,南山堂,pp196-204, 2007
掲載誌情報