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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査54巻12号

2010年11月発行

雑誌目次

今月の主題 脳卒中

巻頭言

本邦脳卒中の現況と治療の最前線

篠原 幸人

pp.1470-1471

 “卒中”という言葉は中国伝来であろうが,本邦でも西暦760年,すなわち平安時代の書物にすでにその記載がみられる.“卒”は突然倒れることを卒倒と言うように“突然”という意味,“中”は毒に当たることを中毒というように“当たる”という意味なので,“卒中”とは“何かに当たったように突然,倒れる病気”と理解できる.西洋医学が導入される遥か昔の人々が,原因が脳の病気と知っていたか否かは別として,少なくとも現在の脳卒中(脳血管障害)を非常に身近な疾患として捉えていたことは十分に想像される.

 この脳卒中は,第2次世界大戦後に本邦で猛威を振るった結核にかわり,1950年頃より本邦の成人死亡率の第1位を占めてきたが,1980年頃に悪性新生物に,1985年頃より心疾患に抜かれて,現在成人の死亡原因第3位であることはよく知られている.しかし死亡率は著明に減少したものの,発症率は大きな低下を示していないため,治療中の脳卒中患者数は鰻上りに上昇し,また依然として本邦の寝たきり患者の最大の原因疾患でもある.

総論

脳卒中とは

小林 祥泰

pp.1472-1479

 脳卒中は脳血管の閉塞ないしは破綻によって生じる.虚血性脳卒中には脳梗塞と一過性脳虚血発作(TIA)が含まれる.虚血性脳卒中はアテローム硬化,心原性脳塞栓および細小動脈硬化によって起こる.出血性脳卒中には主に高血圧性細小動脈硬化に起因する脳出血と脳動脈瘤に起因するくも膜下出血がある.外傷性の頭蓋内出血の中には脳卒中と類似した症状を示すものがある.そのうち最も重要なのは慢性硬膜下血腫で,2番目が硬膜外血腫である.慢性硬膜下血腫は特に高齢者で軽微な頭部外傷を誘因として生じ,ゆっくり進行する認知症状などを示すことが多く,診断が大変難しいことがある.硬膜外血腫は頭部外傷後数時間の意識清明期を有する場合には大したことがないと専門医を受診しない場合もあり極めて危険である.それゆえ,強い頭部外傷の際には必ず専門医を受診し一晩観察する必要がある.

脳卒中の過去・現在

後藤 聖司 , 清原 裕

pp.1480-1486

 本邦では,過去40年間に高血圧治療の普及に伴って脳卒中の発症率・死亡率は大幅に減少したが,近年その発症率の低下が鈍化している.その理由として,時代とともにラクナ梗塞の発症率は減少したが,アテローム血栓性脳梗塞および心原性脳塞栓症の発症率が減少していないことや,超高齢者における脳出血発症率が増加していることが挙げられる.近年,肥満・糖代謝異常・脂質異常など代謝性疾患が急増して脳梗塞発症に与える影響が増大していることに加え,高齢者高血圧の管理が不十分であることがその背景にあると考えられる.

脳卒中の予防

中村 幸志 , 中川 秀昭

pp.1487-1493

 脳卒中の危険因子については脳卒中の病型別にみる必要があるものの,高血圧,糖尿病,喫煙,多量飲酒や心房細動は確立された危険因子であり,脂質異常症も危険因子である可能性がある.こういった古典的危険因子は生活習慣と密接な関連があるため,生活習慣の改善によって危険因子を管理・予防し,脳卒中の予防をはかることができる.具体的に言えば,適正な体重,血糖や血清脂質の維持を目標にした適正なエネルギーおよび栄養素の摂取,塩分摂取の制限,野菜や果物の積極的な摂取,有酸素運動,禁煙,適量飲酒やストレス管理などを実践することが脳卒中の予防につながる.

