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文献詳細

雑誌文献

臨床検査54巻5号

2010年05月発行

文献概要

今月の主題 薬剤耐性菌制御の最前線 各論 〈多剤耐性菌の検出とその意義〉

VRE

著者: 長尾美紀12 飯沼由嗣12

所属機関: 1京都大学医学部附属病院検査部 2京都大学医学部附属病院感染制御部

ページ範囲:P.519 - P.523

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 本邦においてバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)は確実に増加しており,感染が拡大する前に対策を講じる必要がある.VREには一見,感受性菌と見間違えるものがあり,通常の検査では判定を誤る可能性があるので注意が必要である.VRE保菌者は多くが腸管内に保菌するが,通常の便培養では検出されず,発見がしばしば遅れる.さらに,手指衛生の不備や手袋・エプロンなどの個人防護用具が適切に使用されないと,VREは医療従事者の手指を介して容易にほかの患者に拡がるため,早期発見および早期隔離が対策の基本となる.

参考文献

1) 京都VRE調査班:京都におけるVRE感染対策指針.http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~ict/ict/inf_practice/inf_ict/shishin.pdf(2010年2月23日参照)
2) Murray BE:Vancomycin-resistant enterococcal infections. N Engl J Med 342:710-721, 2000
3) Recommendations for preventing the spread of vancomycin resistance. Recommendations of the Hospital Infection Control Practices Advisory Committee(HICPAC). MMWR Recomm Rep 44:1-13, 1995
4) Tacconelli E, Karchmer AW, Yokoe D, et al:Preventing the influx of vancomycin-resistant enterococci into health care institutions, by use of a simple validated prediction rule. Clin Infect Dis 39:964-970, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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