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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査54巻10号

2010年10月発行

雑誌目次

今月の主題 ファーマコゲノミクス

巻頭言

動き始めたわが国のファーマコゲノミクス検査

北島 勲

pp.1105-1106

 ポストゲノム時代に入り,ヒトゲノム情報に基づく個別化医療が展開されている.その中で最も期待される分野が個別化薬物療法である.すなわち,病名が決まれば治療薬や治療法が画一的に選択されてきた従来の医療から,同じ病名でも個人のゲノム情報を基に治療薬や投与量が決定される時代になってきた.個別化薬物療法を可能としたのが,今回の主題である「ファーマコゲノミクス(Pharmacogenomics;PGx)」で「ゲノム薬理学」と和訳されている.PGxは「薬物と関連するDNAおよびRNAの特性に関する研究」と定義されている.一方,ファーマコジェネティクス(Pharmacogenetics;PGt)という用語も利用されているが,PGtは「薬物応答と関連するDNA配列の変異に関する研究」と定義され,PGxの一部であると理解されている.本号ではDNA配列変異のみに限定するPGt検査よりは,より広い範囲での薬物代謝関連検査を取り扱うという視点からPGx検査に統一してご執筆いただいた.PGx検査の対象となるゲノムバイオマーカーは,副作用予測に用いられる患者自身における生殖細胞変異と治療効果予測に用いられる変異(体細胞変異)に分類できる.本号で取り上げられる各ゲノムマーカーがどちらに分類されるのか区別して精読されるとご理解いただきやすいかと思われる.

総論

薬物動態関連遺伝子の多型と薬物相互作用

横井 毅

pp.1107-1113

 常用量の薬の服用によっても,薬の血中濃度が異常に高くなることによる副作用の経験者は患者全体の約10%にのぼると言われている.その主たる原因として,薬物動態関連遺伝子の多型が注目され,薬の体内動態と副作用の関係を解析するファーマコゲノミクス(PGx)の研究が進展してきた.遺伝子多型が薬の体内動態に及ぼす影響の程度は,薬によって著しく異なっているため,個々の薬について遺伝子多型と体内動態の変化の相関関係を考慮して最適な個別薬物療法を実施する必要がある.PGxの研究成果は,様々な疾病領域において薬物療法の最適化によって,医療の質の向上に役立っている.また,近年のPGxの研究領域は,次世代シークエンサーによる塩基配列解析の高速化と,non-coding RNAの研究の進展により,新たな展開が始まろうとしている.

ファーマコゲノミクス検査の現状と課題

登 勉

pp.1115-1122

 ポストゲノム時代と称される現在では,遺伝情報を医療に活用することが期待されている.患者個人の遺伝的特徴を診断する検査であるファーマコゲノミクス検査(PGx検査)は,個々の患者に最適な治療薬,用法・用量の選択を可能にする.遺伝的特徴の人種差を考慮すると,日本人を対象とした日本人のためのPGx検査の開発と臨床研究,さらに臨床応用が求められている.本邦におけるPGx検査の現状を欧米と対比させて紹介し,今後の課題について考察する.

ファーマコゲノミクス検査の運用指針

宮地 勇人

pp.1123-1129

 日本臨床検査標準協議会は,日本臨床検査医学会遺伝子委員会が作成した「ファーマコゲノミクス検査の運用指針」について,日本人類遺伝学会などの関連学会の意見調整を行い,2009年4月に公表した.本指針の取り扱う範囲は,生殖細胞系列のDNAに反映された情報を対象とする.内容は,既存の関連指針を踏まえつつ,診療現場の実情に即した運用指針で,①検査実施時のインフォームド・コンセント,②検査前後の説明,③個人の遺伝情報の保護,④検査に用いた生体試料(検体)の取扱いについて,の4項目からなる.