脳卒中治療ガイドライン2009とガイドライン遂行に必要な臨床検査

篠原 幸人

pp.1494-1498

 2004年に本邦で初めて発刊され,2009年11月に改定された脳卒中治療ガイドラインの作成過程,作成のコンセプト,推奨のグレードの理解の方法と読み方を概説した.さらにガイドラインを適切に遂行して,脳卒中の発症を予防し急性期治療を行いまた再発を予防するために,どのような臨床検査を,どのような考えで,どのように行うことが重要なのかを中心に,ガイドラインの内容を紹介した.

各論

脳梗塞診療に必要な臨床検査

石上 晃子 , 横田 千晶 , 峰松 一夫

pp.1501-1507

 脳卒中の正確な診断と有効な治療には,病因・病態把握のための迅速かつ正確な臨床検査による評価が不可欠である.各臨床検査の特性を正しく理解しておくことは,脳卒中患者診療において極めて重要である.これらのことは,急性期脳梗塞患者に対する発症3時間以内の超急性期血栓溶解療法(rt-PA)を実施する際に,特に当てはまることである.

急性脳血管症候群(ACVS)としてのTIA

星野 岳郎 , 内山 真一郎

pp.1508-1514

 一過性脳虚血発作(TIA)は救急疾患として対処すべきであり,急性脳血管症候群(ACVS)という新たなコンセプトが提唱されている.TIAは無治療でも短時間で症状が消失してしまうため,患者や時には一般医にさえ軽視または無視されやすい.しかしながら,TIA発症早期の脳卒中リスクは従来考えられていた以上に高い.よって早期評価とリスクの層別化,およびそれらに基づく速やかな治療開始が不可欠である.最近TIA Registry.Org.という大規模な医師主導型の国際共同研究が開始され,海外諸国や本邦におけるTIA診療の実態が明らかになることが期待される.

脳出血診療における臨床検査

師井 淳太

pp.1515-1521

 脳出血は依然として,予後不良の疾患である.脳出血患者に対する急性期の血液検査により,出血の背景にある血液疾患や抗血栓薬服用に起因する凝固異常や血小板凝集能抑制,肝疾患などの有無を検査することにより,血腫増大や手術リスクの予測が可能となる.また,急性期から亜急性期にかけては,血液検査や超音波検査などで,合併症として頻度の高い深部静脈血栓症,心疾患をスクリーニングする.さらに摘出標本の病理組織診断により種々の血管奇形やアミロイドアンギオパチー,脳腫瘍の鑑別を行う.神経放射線学的検査と同様に,脳出血診療における臨床検査の担う役割は大きい.

くも膜下出血診療に必要な臨床検査

中村 元 , 藤中 俊之 , 吉峰 俊樹

pp.1522-1529

 くも膜下出血は脳だけではなく,呼吸・循環器系統を含めた全身臓器にも大きな影響を及ぼす.出血源の精査や脳血管攣縮の早期発見のために放射線学的検査が必須であることは言うまでもないが,くも膜下出血の重症度や全身合併症を的確に把握するには,血液検査を含めた各種臨床検査について熟知する必要がある.

無症候性脳血管障害への対応―脳卒中治療ガイドライン2009より

近藤 礼 , 嘉山 孝正

pp.1531-1536

 最近注目を集めている無症候性脳血管障害が「脳卒中治療ガイドライン2009」(2009年11月)では,新項目として採り挙げられた.脳卒中治療ガイドライン2009にのっとり,代表的無症候性脳血管障害である(1)無症候性脳梗塞(大脳白質病変を含む),(2)無症候性脳出血,(3)無症候性頸部・脳内血管狭窄・閉塞,(4)無症候性脳動静脈奇形,(5)未破裂脳動脈瘤に対する適切な対処法につき概説した.

