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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査54巻11号

2010年10月発行

雑誌目次

特集 新時代のワクチン戦略について考える

巻頭言

ワクチンのもつ医学的・社会的意義

中山 哲夫

pp.1210-1212

はじめに

 感染症は古く紀元前の時代から人々を苦しめており,エジプトのピラミッドから発掘されたミイラのラムセスV世には天然痘の跡が残っており天然痘により死亡したと考えられる.また,こうした古代遺跡から発掘された石版には右脚の萎縮した僧侶が描かれており,ポリオの麻痺と診断される.本邦も,仏教伝来とともに天然痘が伝播し人の交流により文化,文明,新たな知識とともに感染症が流入してきた.奈良の大仏の建立は天然痘の流行を鎮静化する祈願をこめて建立されたものであり,古い記載のなかで麻疹は937年に初めて日本で流行したことが残っている.江戸時代でも鎖国政策をとってはいたものの中国,オランダに門戸は開かれており天然痘,コレラ,麻疹等の感染症が流行を繰り返していた.AIDS,SARS,West Nile熱のように新たにヒトの感染症として登場した新興感染症は感染症の重要性を認識させられた.新たに出現した感染症だけでなく,古くから流行を繰り返してきた感染症もいまだに撲滅には至っていない.

 多くの微生物,ウイルス,真菌などの病原微生物が発見されたのは19世紀になってからで,最近になってやっと感染症の発症病態が分子生物学的に解明され始めた.感染症との闘いでヒトが勝利し撲滅できた疾患は天然痘だけである.天然痘の予防に対して有望な手段として種痘法がジェンナーにより体系化され,生ワクチンの始まりとされている.一方,不活化ワクチンはパスツールにより狂犬病のワクチンが開発された.

総論

1. ワクチン行政の過去と将来展望

神谷 齊

pp.1213-1219

わが国の予防接種法は1948年(昭和23年)に制定された予防接種法により運営されており,種々の点で時代遅れになっている.もちろん改正は何回か行われたが,現在は1994年(平成6年)改正の考えが中心になっている.予防接種を定期接種と任意接種とに分けて施行している国は日本以外になく,このことがワクチンギヤップの大きな原因になっている.予防接種は国策として国の責任で国民を守るのは当然であり,21世紀を迎えてますます予防接種が重要視される中,行政府の反省と見直し強く要望したい.

2. ワクチンを考えるうえで必要な免疫の知識

青枝 大貴 , 石井 健

pp.1220-1229

安全でかつ効果の高いワクチンの開発や使用に当たっては,その作用機序の理解が不可欠である.ワクチンの目的は効率よく生体に獲得免疫を誘導することにあるが,近年,獲得免疫の誘導には自然免疫の活性化が重要であることが明らかとなってきた.さらに,水酸化アルミニウム(Alum)のようなこれまで経験的に用いられてきたアジュバントも生体の自然免疫受容体を活性化する事実が報告され,ワクチンやアジュバントの作用機序を分子レベルで詳細に理解することが可能になりつつある.

3. ワクチンを考えるうえで必要な臨床検査の知識―抗体および抗体検査の意義と問題点

駒瀬 勝啓

pp.1230-1238

抗体はB細胞から産生され,獲得免疫系の液性免疫では中心的な役割をもつ分子である.抗体の存在や抗体量を測定する抗体検査は,感受性調査,感染症の診断,ワクチンの有効性の検証などに用いられ,感染症対策に重要な役割を担っている.しかし,特に感染症の診断においては,測定法,検体の採取時期などから測定結果が必ずしも正しい診断につながらないことがある.本稿は抗体の概要を含めて,ウイルス感染症における抗体測定の意義,問題点などについて概説する.

4. ワクチンの種類とその限界―新規ワクチンの形態:粘膜ワクチン・経鼻接種のワクチン

長谷川 秀樹

pp.1239-1246

感染症は抗生物質や抗ウイルス薬の開発により克服されたかのように見られたが,新たにヒトに感染症を起こす新興・再興感染症や多剤耐性菌の出現はヒトと感染病原体との戦いが終わっていないことを示している.ワクチンは今までヒトの感染症の減少に大きく寄与してきたことは言うまでもない.しかしいまだにワクチンのみで克服できていない感染症がほとんどである.本稿ではワクチンの限界について考え,限界を克服する手段となりうる一例としてのインフルエンザの粘膜ワクチンについて解説する.

