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文献詳細

雑誌文献

臨床検査53巻9号

2009年09月発行

文献概要

今月の表紙 帰ってきた真菌症・9

表在性皮膚真菌症原因菌・1

著者: 矢口貴志1 西村和子2

所属機関: 1千葉大学真菌医学研究センター系統化学分野 2千葉大学

ページ範囲:P.968 - P.970

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 感染が表皮(特に角質層),爪,毛髪,または重層扁平上皮の表層にとどまり,皮下組織や粘膜下組織に侵入しない真菌症を表在性皮膚真菌症という.本症を原因菌別に分類すると,主要なものは皮膚糸状菌症,表在性カンジダ症,皮膚マラセチア症に分類される.その他,稀な疾患として黒癬やAspergillusFusariumScopulariopsisによる爪,皮膚の感染もある.

 皮膚糸状菌症には,白癬,黄癬および渦状癬の3疾患が含まれる.このうち黄癬および渦状癬のわが国での報告例は皆無といってよく,白癬が慣例的に皮膚糸状菌症と同義語的に用いられている.主な原因菌は,Trichophyton(白癬菌),Microsporum(小胞子菌),Epidermophyton(表皮菌)の3属で,大分生子の形態は特徴的で,属,種の同定に基準となっている.

 本号,次号(10月号)と2回にわたり表在性皮膚真菌症原因菌を取りあげるが,本号は白癬の原因菌を,次号は白癬菌のうち有性型として判明しているArthroderma属,黒癬の原因菌について解説する.

参考文献

1) 宮治誠,西村和子:医真菌学辞典,第2版,協和企画通信,1993
2) De Hoog GS, Guarro J, Gené J, et al:Atlas of Clinical Fungi 2nd ed, Centraalbureau voor Schimmelcultures, Utrecht, 2000
3) 宮治誠:病原性真菌ハンドブック,医薬ジャーナル,2007
4) 山口英世:病原真菌と真菌症,改訂4版,南山堂,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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