ファーマコゲノミクス検査を活用する創薬と国際化に向けて

増井 徹

pp.1131-1137

 ファーマコゲノミクス検査を基礎として,2005年米国FDAは自主的なバイオマーカーデータ提出を企業に勧告し,その成果が見えてきた.ゲノム情報を基本とし,時々刻々と変化する生物体としてのヒトの病態を反映したバイオマーカーを掴むために多くの試みがなされ,その基礎となる生物資源の価値が高まっている現状が明らかとなっている.現在日本で行われた治験時採取試料などが,海外の解析拠点に集積され,当該医薬品以外の研究にも利用できる体制が整えられつつある.

各論

抗癌剤と分子標的薬のファーマコゲノミクス

赤松 弘朗 , 山本 信之

pp.1138-1142

 化学療法における効果・毒性プロファイルの一部は特定の遺伝子多型や変異・欠失といったゲノムバイオマーカーによって説明可能となってきた.1つは主に副作用の予測に用いられる患者自身の生殖細胞変異であり,もう1つは主に治療効果予測に用いられる癌細胞に生じた変異(体細胞変異)である.分子標的治療薬の開発においては後者に重点が置かれているが,CYP遺伝子多型などの生殖細胞変異に基づいたPK解析なども今後考慮していく必要がある.

循環器領域における個別化医療と薬剤感受性

南畝 晋平 , 東 純一

pp.1143-1149

 近年,循環器疾患の個別化医療を目指した研究は,目覚ましい発展を遂げている.先天性QT延長症候群は,そのタイプにより治療方針が異なるが,タイプ分けのための遺伝子診断が2008年4月から本邦で保険適用されている.また,ブシンドロールは,心不全への有効性は否定されていたが,遺伝子多型で被験者を層別化することにより有効性が確認でき,遺伝子多型判定をセットにした承認が,米食品医薬品局(FDA)に申請されている.今後,さらなる研究の発展が期待される.

精神神経疾患領域におけるファーマコゲノミクス

武田 雅俊 , 橋本 亮太

pp.1151-1157

 向精神薬の代謝にかかわる酵素群の中でもチトクロムP450酵素群(CYP P450)は,重要である.向精神薬の60~80%は,CYP1A2,2B6,2C8/9,2C19,2D6,3A4により代謝され,特にCYP3A4は半数以上の薬剤の代謝に関与する.CYP2D6,CYP2C9,CYP2C19には薬物代謝能に違いを呈する遺伝子多型が知られており,完全代謝型(EM),中間代謝型(IM),不全代謝型(PM),超急速代謝型(UM)に区分される.このような薬物動態にかかわる遺伝子群だけでなく,向精神薬の薬効・副作用には多くの遺伝子群が関与する.それぞれの精神疾患の病態にかかわる遺伝子群がその候補ととして検討されているが,いまだ十分には整理されていない.

ファーマコゲノミクスを活用した関節リウマチの個別化医療

谷口 敦夫

pp.1158-1162

 関節リウマチは多発関節炎が寛解と増悪を繰り返す疾患で,多く場合疾患活動性が持続し,関節が徐々に破壊される.治療の中心は薬物療法であり,最も重要なものが疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)である.しかし,その効果や副作用発現には個体差が大きい.DMARDの薬効を予測する手段としてファーマコゲノミクスが注目されている.筆者らはmethotrexateやsulfasalazineについて検討を進めているが,生物学的製剤にも薬理遺伝学的アプローチが期待される.

ファーマコゲノミクスを活用したHelicobacter pylori除菌療法の有効性予測

古田 隆久 , 杉本 光繁 , 小平 知世 , 西野 眞史 , 山出 美穂子 , 魚谷 貴洋

pp.1163-1170

 Helicobacter pylori(H.pylori)の除菌療法の成否にはH.pyloriの抗菌薬のへの耐性の有無だけでなく,プロトンポンプ阻害薬(PPI)の代謝酵素であるCYP2C19活性の個体差の影響を受ける.H.pyloriのクラリスロマイシン耐性やキノロンへの耐性の有無,CYP2C19の活性の個体差は遺伝子検査にて判定可能である.そこで,筆者などはこうした遺伝子情報に応じたテーラーメイドのH.pylori除菌療法を確立した.テーラーメイドの除菌療法の除菌率は,標準療法よりも有意に高かった.したがって,ファーマコゲノミクス(PGx)情報に基づく治療の個別化はH.pyloriの除菌療法において有用であると考えられた.

