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文献詳細

雑誌文献

臨床検査54巻6号

2010年06月発行

文献概要

今月の表紙 代表的疾患のマクロ・ミクロ像 悪性腫瘍・6

肝癌のマクロ・ミクロ像

著者: 海野みちる1 小松京子2 坂本穆彦2

所属機関: 1杏林大学医学部病理学講座 2杏林大学医学部付属病院病理部

ページ範囲:P.570 - P.575

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 肝癌はアジア・アフリカの高齢男性に多くみられ,わが国の肝癌死亡をみると,2007年の部位別死亡数は,肺癌・胃癌・大腸癌に次いで第4位である.また,肝癌の罹患には地域差があり,近畿地方以西に多い.肝癌の原因のひとつとして肝炎ウイルスの感染がある.感染により慢性肝炎,肝硬変になり,肝癌へと進行することが知られている.特にC型肝炎ウイルスの感染が引き起こす肝癌は全体の約70%といわれている.

 肝臓癌は原発性肝癌と転移性肝癌に分類され,さらに原発性肝癌は肝細胞癌・肝内胆管癌(胆管細胞癌)・混合型肝癌などに分類される.肝癌の組織型の主なものを表に記した(表1).日本では原発性肝癌の90%以上が肝細胞癌で,残りの約5%が肝内胆管癌である.混合癌とは肝細胞癌と肝内胆管癌が混在する癌である.

参考文献

1) 日本肝癌研究会(編):原発性肝癌取扱い規約 第5版補訂版,金原出版,pp17-31, 38-62, 72-83, 2009
2) 中村安二:肝―外科病理学 第4版(向井清,真鍋俊明,深山正久編),文光堂,pp634-651, 2006
3) 都竹正文,星利良:消化器領域の細胞診,細胞診を学ぶ人々のために(坂本穆彦編)第4版,医学書院,pp209-210, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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