5. ワクチンの開発に対する欧米の官・民の取り組み方

神谷 元

pp.1247-1254

欧米諸国における予防接種のrecommendation制定に関与する専門家委員会(NITAGs)の様子を,特にワクチン政策と開発を中心に紹介する.健全な政策決定機関と開発関係施設(企業など)の連携により,多くの子どもたちが安価で安全性の高いワクチンを接種することができ,疾患から守られている.

6. ワクチンプログラム―Expanded Program on Immunization(EPI)と欧米の予防接種プログラム

齋藤 昭彦

pp.1255-1262

予防接種は子どもたちをワクチンで予防できる病気(VPD)から守るための最も効果のある手段である.ワクチンを積極的に接種し,子どもたちをVPDから守ろうとする欧米諸国に比べ,日本におけるワクチン接種の現況が遅れていることは周知の事実である.世界保健機構が提唱しているEPIにおいて,すべての子どもたちに接種されるべきワクチンとされているB型肝炎ワクチン,ヒブワクチン,肺炎球菌ワクチン,ヒトパピローマウイルスワクチンは,すべて任意接種という形で接種者への経済的負担が大きく,接種率が極めて低いのが現状である.これらのワクチンの日本国内での普及と接種率の向上は,日本のワクチン接種が世界の標準的ワクチン接種のレベルに達するのに不可欠である.定期接種と任意接種という2つの枠組みを規定する予防接種法の抜本的改定が必要であると同時に,ワクチンの専門家の意見が国のワクチン政策に直接反映する組織とそのサポートが必要である.

7. ワクチン行政とサーベイランス

多屋 馨子

pp.1263-1271

本邦のワクチン行政を考えるに当たり,現在国内で接種可能なワクチンの種類,現在本邦で実施されている血清疫学調査(感染症流行予測調査),患者サーベイランス(感染症発生動向調査),予防接種後副反応報告と接種後健康状況調査を紹介した.予防接種は感染症予防にとって最も基本的かつ重要な手段である.正しく理解して,予防可能な感染症から個人そして社会全体が守られるよう期待したい.

8. ワクチンの安全性に関する考え方

渡辺 博

pp.1272-1278

ワクチンは一般の医薬品以上に高い安全性が要求される.ワクチンは一般の医薬品と同様,認可までに第I相試験から第III相試験までの臨床試験が実施され,市販後も市販直後調査とその後の市販後調査が実施される.さらにワクチン独自の制度として,厚生労働省による定期接種ワクチンを対象とした,比較的稀で重篤な副反応情報の収集を目的とした予防接種後副反応報告制度,および同じく定期接種ワクチンを対象とした,しばしばみられる軽い副反応の情報収集を目的とした予防接種後健康状況調査がある.また,定期接種ワクチン接種時にも予防接種ガイドラインを介して予防接種不適当者,予防接種要注意者を規定して注意喚起が行われている.

9. トラベラーズワクチン―現状と日本にないワクチンを今後どうするか

渡邊 浩

pp.1279-1283

海外渡航者の健康管理において,ワクチンは不可欠なものであるが,海外渡航者に接種することが推奨されるワクチンの中には現在本邦で承認されていないものがあり,欧米の諸外国と比べ,海外渡航者に対して十分なワクチン接種が行えない場合がある.さらに,欧米の諸外国と比べるとトラベルクリニックの数が少ないことや渡航医学という概念自体が社会に十分浸透していないという問題があり,今後改善していくべき問題は多く残されている.

10. 新規ワクチン開発のターゲット―ワクチン開発が望まれる疾患と開発状況,多価混合ワクチンについて

岡田 賢司

pp.1284-1289

単抗原ワクチンを複数回接種するより,混合化することで注射回数や受診回数を減らすことができる.多価混合ワクチンの利点および留意点をまとめた.不活化ワクチンとしては,日本で開発されたDTaPワクチンをベースにした多価混合ワクチン,生ワクチンとしては,麻疹・おたふくかぜ・風疹・水痘の4種混合ワクチン(MMRV)の課題などを概説した.