話題

イリノテカンのファーマコゲノミクス

茶屋原 菜穂子

pp.1173-1177

1.はじめに

 イリノテカン塩酸塩(以下,イリノテカン)はトポイソメラーゼIを阻害することにより抗腫瘍効果を発揮する本邦で開発された抗悪性腫瘍薬で,大腸癌,肺癌,胃癌など様々な固形癌においてその有用性が証明され,広く一般臨床で用いられているが,時に重篤な下痢や骨髄抑制が出現し致死的となる.

 近年,ゲノム科学の進歩により,薬物動態および薬効に関与する遺伝子の多型が急速に明らかにされつつあり,遺伝子レベルで規定される個体間の多様性に基づいた個別化治療の概念が現実的なものとなってきている.中でもイリノテカンは世界的に最も研究が進んでいる薬剤の1つで,特にUDP-グルクロン酸転移酵素(uridine diphosphate glucuronosyltransferase;UGT)1A1活性の遺伝子多型による個体差と副作用についてはよく研究されており,2005年には米国で,2008年には日本でも添付文書の改定および遺伝子診断キットの認可が行われ,個別化医療の先駆けとなっている1).本稿ではUGT1A1遺伝子多型を中心に最近の知見について述べてみたい.

スタチンのファーマコゲノミクス

赤尾 浩慶 , 河合 康幸 , 梶波 康二

pp.1178-1182

1.はじめに

 1990年代以降に行われた数多くの大規模臨床試験によって,血液中のコレステロール,特に低比重リポ蛋白(low-density lipoprotein;LDL)コレステロールを低下させるスタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)が,狭心症や心筋梗塞をはじめとした動脈硬化性心血管疾患の初発(1次)および再発(2次)予防に有用であることが確立された.その結果,スタチンは最も高頻度に処方される薬剤の1つとなっている.しかし,投与後のコレステロール低下率には個人差が大きく,また薬剤投与による心血管イベント予防効果は20~50%にとどまっている.薬剤反応性を規定する遺伝素因を探求するファーマコゲノミクス(pharmacogenomics;PGx)研究によって,各個人におけるスタチン治療効果が予測可能となれば,個別化医療につながるばかりでなく,医療経済的にも意義が大きいものと期待される1,2).本稿では,世界で最も処方頻度の高い薬剤であるスタチンのPGx研究について現状と今後の展望を解説したい.

チエノピリジン系薬剤のファーマコゲノミクス

田崎 淳一 , 堀内 久徳

pp.1183-1187

1.はじめに

 抗血小板薬であるチエノピリジン系薬剤は,心筋梗塞や脳梗塞といった動脈硬化性疾患の予防に非常に重要な薬剤であり,CAPRIE1)をはじめとする大規模臨床試験によってその有効性が明らかとなっている.特に虚血性心疾患に対する経皮的冠動脈形成術(percutaneous coronary intervention;PCI)においては,ステント血栓症予防のためアスピリンおよびチエノピリジン2剤併用による抗血小板療法が必須となっている.しかし,抗血小板療法を行っているにもかかわらずステント血栓症を発症する例があり,抗血小板薬に対する不応性の存在が注目されている.

 クロピドグレルは,世界中で広く用いられているチエノピリジン系抗血小板薬であるが,その効果には個人差があることが報告されている2).クロピドグレル不応症の原因の1つとして,薬物代謝酵素であるチトクロームP450(CYP)の遺伝子多型が関与しており,その抗血小板作用や臨床イベントとの関連について概説する.

