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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査54巻7号

2010年07月発行

雑誌目次

今月の主題 排尿障害

巻頭言

排尿のサイエンスとアート

榊原 隆次

pp.716

 排尿障害とは,下部尿路(膀胱と尿道)の機能障害を表す言葉である.その症状は,下部尿路症状(lower urinary tract symptom;LUTS)といい,日常診療上に出会う頻度が非常に高い症候と言える.LUTSは,トイレが近い症状〔蓄尿症状(storage symptom),尿意切迫・頻尿・尿失禁など.このうち尿意切迫を中心とした症状群を過活動膀胱(overactive bladder;OAB)という〕と,尿を出しにくい症状〔排尿症状/排出症状(voiding symptom),排尿困難・尿閉など.このうち残尿感・排尿後滴下を排尿後症状(post micturition symptom)という〕の大きく2つに分けられる.また,膀胱と尿道は機能的な1対と言える.すなわち,正常な蓄尿時には,膀胱の弛緩と尿道括約筋の収縮が同時にみられ,そのいずれかが障害されると蓄尿障害をきたす.注意すべき点として,多量の残尿があると機能的な膀胱容量が減少し,2次的に蓄尿障害をきたすことが少なくない.このため,頻尿・尿失禁のみを訴える場合も,超音波残尿測定を1度行うことが勧められる.

 排尿障害をきたす代表的な疾患として,男性の前立腺肥大症(benign prostatic hyperplasia;BPH),女性の骨盤底筋障害(pelvic floor dysfunction),男性・女性の神経因性膀胱(neurogenic bladder dysfunction;NB),の主に3つが挙げられる.BPHの症状としては,排尿困難が典型的にみられる.骨盤底筋障害の症状としては,腹圧性尿失禁が典型的にみられ,骨盤臓器脱(pelvic organ prolapse;POP)との密接なかかわりがある.NBは,日常診断上において頻度が非常に高い症候であり,その障害部位に応じて,脳病変ではOABがみられ,末梢神経病変では排尿困難がみられ,脊髄病変ではOABと排尿困難を同時にきたすことが多い.このうち,OABの機序として,さらに膀胱上皮,間質細胞,上皮下神経,平滑筋の分子機序が近年明らかにされつつある.尿意と中枢神経系との関連については,機能的脳画像が,排尿障害と脳科学を橋渡しするものとして注目されている.

総論

排尿障害の基礎

芳山 充晴

pp.717-725

 現在,排尿困難・尿閉を“排尿障害”,尿意切迫・頻尿・尿失禁を“蓄尿障害”と定めたうえで,これらを“下部尿路機能障害”と総称する.これらの病因と発症メカニズムは明確に区別され,実地臨床と基礎研究が進められている.下部尿路機能障害によって出現する自覚症状を“下部尿路症状”と呼ぶ.この中には,蓄尿症状,排尿症状,排尿後症状が含まれる.蓄尿症状を主とする過活動膀胱と腹圧性尿失禁,蓄尿症状に加え,膀胱痛を伴う間質性膀胱炎,蓄尿症状と排尿症状を併せもつことがある下部尿路閉塞,睡眠障害と密接な関係にある夜間頻尿は,生活の質を著しく低下することから積極的な治療の対象となる.

尿路上皮と排尿

荒木 勇雄 , 中込 宙史 , 望月 勉 , 小林 英樹 , 芳山 充晴 , 武田 正之

pp.726-730

 近年,膀胱上皮が膀胱の知覚メカニズムに密接に関与していることが明らかになってきた.膀胱の伸展などの機械刺激や侵害刺激は,膀胱上皮に発現しているTRPチャネルファミリーやENaC/degenerinチャネルファミリーをはじめとしたイオンチャネルや受容体を活性化することにより,膀胱上皮からATPなどのメディエーターの放出を促す.これら放出されたメディエーターは,膀胱上皮下を走る知覚神経終末に存在するプリン受容体(P2X3)などに作用することによって,知覚神経を興奮させ膀胱知覚情報が中枢へと伝播される.

神経障害の部位と排尿障害

山本 達也

pp.731-738

 下部尿路は膀胱と尿道からなり,その働きは神経系に支配されている.排尿反射は脊髄―脳幹―脊髄反射で生じるが,近年の機能的脳画像を用いた研究により脳幹より上位にも高位排尿中枢が存在し,排尿反射を調節していることが明らかになった.したがって,神経の様々な部位の障害で排尿障害が生じることがわかった.一般に神経症状は障害部位により症状が異なるが,排尿症状も神経障害の部位により異なる.神経障害の部位ごとの排尿障害の特徴を知ることが,治療方針を決めるうえで重要である.