11. 予防接種の費用対効果分析

大日 康史

pp.1290-1297

予防接種の費用対効果分析について,まずその概説を踏まえたうえで,Hib,HPV,PCV7ワクチンを具体例として検討する.その結果,Hibワクチンは費用対効果に優れていないかもしれない可能性が指摘されるが,これは諸外国での検討結果と大きく異なる.また,HPV,PCV7ワクチンは費用対効果は優れているが,水痘,ムンプスワクチンよりは劣る.したがって,費用対効果分析は医療制度や環境に強く依存しており,直接的に結果を輸入できず,日本での検討の重要性が示唆される.最後に諸外国での予防接種に関する政策意思決定の方式について概観し,日本においても政策意思決定機関として,公平で透明,かつ専門性の高い組織が望まれる.

各論 1. 勧奨接種のワクチン―現行ワクチンの問題点と将来に向けて

1) 百日咳

中野 貴司

pp.1299-1305

百日咳は,年少児が罹患した場合は合併症や生命予後が特に憂慮される疾患であり,乳児早期からのDPTワクチン接種により予防を心がけることが何よりも大切である.また,近年は年長児や成人の患者増加が国内外で問題となっている.彼らの症状は軽症や非定型的な場合も多く,正確な診断がなされずに放置され,周囲への感染源となることもしばしばである.百日咳菌は家族内や接触者間での感染力が強く,社会や集団で菌が伝播すれば,最も被害を受けるのは年少児である.より多角的な観点からの,ワクチンを用いた百日咳制御策を本邦でも検討する必要がある.

2) 日本脳炎

前田 明彦 , 脇口 宏

pp.1306-1312

日本脳炎は1960年代には本邦で猛威をふるっていたが,ワクチンが広く実施されるようになって,年間10例以下まで減少した.しかしウイルス増幅動物であるブタの調査によれば,日本脳炎ウイルスは依然蔓延している状況に変わりはなく,接種の継続は必要である.重篤な急性散在性脳脊髄炎例の発生を契機に,旧(マウス脳由来)ワクチンの積極的勧奨を差し控えるよう2005年に通達が出た.接種率が低下し,感染感受性者が増加しているため,小児日本脳炎患者の増加がないか監視が必要である.2010年4月に新(組織培養)ワクチンの積極勧奨が再開された.接種時期を逸した小児に対する接種開始も急がれる.

3) ポリオ

細矢 光亮

pp.1313-1316

本邦では,生ポリオワクチン導入後,ポリオ麻痺患者発生数は激減し,現在野生株ポリオウイルスは駆逐されている.しかし,これに代わり,ワクチン株ポリオウイルスによるポリオ麻痺の発生が問題になっている.早急に不活化ポリオワクチンに切り替える必要があるが,ワクチン由来ポリオウイルスによるポリオ麻痺の流行を避けるため,不活化ポリオワクチン導入までは生ポリオワクチンを継続する必要がある.不活化ポリオワクチンの早期開発・承認が望まれる.

4) MRワクチン接種率を上げるには

橋本 剛太郎

pp.1317-1321

MR(麻しん・風しん混合)ワクチン接種率だけでなく,すべての定期予防接種率を上げる努力が大切である.福井県小児科医会では「予防接種台帳に基づく接種率調査」を継続しているが,これが契機となってすべての市町で予防接種台帳が完備しており,未接種者を把握して勧奨するシステムが稼動している.このためにMRを含む定期接種の接種率が極めて高い.また,MR3・4期では中高生に対する予防接種教育が重要で,安易に集団接種を採用すべきではない.