ワルファリンのファーマコゲノミクス

越前 宏俊

pp.1188-1192

1.はじめに

 ワルファリンは一部のヨーロッパ(ドイツなど)を除いて本邦や米国では長期経口投与可能な唯一の抗凝固薬として50年以上静脈血栓症と心房細動に伴う血栓塞栓症の治療と予防などに使用されてきた.米国では,ルーズベルト大統領の心筋梗塞治療に使用されたことを契機として広く患者にも認知度が高まったが,本邦では数年前に元巨人軍の長嶋監督が心房細動に合併した心原性脳血栓塞栓症の2次予防に使用したことをきっかけとして,心房細動患者に対する使用が増加したと言われている.

 この薬物は本邦において50年以上使用された結果,薬価は1錠9.7円と事実上の底値でありながら,年間70億円程度の売り上げがあるという特異な薬物である.抗凝固薬としてのワルファリンの効果は多数のエビデンスにより確立しているが,同時に副作用も多いことでも有名で副作用調査研究では常にインスリンと並んで薬物副作用の原因薬として首位を争っており,用量設定が難しい薬物である.このような臨床事情を背景にして,近年ワルファリンの応答性の個人差をゲノム薬理学(ファーマコゲノミクス:PGx)の手法により解明し,臨床応用を試みる研究が多数行われている.

今月の表紙 代表的疾患のマクロ・ミクロ像 悪性腫瘍・10

腎癌のマクロ像・ミクロ像

海野 みちる , 小松 京子 , 坂本 穆彦

pp.1100-1104

 腎腫瘍は腎実質の上皮性腫瘍で,『腎癌取扱い規約』1)では組織学的に①腺腫,②腎細胞癌,③集合管癌の3つに分類されている.

 癌腫は腎実質由来の腎細胞癌と集合管癌(ベリーニ管癌)に分類され,さらに腎細胞癌は淡明細胞癌・囊胞随伴性腎細胞癌・乳頭状腎細胞癌・嫌色素細胞癌・顆粒細胞癌・紡錘細胞癌に分類されている.WHO分類では,淡明細胞腎細胞癌・多囊胞性腎細胞癌・乳頭腎細胞癌・嫌色素腎細胞癌・ベリーニ集合管癌・腎髄様癌に分類されている(表1)1,2)

随筆・紀行

一握の砂

屋形 稔

pp.1130

 最近の日本人は男性でも平均寿命が大分長くなったと言われている.確かに自分自身も昔は考えてもいなかった80歳超に達し,60歳ぐらいで逝ってしまった両親に比べると思いがけない気がする.しかし昨今昔の仲間にぽつりぽつり先立たれてみると,暮夜ひとり辺りを見回したりする.長く生きるばかりが必ずしも幸いとは言えないが,医療の進歩や社会平和の持続には感謝すべきであろう.

 私の年代は戦争につきまとわれ,小学校入学の頃は2・26事件や満州事変があり,中学入学の頃に日支事変,卒業間際に太平洋戦争,そして学徒出陣から大学卒業間際に敗戦とつながる始末であった.それにもかかわらずというか,そのせいというか,仲間との思い出や結びつきは限りなく強く残っている.

シリーズ-ベセスダシステム・9

HSIL

海野 みちる , 坂本 穆彦

pp.1193-1196

 従来,異形成および上皮内癌(carcinoma in situ;CIS),あるいはCIN(cervical intraepithelial neoplasia)と呼ばれてきた病変は,ベセスダシステムでは子宮頸部上皮内病変(squamous intraepithelial lesion;SIL)と呼んでいる.SILは軽度扁平上皮内病変(low grade squamous intraepithelial lesion;LSIL)と高度扁平上皮内病変(high grade squamous intraepithelial lesion;HSIL)に分類される.LSILは軽度異形成に相当し,HSILには中等度異形成・高度異形成・上皮内癌が含まれる.