そのほかの脳血管障害

宮下 光太郎 , 成冨 博章

pp.1537-1545

 昨年新たに上梓された「脳卒中治療ガイドライン2009」の中で,初めて取り上げられた“その他の脳血管障害”に含まれる疾患の病態に基づく検査と診断について概説した.その多くは,頭部CT,MRIや神経超音波検査の進歩により,診断精度が向上し疾患概念そのものが明確になったものが多い.そのような観点から主な疾患については診断基準と代表的な画像所見を提示して診断に至る経緯を簡潔に述べた.ここで取り上げた疾患は一般の脳卒中と異なり症例数が比較的少ないため,エビデンスに基づく治療指針を提示することは困難であり,実地臨床における治療に際しては適切な検査に基づく個々の疾患の病態を把握することが特に重要と考えられる.

脳卒中リハビリテーション―評価とチームアプローチ

江藤 文夫

pp.1547-1552

 リハビリテーション医療は,脳卒中により生じた患者の能力障害と社会的不利を最小化し,機能的能力を最大化して,患者の社会復帰を支援することを目的とする.その診療は,障害の医学モデルにおける機能形態障害,能力障害,社会的不利の概念に基づく.治療計画はこれら3つの領域の課題を明らかにする.機能障害の評価には片麻痺の回復程度を分類するBrunnstrom stageや痙性の重症度を分類するAshworth scaleなどがある.能力障害の程度はBarthel indexなどADLの評価により判定される.治療介入では医師,看護師に加えて理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,臨床心理士,医療ソーシャルワーカーなど多数の専門職によるチームアプローチが特徴である.

話題

虚血性脳障害に対する特異的なバイオマーカーの現状

野口 将 , 宮下 亮一 , 芝崎 太 , 内野 博之

pp.1553-1560

1 . はじめに

 人ゲノム解読終了後に研究者の標的は蛋白へと移ってきている.プロテオームという言葉を耳にしたことがある方も少なくないと思う.プロテオームとは“蛋白質の集団”を意味する.すなわち,細胞がある特定の条件下に置かれたときに,細胞内に存在する全蛋白質を表す.ゲノムは単なる情報にすぎず,この情報に基づいて酵素やホルモン,その受容体,遺伝子の働きを調節する因子など様々な蛋白質がつくられて生命活動に必要な機能が発揮できるようになる.このように,細胞の活動に必要な全蛋白質をひとまとめにして捉えた概念がプロテオームであり,蛋白質の構造と機能を網羅的に解析し研究することを“プロテオミクス”と呼ぶ.現在,プロテオーム解析技術は加速し,プロテオミクスの得意とする細胞内蛋白質の網羅的な発現変動,局在,翻訳修飾,相互作用解析などに関しての知見が急速に増えてきている.

 脳虚血障害とバイオマーカーの関係に焦点を当てて現況を概説し,バイオマーカーを捕捉する新規の技術について触れる.

Cystatin C

長井 篤

pp.1561-1565

1 . はじめに

 Cystatin C(CysC)は20番染色体短腕にコードされる120個のアミノ酸よりなる,分子量13,260の蛋白である.血清蛋白分画で,γ分画に電気泳動されることよりγ-traceとも呼ばれる.Lysosomeに存在する分泌型のcysteine proteinase inhibitorで,全身の体液中に存在するが,特に精液,髄液中に高濃度に存在し,それぞれ血漿中の36倍,5.5倍である.プロテアーゼを阻害することにより,細胞外で補体系や炎症反応の調整にかかわっていると考えられている.

 古くは,脳血管に沈着して脳卒中を起こす原因蛋白として発見され,筆者らもその機序について検討を加えてきた.近年,糸球体濾過量の指標として有用であることが証明され,腎機能の指標として保険収載された.本稿では,CysCと脳卒中の関連に焦点を当て概説したい.

