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今月の主題 注目されるサイトカイン 巻頭言
注目されるサイトカイン
著者: 吉村昭彦1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部微生物学免疫学
ページ範囲:P.576 - P.576
文献購入ページに移動 現在サイトカイン研究が極めて高い注目を集めている.歴史的にはサイトカインハンティングの時代に続いて,受容体遺伝子のクローニング,シグナル伝達研究と発展し,さらに遺伝子改変マウスの活用によってサイトカインの生理的な意義が解明されてきた.しかし,主要なサイトカインは出揃い,機能も大枠ではほぼ解明されてきたせいか,なんとなくサイトカイン研究は下火になった時期があった.特にサイトカインそのものを疾患治療に使おうという試みが,エリスロポエチンやG-CSFなどの造血因子を除いてなかなか成功しなかったという現実もあった.しかし,抗TNFα抗体が関節リウマチに奏効することが発見されて,逆にサイトカインの活性を抑えることで免疫疾患へアプローチできることがわかり,にわかに活況を取り戻してきた.そんな時期にゲノム解読が終了し,まだまだ機能不明のサイトカインが存在することも明らかとなった.
その流れの中で,サイトカインを産生する細胞の主役のひとつであるヘルパーT細胞に新たな仲間が加わった.1980年代に提唱されて以来ドグマのように考えられてきたTh1/Th2サブセットに加えて,近年Th17が発見され,さらに制御性T細胞(Treg)も多彩な機能が解明されつつある.一方,炎症を抑制するサイトカインとしてはTGFβとIL-10が古くから知られているが,その作用機構についても解明が進んでいる.これら以外にもIL-27やIL-10のファミリー分子,あるいはIL-35といった新規抗炎症性サイトカインの発見も相次いでいる.
その流れの中で,サイトカインを産生する細胞の主役のひとつであるヘルパーT細胞に新たな仲間が加わった.1980年代に提唱されて以来ドグマのように考えられてきたTh1/Th2サブセットに加えて,近年Th17が発見され,さらに制御性T細胞(Treg)も多彩な機能が解明されつつある.一方,炎症を抑制するサイトカインとしてはTGFβとIL-10が古くから知られているが,その作用機構についても解明が進んでいる.これら以外にもIL-27やIL-10のファミリー分子,あるいはIL-35といった新規抗炎症性サイトカインの発見も相次いでいる.
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