 異型の程度がLSILに満たない意義不明な異型扁平上皮細胞はASC-US:(atypical squamous cells of undetermined significance)と表現される.ASC-USの判定は,①扁平上皮への分化,②N/C比の増加,③わずかな核異常などの点で,SILと判定するには質的・量的に不十分な場合である.

研究

新データマネージメントシステムLabProによるStreptococcus属のMICroFAST3Jパネル読取り評価

渡部 祐司

pp.1197-1201

 臨床材料から分離される代表的なStreptococcus属(Streptococcus pneumoniae,Streptococcus agalactiae,viridans-streptococci)は肺炎,髄膜炎または心内膜炎の起因菌として知られ,特にS. pneumoniaeはペニシリン耐性株の割合が年々高くなっているとされている1).そのため,薬剤感受性試験結果を迅速に,かつ正確に報告することは臨床上重要である.しかし,発育が微小な株ではMIC値の判定に苦慮することも経験している.筆者らは当院での使用経験を元に,WalkAwayによるMICroFAST3Jの自動読取りの評価について第20回日本臨床微生物学会総会で発表した.本稿ではさらに被検菌を追加し,検討したので報告する.

Coffee Break

初めての欧州旅行の折Latvia訪問の機会を得て

佐々木 禎一

pp.1171-1172

 1967年6月22日,私は初めての欧州訪問のため,羽田空港をJL-SU441便のAerofloat(元ソ連の長距離爆撃機だったという乗り心地の悪いゴツイ4発のプロペラ機で,当時JALと共同就航していた)で出発した.その後,新潟~シベリア(Khabarovsk,Baikal湖上空など)を経て,約9時間余の飛行でMoscowに到着,厳しい入国手続きの後,やっとHotel Ukrainaに泊まった.翌日は一方的に組まれたスケジュールに従い,観光バス“かもめ/チャイカ”で,日本語のできるガイドと3名の女性アシスタントに案内されて,Moscow市内観光をした.

 その際,たまたま私は“今回バルト3国(Latvia,Lithuania,Estonia)に外国人にも入国可能となった”ことを耳にしたので,当初のMoscow~Leningrade経由北欧入りの旅程を急拠変更し,Latviaの首都Rigaへ向うことにした.そもそも私がバルト3国に関心を持ったのは,1934年米国に留学した折のことで,これら3国から亡命したとされる留学生達と知り合い,彼らの母国が旧ソ連から多くの迫害を受けた悲劇的過去を知ったからであった.

あとがき フリーアクセス

片山 善章

pp.1204

 生活習慣病は遺伝的に糖尿病,高脂血症,高血圧症,肥満になる要因をもっていても全く健康であるが,それに食事,運動,喫煙,飲酒などの生活習慣要因が加わって病気が発症する.そのため糖尿病,高脂血症,高血圧の診断・治療のガイドラインが必要である.この診断・治療ガイドラインは医療の標準化,普遍化に必要であり,診断基準となる検査値が決められ,その標準化が必要である.検査値の標準化の1つに基準値範囲の標準化が必要であるが,性差,年齢,生活習慣が影響を与える.したがって,個人の測定値の分布と母集団の分布は異なるので個人の基準値設定が必要である.これは近い将来,患者の生理的状態や疾患の状態,遺伝的背景などを考慮して個々の患者に最適な治療法を設定する“個別化医療”に必要な指標である.