5) 麻疹風疹実験室ネットワーク

染谷 健二 , 駒瀬 勝啓 , 竹田 誠

pp.1322-1327

実験室診断による麻疹症例の全数把握と疫学情報をリンクさせたサーベイランスシステムの構築と運用,さらに得られた情報を基にした対策が麻疹排除には重要である.現在,世界規模での麻疹排除計画に向けて,各国の研究施設が実験手技,情報などを共有し連携する麻疹風疹実験室ネットワークがWHOを中心として組織されている.本邦に求められている麻疹風疹実験室ネットワークの役割のため,国立感染症研究所(感染研)は,地方衛生研究所,保健所,医療機関と協力し合い,網羅的なサーベイランスシステムの構築を進めている.

6) BCG

西山 裕之 , 御手洗 聡

pp.1328-1333

結核は途上国を中心に世界中の多くの人々に感染している.日本もいまだ結核中蔓延国で,2008年の新登録結核患者数は24,760人である.薬剤耐性結核などの新しい問題の拡大が懸念されており,より予防に重点を置くことへの必要性が増している.これまで長い間BCGワクチンは世界的に利用されてきたが,効果が認められるのは乳児の髄膜炎および粟粒結核が中心で,成人の肺結核にはまだ定まった評価がなされていない.また,BCGワクチンの副反応,直接接種導入以降のコッホ現象や,適切な接種期間の設定など取り組むべき課題が残されている.これからはBCGワクチンより有効性が高く,副作用が少ない新たなワクチンの開発が望まれている.

7) 季節性インフルエンザ

西村 直子

pp.1334-1338

インフルエンザは毎年流行を繰り返し,罹患者数の多い疾患である.抗ウイルス剤が使用可能な今日においても,インフルエンザは予防すべき疾患であり,予防対策の第1選択はワクチン接種である.現行の不活化インフルエンザワクチンは,年長児や健康成人には有効性が認められるが,高齢者や基礎疾患を有する者,乳幼児では十分な発症阻止効果を得られない.より有効で安全なワクチンを求めて,生ワクチンを含む新しい剤型開発,経鼻接種など投与ルートの変更,様々なアジュバントの利用などが研究されている.

各論 2. 任意接種のワクチン

1) ムンプス

庵原 俊昭

pp.1339-1344

1989年4月から4年間,本邦では麻疹ムンプス風疹(MMR)ワクチンの定期接種が行われたが,予測よりも無菌性髄膜炎の発症頻度が高かったため中止した.その後,本邦は先進国で唯一ムンプスウイルスを含むワクチンを定期接種していない国となっている.このためムンプス流行が持続し,多くの子どもが無菌性髄膜炎や脳炎で入院し,難聴を残している.子どもの健康を守るためにはムンプスワクチンの定期接種化が必要であり,コンプライアンスや流行抑制を考えると2回のMMRワクチン定期接種が期待される.なお,ムンプス単味ワクチンを1回定期接種にすることで,約400億円の節約が見込まれている.

2) 水痘

吉川 哲史

pp.1345-1350

水痘ワクチンは,本邦で開発された現在使用可能な唯一のヒトヘルペスウイルスに対するワクチンである.本邦では任意接種のため,いまだ接種率が40%程度にとどまっているが,1986年からOka株水痘ワクチンの定期接種化が始まった米国では,すでに接種率が90%を超え顕著な疫学的変化が起きている.水痘患者は激減し,水痘にかかる医療費の著明な削減が報告されている.そのような状況にある米国では,本邦が数年前麻疹で直面したsecondary vaccine failureと同様の問題が,水痘感染において表面化した.それに対する対策として,すでに水痘ワクチンの2回接種が勧められている.

3) インフルエンザ菌b型

石和田 稔彦

pp.1351-1357

インフルエンザ菌の中で莢膜型b型の株は,病原性が強く,髄膜炎をはじめとする重症感染症を主に惹起する.インフルエンザ菌b型(Hib)に対するワクチンは,20年以上前から世界の多くの国々で使用され,Hib感染症に対して劇的な予防効果が認められている.一方,日本においてもようやく任意接種という形で使用可能となったが,ワクチンの供給不足もあり,十分な接種率が確保されていないため,Hib感染症は激減していない.今後,日本においても海外と同様の効果を得るためには,ワクチンの安定供給と早期の定期接種化が必要不可欠である.