前立腺肥大症と排尿障害

鈴木 康之 , 古田 昭

pp.739-746

 前立腺肥大症(BPH)は,一般にも広く認知され高齢者に高頻度に合併するにもかかわらず明確な診断基準はない.また,高齢者に合併する疾患の多くが神経因性膀胱の原因となり,排尿にも影響を与える.BPHをはじめとする尿排出障害の重症度判定には,残尿量,尿路感染,水腎症の評価が重要である.軽症例に対する薬物療法の有用性は高く,過活動膀胱合併例でも残尿評価すれば抗コリン薬併用は有効に使用できる.また重症例には手術療法が適応となるが,近年,多種の低侵襲手術が報告されている.

女性骨盤底障害と排尿障害

加藤 久美子 , 鈴木 省治

pp.747-753

 腹圧性尿失禁,骨盤臓器脱といった骨盤底障害は,中高年女性のQOLに大きな影響を及ぼす.低侵襲メッシュ手術の導入により,本邦でも骨盤底障害への関心が高まった.腹圧性尿失禁は,問診,ストレステストでかなり把握できるが,確定診断には尿流動態検査で腹圧上昇に一致して,膀胱収縮を伴わずに尿漏出を認めることが必要である(尿流動態性腹圧性尿失禁).腹圧時尿漏出圧(ALPP)は重症度や尿道括約筋不全(ISD)の判断に役立つ.膀胱や子宮が腟口から脱出する骨盤臓器脱は,下垂症状だけでなく,尿排出障害や過活動膀胱を引き起こし,一方で腹圧性尿失禁を軽減する方向に働く(潜在性腹圧性尿失禁).問診,脱を還納した状態でのストレステスト(バリアーテスト),尿流動態検査による検討が行われる.

排尿障害の治療

山西 友典 , 本田 幹彦 , 吉田 謙一郎

pp.755-762

 下部尿路障害(広い意味での排尿障害)は,蓄尿障害と排尿(排出)障害に分けられ,そのおのおのが膀胱機能と尿道機能の障害に分類される.治療方針は,蓄尿障害と排尿障害のどちらかの治療を目的とすることになるが,治療の目標は,バランス膀胱にすることである.保存療法としては行動療法(生活指導,計画療法,理学療法)をまず行う.薬物療法では,膀胱蓄尿障害には抗コリン薬,尿道蓄尿障害にはクレンブテロール,膀胱排尿障害にはコリン作動薬(α-遮断薬併用),尿道排尿障害にはα-遮断薬が有用である.

各論 〈排尿機能検査〉

膀胱内圧測定―内圧尿流検査を含めて

武井 実根雄

pp.763-770

 下部尿路機能障害に対する検査として,蓄尿相の評価には膀胱内圧測定と排尿相の評価には内圧尿流検査がある.いずれも尿道や直腸にカテーテルを挿入する必要があるものの,これらの検査でしか得られない治療上有益な情報がある.膀胱内圧測定により尿意,膀胱容量,排尿筋過活動の有無や膀胱のコンプライアンスを知ることができる.内圧尿流検査では排尿時の下部尿路閉塞の程度や膀胱収縮力が評価でき,治療方針の選択や予後の予測に有用である.女性ではいまだ評価方法が標準化されていないが,最近では女性の排尿障害にも応用が試みられている.

ビデオウロダイナミクス

石塚 修 , 市野 みどり , 小川 輝之 , 井川 靖彦 , 西沢 理

pp.772-776

 膀胱内圧と膀胱尿道の形態学的な情報とを同時に提供するのが,ビデオウロダイナミクスである.無抑制収縮に伴う膀胱頸部の開き,尿道閉塞部位の診断,尿失禁症例における尿漏れの確認と膀胱尿道の変化を確認することができる.この検査によって,機能と形態の両面から膀胱尿道を同時に詳細に解析することができる.

括約筋筋電図

内山 智之 , 榊原 隆次 , 山本 達也 , 山口 千晴 , 桑原 聡

pp.777-783

 外括約筋筋電図には,大別すると,尿道(外尿道括約筋)またはその代用として肛門(外構門括約筋)の収縮・弛緩を観察し,その機能を観察するものと,外括約筋の運動単位電位を観察するものがある.目的としては,蓄尿・排出サークル上での尿道(または肛門)の経時的活動,尿道(または肛門)の随意運動,また尿道(または肛門)の支配神経である陰部神経の機能の評価などが挙げられる.本検査によって,尿道の機能障害の有無や陰部神経病変の有無などが評価できれば,原因または部位診断の一助となるほか,治療方針を決めるうえで重要な指標となるため,排尿機能検査では欠かせない検査である.