 生活習慣病はその発症において遺伝子要因が重要な位置を占める.つまり遺伝子診断による予知・予防が 重要になる.遺伝的要因を有する患者に対しては生活習慣要因,環境的要因への曝露を極力避けることによって有効な予防対策がとれる.遺伝子要因の検査には遺伝子多型検査が利用されている.遺伝子多型(DNA多型)とはある集団でDNA配列の変異が1%以上生じており,しかもその集団の多数のヒトと異なる場合をいい,生物機能に何ら影響を与えず遺伝マーカーに利用できるものから,疾患の原因や易罹病性に関係のあるものまで様々である.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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バックナンバー

64巻12号(2020年12月発行)

今月の特集1 血栓止血学のトピックス—求められる検査の原点と進化
今月の特集2 臨床検査とIoT

64巻11号(2020年11月発行)

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今月の特集2 パニック値報告 私はこう考える

64巻10号(2020年10月発行)

増刊号 がんゲノム医療用語事典

64巻9号(2020年9月発行)

今月の特集1 やっぱり大事なCRP
今月の特集2 どうする?精度管理

64巻8号(2020年8月発行)

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今月の特集2 IgG4関連疾患の理解と検査からのアプローチ

64巻7号(2020年7月発行)

今月の特集1 骨髄不全症の病態と検査
今月の特集2 薬剤耐性カンジダを考える

64巻6号(2020年6月発行)

今月の特集 超音波検査報告書の書き方—良い例,悪い例

64巻5号(2020年5月発行)

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今月の特集2 EBLM(evidence based laboratory medicine)の新展開

64巻4号(2020年4月発行)

増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見

64巻3号(2020年3月発行)

今月の特集1 Clostridioides difficile感染症—近年の話題
今月の特集2 質量分析を利用した臨床検査

64巻2号(2020年2月発行)

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64巻1号(2020年1月発行)

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63巻12号(2019年12月発行)

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今月の特集2 高血圧の臨床—生理検査を中心に

63巻11号(2019年11月発行)

今月の特集1 腎臓を測る
今月の特集2 大規模自然災害後の感染症対策

63巻10号(2019年10月発行)

増刊号 維持・継続まで見据えた—ISO15189取得サポートブック

63巻9号(2019年9月発行)

今月の特集1 健診・人間ドックで指摘される悩ましい検査異常
今月の特集2 現代の非結核性抗酸菌症

63巻8号(2019年8月発行)

今月の特集 知っておきたい がんゲノム医療用語集

63巻7号(2019年7月発行)

今月の特集1 造血器腫瘍の遺伝子異常
今月の特集2 COPDを知る

63巻6号(2019年6月発行)

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今月の特集2 薬剤耐性菌のアウトブレイク対応—アナタが変える危機管理

63巻5号(2019年5月発行)

今月の特集1 現在のHIV感染症と臨床検査
今月の特集2 症例から学ぶフローサイトメトリー検査の読み方

63巻4号(2019年4月発行)

増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ

63巻3号(2019年3月発行)

今月の特集 血管エコー検査 まれな症例は一度みると忘れない

63巻2号(2019年2月発行)

今月の特集1 てんかんup to date
今月の特集2 災害現場で活かす臨床検査—大規模災害時の経験から

63巻1号(2019年1月発行)

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62巻4号(2018年4月発行)

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック

62巻3号(2018年3月発行)

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60巻11号(2016年10月発行)

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60巻10号(2016年10月発行)

今月の特集1 血球貪食症候群を知る
今月の特集2 感染症の迅速診断—POCTの可能性を探る

60巻9号(2016年9月発行)

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59巻13号(2015年12月発行)

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今月の特集2 検査室が育てる研修医

59巻12号(2015年11月発行)

今月の特集1 ウイルス性肝炎をまとめて学ぶ
今月の特集2 腹部超音波を極める

59巻11号(2015年10月発行)

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ

59巻10号(2015年10月発行)

今月の特集1 見逃してはならない寄生虫疾患
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今月の特集1 乳腺の臨床を支える超音波検査
今月の特集2 臨地実習で学生に何を与えることができるか

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今月の特集1 臨床検査の視点から科学する老化
今月の特集2 感染症サーベイランスの実際

59巻7号(2015年7月発行)

今月の特集1 検査と臨床のコラボで理解する腫瘍マーカー
今月の特集2 血液細胞形態判読の極意

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59巻5号(2015年5月発行)

今月の特集1 1滴で捉える病態
今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

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今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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