4) 肺炎球菌

川上 健司 , 大石 和徳

pp.1358-1363

23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPV)は,成人に対して実用化されている細菌感染症予防のためのワクチンである.本邦における接種率は,65歳以上の高齢者の5%程度まで上昇しており,さらなる普及が必要な段階である.2010年春からは小児に適応のある多糖体―蛋白結合型ワクチン(PCV)も実用化され,年齢や世代に応じて総合的に肺炎球菌感染症に対してワクチン戦略を立てる時代になりつつある.

5) HPVワクチンによる子宮頸癌の予防

神田 忠仁

pp.1364-1370

子宮頸癌は女性の癌では2番目に多く,本邦では年間2,500人程度の死亡があると推定されている.高リスク型ヒトパピローマウイルス(HPV)の2つの癌遺伝子が細胞染色体に組み込まれて継続的に高発現し,不死化した細胞が癌化する.したがって,高リスク型HPVの感染をワクチンで防げば,子宮頸癌を予防できると考え,欧米の製薬会社がHPVワクチンを開発した.癌を予防できる初めてのワクチンとして期待される一方,誘導された抗体がHPV感染を防ぐ機構や効果の継続性には不明な点があり,15種ある高リスク型HPVのうち2種にしか効果がないなど,残された課題も多い.

6) HPV

吉川 裕之

pp.1371-1375

HPV16とHPV18のウイルス様粒子(VLP)をワクチンとして用いた子宮頸癌の予防が本邦でも始まった.中和抗体でHPVが細胞に感染する前にブロックする.臨床試験でCIN2/3発生予防効果がほぼ100%であり,重篤な有害事象はない.10~26歳程度までの女性への接種が特に推奨される.このワクチンはHPV16/18型特異的で,近い将来において,約70%の子宮頸癌の予防が可能になる.

7) B型肝炎

藤澤 知雄

pp.1376-1382

本邦では,HBVキャリア化は母子感染に限ると頑なに信じ,旧厚生省の母子感染防止のプロトコールを順守している.これは完遂できれば優秀なプロトコールであるが,初回のHBIG投与が遅れがちなる,初回のHBワクチンを接種する前のHBs抗原の検査結果の誤判断,里帰り出産による追跡中断,基礎免疫成立まで生後3か月を要する,など多くの欠点を有している.したがって,母子感染防止が不可能な胎内感染例(早期HBs抗原陽転例)以外に,産科と小児科の連携ミスなど人為的な要因による予防不成功例が増加している.さらに父子感染を中心とした母親以外の家族内感染も無視できない.一方,外国由来の遺伝子型AのHBVが主にSTDとして増加している.この型のHBV感染では,成人でも急性肝炎にとどまらず持続感染がみられることがある.新生児期にHBワクチンを接種すると,追加ワクチンなしでも少なくとも若年成人まではHBV感染が防げることが知られている.

8) A型肝炎

清原 知子 , 石井 孝司

pp.1383-1391

A型肝炎は,A型肝炎ウイルス(HAV)の経口感染により引き起こされる伝染性疾患である.患者の排泄物や汚染された飲食物が感染源となる.一般に予後良好な疾病ではあるが,数か月間の療養を必要とし,社会的・経済的損失は大きい.本邦では,衛生環境の改善に伴いA型肝炎の大規模な集団発生はみられなくなった。近年の患者報告数は年間200人程度である.感染機会の減少に伴い,HAV防御抗体をもたない感受性者が増加し,全人口の88%に及ぶ.A型肝炎はワクチンで予防できる疾病である.A型肝炎ワクチンは効果・安全性ともに高い.A型肝炎の予防は衛生管理,ワクチン接種,もしくはガンマグロブリンの投与が有効である.

各論 3. 期待されているこれからのワクチン

1) ロタウイルス

中込 とよ子 , 中込 治

pp.1392-1399

ロタウイルス下痢症により,5歳未満の約40人に1人が合併する脱水症の治療のために入院しており,胃腸炎による乳幼児の入院の約40%を占めている.世界的に使用が承認されているロタウイルスワクチンは,単価ヒトロタウイルスワクチン(Rotarix(R),グラクソスミスクライン社)と5価ウシ・ヒトロタウイルス組換え体ワクチン(RotaTeq(R),メルク社)との2つである.これらのワクチンの特徴と本邦への導入の必要性とについて解説する.

