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あとがき フリーアクセス
著者: 岩田敏
所属機関:
ページ範囲:P.564 - P.564
文献購入ページに移動さて,2009年4月にメキシコで発生が確認され,以降全世界に伝播したブタ由来インフルエンザウイルスA(H1N1)による新型インフルエンザも,年が明けてからは急速に患者数が減少し,わが国においてもついに終息宣言が出されました.この間,現場の医療機関では,刻々と変わる行政からの情報に翻弄されながらも,それぞれのご施設ができる限りの力を注ぎ込んで,ほとんどの人たちが初めて経験する新型インフルエンザのパンデミックに対応されたことと存じます.流行が終わってみれば,重症度などの点で,わが国においてはこれまでの季節性インフルエンザとそれほど大きな違いはないように受け止められてはおりますが,小児では急速に呼吸状態が悪化する肺炎例が多数みられるなど,「やっぱり新型は違う!」という印象でした.第2波の流行は今年の秋口からではないかと予測されております.WHOの勧告により,今年のインフルエンザHAワクチンには,パンデミックを起こしたブタ由来インフルエンザウイルスA(H1N1)が含まれる予定です.第2波の流行が始まる前に,多くの国民の皆さんがワクチン接種を完了しておくことが必要だと考えます.また,インフルエンザに罹患した場合,肺炎球菌感染症を併発し重症化することが知られているので,あらかじめ肺炎球菌ワクチンの接種を受けておくことも重要です.
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