ニューロメーター(膀胱電気知覚閾値)

藤原 敦子 , 浮村 理 , 三木 恒治

pp.784-790

 膀胱知覚神経線維(Aδ線維およびC線維)の病態が,尿失禁,過活動膀胱,間質性膀胱炎などの病態に深いかかわりをもつ多くの証拠が明らかになっており,治療の標的を明らかにするためには下部尿路の求心路の病態の定量的評価が重要である.末梢神経知覚閾値測定装置であるNeurometer(R)による下部尿路の神経線維選択的知覚機能検査は,異なる種類の神経線維が異なる興奮速度をもつことを利用し,被験者が感知できる最低レベルの刺激量をCPT値(電流知覚閾値)として計測可能とする.

下部尿路と機能的脳画像

柿崎 秀宏 , 和田 直樹 , 北 雅史 , 渡邊 成樹 , 松本 成史

pp.791-798

 PETやfMRIという機能的脳画像を用いることで,膀胱機能を調節する脳の仕組みが理解できるようになってきた.蓄尿時に活動が活発となる脳の部位は,島(とう),視床,帯状回前部,被殻,中脳中心灰白質,橋,小脳などであり,これらの部位が蓄尿に重要な中枢と考えられる.下部尿路機能障害(排尿障害)を有する患者と健常者との間で,機能的脳画像の情報を比較することにより,下部尿路機能障害の病態(原因)解明や新しい治療法の確立につながる可能性が期待される.

各論 〈疾患モデルと排尿障害〉

糖尿病モデルと排尿

伊藤 由彦 , 吉田 徳 , 山田 静雄

pp.799-804

 糖尿病の合併症として神経障害は発生頻度が最も高く,その1つに膀胱機能障害が挙げられる.実際に,糖尿病患者の26~78%が膀胱機能障害を合併することが報告されている.実験的糖尿病モデルとして汎用されるZucker-fattyラット,ZDF-fattyラット,GK(Goto-Kakizaki)ラットおよびストレプトゾトシン(STZ)投与ラットを用いた実験において,排尿機能および膀胱の薬理学的受容体量に対照ラットと比べて有意な差異が認められ,膀胱を介した排尿機能の異常が示唆されている.

脊髄損傷・脳卒中モデルと排尿

横山 修

pp.805-810

 脳血管障害のような脳幹部橋より上位の障害や脊髄損傷は,膀胱の蓄尿障害を引き起こす.筆者らは脳梗塞や脊髄損傷の動物モデルを用いて,蓄尿障害に対する薬剤の作用メカニズムについて検討してきた.抗コリン薬とα1遮断薬は排尿筋過活動の主な治療薬であるが,これらの薬剤は,下部尿路の知覚C線維を遮断することで蓄尿障害を改善すると考えられた.

話題

臨床検査技師,排尿機能検査士としての排尿機能検査への取り組み―泌尿器・婦人科疾患を中心に

石塚 静江 , 中川 晴夫

pp.811-813

1 . はじめに

 尿流動態検査(urodynamic study;UDS)は,各種の神経疾患,二分脊椎や前立腺肥大症,婦人科術後など下部尿路症状のある,男女問わず子どもから高齢者と幅広い患者に対して行う検査である.膀胱内に生理食塩水を注入し,尿意の状態を計測するとともに,膀胱容量に応じた膀胱内圧・直腸圧,排尿筋圧(膀胱内圧-直腸圧)を測定することにより,蓄尿中の膀胱の異常収縮の有無や膀胱の拡がりやすさ(コンプライアンス)を測定する.さらに,排尿時に尿流測定と同時に排尿筋圧を測定することにより,排尿時の膀胱収縮の有無,尿道抵抗の程度を知ることができる.また通常,健常人は低圧蓄尿,低圧排尿が可能であるが,膀胱支配神経の異常による無抑制収縮,膀胱のコンプライアンス低下による蓄尿異常(失禁),排尿障害(前立腺肥大による尿道抵抗の増大,腹圧排尿)の有無を調べることができる.

 神経疾患の患者においては,排尿障害の種類の特定と程度を知ることができ,排尿管理法の決定に有用である.前立腺肥大症患者においては,術後の改善の程度の予測が可能であり,手術適応を決定するために有用である.また,小児二分脊椎患者は成長期に発生しやすい脊髄係留症候群の有無,手術時期の決定など大きな情報を得ることができる.

 このようにUDSによって得られる情報は非常に重要なものであるが,泌尿器科医師は少なく,多忙を極めているため,必要な患者であっても十分にUDSを行うことができなくなっていた.