2) ヘルペス・サイトメガロウイルス

森内 昌子

pp.1400-1406

サイトメガロウイルスはエイズ患者や移植患者などの免疫不全宿主に種々の日和見感染症を起こすほか,先天性感染として現在最も重要な病原因子と位置付けられている.有効なワクチンの開発がもたらす恩恵は非常に大きいと予想されるのに対し,その認識は一般社会においても医療従事者の間においてすらも著しく低い.現在開発が進められているワクチンはいくつかあるが,最も治験が進んでいるgBサブユニットワクチンを含め,認可のめどが立ったものはない.

3) HIV

松岡 佐織 , 俣野 哲朗

pp.1407-1412

HIVが発見されて以来,HIVの感染拡大の防止に向け多くの試みがなされてきたが,今なお有効な予防ワクチンの実用化には至っていない.本稿ではこれまでのHIV感染症克服に向けた取り組みの歴史を振り返りながら,今ひとたび予防HIVワクチン開発の必要性およびその展望を考えたい.

4) マラリア

東岸 任弘 , 堀井 俊宏

pp.1413-1421

マラリアは熱帯・亜熱帯地域を中心に流行し,その犠牲者は年間100~300万人にのぼる.このため,抜本的な対策としてマラリアワクチンの開発に期待が寄せられている.しかしながら,これまでにマラリアワクチンの実現に向けた多大な努力がなされてきたにもかかわらず,いまだ著効を示すワクチンの実用化のめどは立っていない.本稿ではマラリアワクチンの実現の可能性とともに,筆者らが発見したマラリア原虫のアキレス腱と考えられる,SERA5抗原から開発したSE36マラリアワクチンの効果の予測と臨床試験の現状について解説する.

5) RSV―世界の開発状況

堤 裕幸 , 要藤 裕孝

pp.1422-1428

RSウイルス(RSV)感染症により入院加療を要する例の60%以上が1歳未満であり,重症RSV感染症のピークは生後2~7か月なので,RSVワクチンは生後数週間以内に投与される必要がある.生後早期のワクチンが有効であるためには乳児の免疫学的未熟性や,母体移行抗体の免疫抑制を克服する必要がある.ワクチン開発は1960年代の米国でのホルマリン不活化ワクチン以降,温度感受性変異株,精製F蛋白ワクチンなどの開発が進められているが,いまだ実用に足るものはない.

6) 新型インフルエンザ

池野 大介 , 城野 洋一郎

pp.1429-1434

新型インフルエンザウイルスに対しては,ほとんどの国民が免疫を獲得しておらず,ワクチン開発に対する社会的要求は極めて高い.実際,2009年春にPandemic(H1N1)2009ウイルスが新型インフルエンザウイルスとして世界的に流行し,ワクチンの開発がすぐに開始された.本稿では,Pandemic(H1N1)2009およびH5N1ウイルスによるパンデミックに対するワクチンに関する知見を取りまとめることで,次の新型インフルエンザウイルスの流行時までに残された課題を明らかにしたい.

7) デング熱

高崎 智彦

pp.1435-1439

デング熱は日本国内で1942~1945年にかけて流行したが,その後国内流行はない.しかし熱帯・亜熱帯のデング熱流行地域からの輸入症例は毎年100例前後が報告されている.都市部で流行するデング熱は,地球温暖化と流行地域の都市化という要因から世界的に拡大傾向が続いており,流行のコントロールにはワクチン開発が不可欠である.現在,臨床試験段階の候補ワクチンはあるが,実用化までにはまだ解決すべき問題が多い.

8) ウエストナイル熱

森田 公一

pp.1441-1446

ウエストナイル熱はフラビウイルス科に分類されるウエストナイルウイルスの感染によって発症する急性発熱性の疾患でしばしば中枢神経感染を引き起こす.ウエストナイル熱はアフリカ,中近東,西アジアやヨーロッパの一部で流行を繰り返しているが,1999年に初めて米国に侵入し数年で北米全域に拡大し,毎年数千名の患者が発生しており,大きな公衆衛生上の問題となっている.現在,多くの研究機関で多彩なワクチンの開発が行われているが,不活化ワクチンと遺伝子工学的手法で作られた生ワクチンの2つのワクチンが臨床治験の段階である.

