文献詳細
文献概要
シリーズ-ベセスダシステム・5
細胞診の自動化
著者: 小松京子1 山本阿紀子2 坂本穆彦2
所属機関: 1杏林大学医学部付属病院病理部 2杏林大学医学部病理学講座
ページ範囲:P.687 - P.694
文献購入ページに移動細胞診の自動化には,標本作製に関連するものと,スクリーニングなど診断にかかわるものとに大別される.免疫染色の判定やDNA量などを客観的データとしてとらえることを目的とした機械化も進んでいる.米国では1987年にThe Wall Street Journal紙による細胞診の精度管理の問題が提起され,スクリーニングの一日鏡検限度枚などの指導や婦人科陰性検体の10%以上の再鏡検などが義務付けられ,細胞診の自動化も急速に普及した.報告様式はベセスダ・システム1988「The 1988 Bethesda System for reporting Cervical/Vaginal Cytological Diagnosis(TBS)」が提唱され,現在3回目の改訂(ベセスダ・システム2001)1)がなされている.わが国においては,婦人科領域での液状処理法による標本作製が脚光を浴びつつあるが,診断分野の自動化は,多量の検体を処理する施設以外の多くの病院ではまだ普及されるには至っていない.
本稿では検体処理ならびにスクリーニングの面から細胞診の自動化とその展望について考える.
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