脳卒中の地域連携クリニカルパス

前島 伸一郎 , 大沢 愛子 , 棚橋 紀夫

pp.1566-1569

1 . はじめに

 本邦の脳卒中医療は,救急医療体制の整備に加え,血栓溶解療法や脳血管内治療などの治療法の進歩,Stroke Unitにおけるチーム医療,脳卒中治療ガイドラインの普及など,大きな変革が遂げられている1).また,今世紀初めより,本邦の医療制度は大きく変化した.すなわち,“医療機関の機能分化”の推進によって,DPC(diagnosis procedure combination:診断群分類別包括評価)が導入され,平均在院日数や紹介率などを指標とした急性期入院医療と慢性期入院医療の区別が明確化され,脳卒中後の在宅生活を支援する目的で介護保険制度や回復期リハビリテーション(リハ)病棟が導入された.さらに,第5次医療法改正において,医療計画の基本的枠組みが医療法に規定され,医療機能の分化・連携と,切れ目のない医療,早期に在宅生活へ復帰できるような施策が打ち出された2,3)

 このような社会的背景の中,急性期病院から回復期リハ病院を経由して,在宅へ至る大まかな道筋を示すものとして着目されているのが“地域連携クリニカルパス(地域連携パス)”である.病院は,経営戦略上,新規紹介,診療・検査予約などの前方連携と逆紹介,退院調整や退院時指導などの後方連携を行わなければならず,院内連携(院内パス)のみならず,地域の中でほかの医療従事者と連携をとる必要に迫られている.

久山町研究による未来予測システム

土井 康文 , 清原 裕

pp.1570-1573

1 . はじめに

 従来,医療従事者は,対象者の診察所見や検査値から疾病の発症や予後を予測し,生活習慣の指導を行ってきた.しかしこれまでの方法では,疾病に対する医療従事者の知識や経験の違いにより,将来の疾病発症のリスクに対する見込みが異なるなどの問題がある.このあいまいさを排除し,客観的なエビデンスに基づいて疾病の発症予測を行うために,リスクスコアの手法が生み出されている.リスクスコアとは,追跡調査の成績を元に,個々の患者や健診受診者の問診や検査データを用いて,疾病が将来発症する確率を統計学的に数値化して求めた客観的な指標である.

 本稿では,福岡県久山町の疫学成績を元に検討された心血管病と糖尿病の発症を予測するリスクスコアと,これを搭載したソフトウエア「健康みらい予報」を紹介する.

今月の表紙 代表的疾患のマクロ・ミクロ像 悪性腫瘍・11

骨腫瘍のマクロ・ミクロ像

小松 京子 , 海野 みちる , 坂本 穆彦

pp.1466-1469

 骨腫瘍は,“放射線診断学あるいは病理組織診断学的事実に基づいた骨組織に発生する腫瘍あるいは腫瘍類似性の状態”と定義される.腫瘍類似性の状態とは,臨床経過や病理組織学的に腫瘍と紛らわしい状態をいう.骨腫瘍の診断にはX線写真を含む臨床データは必須である.骨腫瘍は良性と悪性とに分けられ,悪性腫瘍は低悪性度と高悪性度とその中間群が含まれる.原発性悪性骨腫瘍中最も多数を占めるのは骨肉腫で約44%であり,多発性骨髄腫,軟骨肉腫,Ewing肉腫などが続く1).骨腫瘍は発生部位や患者の年齢は診断に有用であることが多い.『整形外科・病理 悪性骨腫瘍取扱い規約(2007年7月第3版)』は,WHOの分類に一部追加訂正したものとなっている.本稿では骨腫瘍のうち頻度が高い,骨軟骨腫・巨細胞腫・骨肉腫・軟骨肉腫・転生骨腫瘍を供覧する.

シリーズ-ベセスダシステム・10

ベセスダシステム判定の実際-ASC-US

小松 京子

pp.1574-1577

異型扁平上皮細胞:ASC

1 . ASCとは

 異型扁平上皮細胞(atypical squamous cells;ASC)は,ベセスダシステム2001で用いられる新しいカテゴリーの1つであり,グレーゾーン的なカテゴリーである.