9) C型肝炎

脇田 隆字

pp.1447-1452

C型肝炎ウイルス(HCV)は非A非B型肝炎の原因ウイルスとして同定された.HCVに感染すると7~8割の患者は持続感染化して慢性肝炎,肝硬変そして肝臓癌に至る肝疾患を引き起こす.初感染の2~3割程度は自然に回復するが,感染中和活性については不明であった.最近のHCV研究の進歩により,中和抗体の存在やその意義に関して様々なデータが明らかとなってきた.また,小動物においてHCVに対する中和抗体の誘導に関する報告もあり,HCVワクチンの開発がようやく現実味を帯びたものになりつつある.

10) E型肝炎

李 天成

pp.1453-1458

E型肝炎はE型肝炎ウイルス(HEV)によって引き起こされる急性E型肝炎である.HEVはエンベロープをもたない一本鎖のポジティブストランドRNAウイルスであり,ヘペウイルス科(Hepeviridae),ヘペウイルス属(Hepevirus)に分類される.4つの異なる遺伝子型HEVの血清型は同一である.HEVの感染をコントロールするにはワクチンの開発が必須である.現在,DNAワクチンあるいは組換え蛋白ワクチン開発の研究が進んでいるがまだ実用化されていない.

あとがき フリーアクセス

岩田 敏

pp.1460

 少子高齢化社会を迎えた現代,感染症の治療と予防は極めて重要な意味をもつようになってきています.特に感染症予防の重要な手段である予防接種(ワクチン)は,先進国においても発展途上国においても,今後ますますその重要性を増していくと考えられます.2009~2010年に大問題となったブタ由来インフルエンザウイルスA(H1N1)による新型インフルエンザのパンデミックの中でも,唯一の予防手段であるワクチン接種は,当初ワクチン自体の数が不足していたこともあって,優先接種の問題なども含め,社会的に大きな注目を集めました.また最近の1~2年間で,インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン,7価肺炎球菌結合型ワクチン(小児用肺炎球菌ワクチン),ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンが新たに国内でも承認・発売され,「ワクチンで防ぐことのできる疾患(vaccine preventable disease;VPD)はワクチンで防ぐべきである」という機運が,ようやく本邦でも盛り上がって参りました.

 そこで本増刊号ではワクチンの問題を取り上げ,その歴史的な流れから,ワクチン免疫の理論的背景,開発,ワクチンの開発と臨床応用に必要な臨床検査の知識,開発の実際,接種の実際,国内外のワクチンプログラム,今後開発が考えられているワクチンに至るまで様々な点につき,それぞれの専門家からご意見を述べていただきました.そのうえで,これからの時代におけるワクチン戦略とはどのようなものであるべきなのか,またそのために必要なことは何であるのか,という点について読者の皆さまと一緒に考えていきたいと思います.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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63巻4号(2019年4月発行)

増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ

63巻3号(2019年3月発行)

今月の特集 血管エコー検査 まれな症例は一度みると忘れない

63巻2号(2019年2月発行)

今月の特集1 てんかんup to date
今月の特集2 災害現場で活かす臨床検査—大規模災害時の経験から

63巻1号(2019年1月発行)

今月の特集1 発症を予測する臨床検査—先制医療で5疾病に立ち向かう!
今月の特集2 薬の効果・副作用と検査値

62巻12号(2018年12月発行)

今月の特集1 海外帰りでも慌てない旅行者感染症
今月の特集2 最近の輸血・細胞移植をめぐって

62巻11号(2018年11月発行)

今月の特集1 循環癌細胞(CTC)とリキッドバイオプシー
今月の特集2 ACSを見逃さない!

62巻10号(2018年10月発行)

増刊号 感染症関連国際ガイドライン—近年のまとめ

62巻9号(2018年9月発行)

今月の特集1 DIC診断基準
今月の特集2 知っておきたい遺伝性不整脈

62巻8号(2018年8月発行)

今月の特集 女性のライフステージと臨床検査

62巻7号(2018年7月発行)

今月の特集1 尿検査の新たな潮流
今月の特集2 現場を変える!効果的な感染症検査報告

62巻6号(2018年6月発行)

今月の特集1 The Bone—骨疾患の病態と臨床検査
今月の特集2 筋疾患に迫る

62巻5号(2018年5月発行)

今月の特集1 肝線維化をcatch
今月の特集2 不妊・不育症医療の最前線

62巻4号(2018年4月発行)

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック

62巻3号(2018年3月発行)

今月の特集1 症例から学ぶ血友病とvon Willebrand病
今月の特集2 成人先天性心疾患

62巻2号(2018年2月発行)

今月の特集1 Stroke—脳卒中を診る
今月の特集2 実は増えている“梅毒”

62巻1号(2018年1月発行)

今月の特集1 知っておきたい感染症関連診療ガイドラインのエッセンス
今月の特集2 心腎連関を理解する

60巻13号(2016年12月発行)

今月の特集1 認知症待ったなし!
今月の特集2 がん分子標的治療にかかわる臨床検査・遺伝子検査

60巻12号(2016年11月発行)

今月の特集1 血液学検査を支える標準化
今月の特集2 脂質検査の盲点

60巻11号(2016年10月発行)

増刊号 心電図が臨床につながる本。

60巻10号(2016年10月発行)

今月の特集1 血球貪食症候群を知る
今月の特集2 感染症の迅速診断—POCTの可能性を探る

60巻9号(2016年9月発行)

今月の特集1 睡眠障害と臨床検査
今月の特集2 臨床検査領域における次世代データ解析—ビッグデータ解析を視野に入れて

60巻8号(2016年8月発行)

今月の特集1 好塩基球の謎に迫る
今月の特集2 キャリアデザイン

60巻7号(2016年7月発行)

今月の特集1 The SLE
今月の特集2 百日咳,いま知っておきたいこと

60巻6号(2016年6月発行)

今月の特集1 もっと知りたい! 川崎病
今月の特集2 CKDの臨床検査と腎病理診断

60巻5号(2016年5月発行)

今月の特集1 体腔液の臨床検査
今月の特集2 感度を磨く—検査性能の追求

60巻4号(2016年4月発行)

今月の特集1 血漿蛋白—その病態と検査
今月の特集2 感染症診断に使われるバイオマーカー—その臨床的意義とは?

60巻3号(2016年3月発行)

今月の特集1 日常検査からみえる病態—心電図検査編
今月の特集2 smartに実践する検体採取

60巻2号(2016年2月発行)

今月の特集1 深く知ろう! 血栓止血検査
今月の特集2 実践に役立つ呼吸機能検査の測定手技

60巻1号(2016年1月発行)

今月の特集1 社会に貢献する臨床検査
今月の特集2 グローバル化時代の耐性菌感染症

59巻13号(2015年12月発行)

今月の特集1 移植医療を支える臨床検査
今月の特集2 検査室が育てる研修医

59巻12号(2015年11月発行)

今月の特集1 ウイルス性肝炎をまとめて学ぶ
今月の特集2 腹部超音波を極める

59巻11号(2015年10月発行)

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ

59巻10号(2015年10月発行)

今月の特集1 見逃してはならない寄生虫疾患
今月の特集2 MDS/MPNを知ろう

59巻9号(2015年9月発行)

今月の特集1 乳腺の臨床を支える超音波検査
今月の特集2 臨地実習で学生に何を与えることができるか

59巻8号(2015年8月発行)

今月の特集1 臨床検査の視点から科学する老化
今月の特集2 感染症サーベイランスの実際

59巻7号(2015年7月発行)

今月の特集1 検査と臨床のコラボで理解する腫瘍マーカー
今月の特集2 血液細胞形態判読の極意

59巻6号(2015年6月発行)

今月の特集1 日常検査としての心エコー
今月の特集2 健診・人間ドックと臨床検査

59巻5号(2015年5月発行)

今月の特集1 1滴で捉える病態
今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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