 ベセスダシステム1991で最も一般的な選択肢であった,“反応性を示すASC”と“特定不能なASC”を削除し,すべてのASCは“意義不明なASC(atypical squamous cells undetermined significance;ASC-US)”か,“HSIL(high-grade squamous intraepithelial lesion)を除外できないASC(atypical squamous cells,cannot exclude HSIL;ASC-H)”のいずれかに振り分けられることとなった1~3)

シリーズ-検査値異常と薬剤・9

―投与薬剤の検査値への影響―中枢神経系作用薬・Ⅲ

米田 孝司 , 片山 善章 , 澁谷 雪子

pp.1578-1586

抗てんかん薬

 てんかん時には脳細胞に異常な電気信号が発生しているので,以下の作用により抑制する(表1).

 1 . フェニトイン

 ヒダントイン系薬剤.効果があるのは強直間代発作,焦点発作,自律神経発作,精神運動発作である(図1).

特徴:ジフェニル置換基の構造をし,作用機序は電位依存性Naチャネル不活性化状態の延長と不応期の延長によりNaの透過性を抑制する.血中濃度が20μg/mlを超えると急激に血中濃度が上昇し異常をきたす(表2)1,2)

Coffee Break

台湾の秘境―蘭嶼(Lan Yu)島(Orchid Is.)を訪ねて

佐々木 禎一

pp.1499-1500

 1967年,私は初めて欧州旅行の帰路は,南回りでギリシャやトルコを経て,最後に台湾に立ち寄った.台湾の人々は親日的で,しかも台湾大学病院には早くからの知り合いであった陳瑞三教授がおられ親切に迎えてくれた.その後陳教授のお世話で幾度か学術講演会,韓国の臨床病理学者たちとの交流などが,幾度か台平で企画開催され,私もそのつど参加して歓待を受けた.

 今回はそのような会議が開催された折,先に私は妻とその友人夫妻と台湾一周旅行を企画したが,私は何回も訪れてたので,最後に南太平洋上の小さい蘭嶼島まで足を延ばした際に珍しい体験をしたので,その紀行文を紹介しようと思う.

映画に学ぶ疾患

「私の中のあなた」にみる闘病者の家族の絆

安東 由喜雄

pp.1530

 映画「私の中のあなた」(My Sister's Keeper)は,白血病を患った長女ケイトを中心に,少し違った角度から親子愛,夫婦愛,姉妹愛,そして何より家族の絆を描いていて心に残る.

 ケイトは2歳のとき,急性前骨髄球性白血病を発症する.弁護士をしていた母サラ(キャメロン・ディアス),消防士の父ブライアンは,わが子を救おうと必死になる.特にサラはきっぱり仕事を辞め,ケイト中心の生活に切り替える.ケイトとの長い闘病生活が始まる.彼女が髪のない自分の姿を見苦しいと自暴自棄になったときには,サラも髪を剃ってスキンヘッドになり,一緒に外出して苦しみを共有しようと努力してみせる.

あとがき フリーアクセス

坂本 穆彦

pp.1588

 名は体を表すというが,表意文字である漢字で書く病名を見ると,その特徴がうまく象徴的に示されている.肝硬変,心筋梗塞,胆石,痛風,白内障などなど……これらの病名を考案した先人には脱帽である.そのような見方で脳卒中を見るとどうなるだろうか.脳は部位を示す名称だからおくとして,ここではほかの2文字についてみてみよう.

 まず“卒”であるが,この文字は一兵卒などと用いられるように,位の高くない兵士や召使い,しもべに当てられる.そのほかには急なあわただしい出来事の際の“急に,にわかに”という意味がある.脳卒中は,急に,にわかに発症するから,この病気のイメージを適確に示している.さらに卒には“終了”あるいは“ついに”という意味もある.卒業という語を見ればそれがわかるが,一語でも「~卒」といえば,その学校などの課程を終えたことを表す.他方,脳卒中は日本人の死因の上位にランクされており,死とは背中合わせの病気でもある.したがって,脳卒中の卒という文字に込められたもう1つの側面の“ついに”であるが,これは終了とも重なりあう.すなわち死に通じるニュアンスをうかがうことができる.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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64巻12号(2020年12月発行)

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今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
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58巻13号(2014年12月発行)

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58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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