臨床検査技師,排尿機能検査士としての排尿機能検査への取り組み―神経疾患を中心に

山口 千晴 , 内山 智之 , 榊原 隆次 , 野村 文夫

pp.814-817

1 . はじめに

 臨床検査技師として排尿機能検査に携わる際,検査の方法と目的を十分に理解する必要があるほか,検査環境の整備,患者背景の把握,検査の準備,患者状態の観察,検査機器の管理,手技の工夫などを行い,検査の精度および意義を高めることが望まれる.神経疾患が背景となる排尿障害(神経因性膀胱)の場合は,他疾患の排尿障害と比較して病態が複雑であるだけでなく,有する可能性のある他の神経症状や合併症の影響を考慮したうえで総合的に検査所見を解釈する必要がある.

 本稿では,臨床検査技師および排尿機能検査士として検査を行うに当たり,心掛けていることを中心にいくつかの取り組みと役割について述べる.

脳磁図

松下 真史 , 中川 晴夫 , 中里 信和 , 菅野 彰剛 , 海法 康裕 , 川守田 直樹 , 荒井 陽一

pp.819-822

1 . はじめに

 近年,画像技術の進歩に伴いfMRI(functional magnetic resonance imaging)やPET(positron emission tomography)などを利用した蓄尿・排尿に関する脳の新しい知見,また頻尿や尿失禁の治療法である電気刺激療法の脳の反応に関する報告もされている1~3).これらの検討により排尿障害と脳機能との関連が徐々に明らかになってきている.fMRIやPETは空間分解能には優れており,蓄尿に関する脳の反応部位などを明らかにすることには有用であるが,時間分解能については劣ると考えられており,この欠点を補う検査法の実用化が待たれている.そこで今回,筆者らは時間・空間分解能に優れている脳磁図を泌尿器科領域に応用したので紹介する.

最新の治療法―ボツリヌス毒素注入療法,磁気刺激治療について

横山 光彦 , 永井 敦

pp.823-827

1 . はじめに

 本号のテーマである排尿障害は,過活動膀胱(overactive bladder;OAB)を中心とした蓄尿障害と前立腺肥大症を中心とした尿排出障害を含めた用語である.

 泌尿器科領域におけるボツリヌス毒素(note参照)を用いた治療,特に難治性蓄尿障害に対する臨床応用は,1999年に脊髄損傷に伴う尿失禁患者の膀胱壁内に内視鏡を用い30~40か所にA型ボツリヌス毒素を注入し,その有効性が報告されたのが始まりである1).現在では,欧米を中心に難治性OABに対する膀胱壁内注入療法の報告は多数認められるようになった.

 さらに最近では,前立腺肥大症に対するA型ボツリヌス毒素前立腺注入療法や間質性膀胱炎に対する膀胱粘膜下注入療法の有用性も報告されるようになり,多くの排尿障害疾患に対する新しい治療として脚光を浴びている.また,欧米では難治性OABに対して仙骨神経電気刺激(sacral neuromodulation)が普及しており,世界で3万人以上がこの治療を受けている.薬剤抵抗性の難治性OABに対する次の治療として,どちらを選択するか議論の分かれるところである.

 本稿では,排尿障害に対するボツリヌス毒素を用いた治療と非侵襲的なneuromodulationの1つである磁気刺激治療を中心に述べる.

今月の表紙 代表的疾患のマクロ・ミクロ像 悪性腫瘍・7

食道癌のマクロ・ミクロ像

小松 京子 , 海野 みちる , 坂本 穆彦

pp.712-715

 食道癌は2007年に取扱い規約分類が改正され,第10版として出版されている1).新分類では,上皮内腫瘍は,低異型度上皮内腫瘍(low grade intraepithelial neoplasia)と高異型度上皮内腫瘍(high grade intraepithelial neoplasia)とに分類され,高異型度上皮内腫瘍は上皮内癌(carcinoma in situ)とほぼ同義である.

 上皮性悪性腫瘍は,扁平上皮癌(squamous cell carcinoma),類基底細胞(扁平上皮)癌(basaloid carcinoma),癌肉腫(carcinosarcoma),腺癌(adenocarcinoma),腺扁平上皮癌(adenosquamous carcinoma),粘表皮癌(muchinous carcinoma),腺様囊胞癌(adenoid cystic carcinoma),内分泌細胞腫瘍(neuroendcrine cell tumor),未分化癌(undifferentiated carcinoma),そのほか(ohters)に分類され,新たに内分泌細胞腫瘍が定義された.小細胞型未分化癌などはこれに含まれる.

学会だより 第84回日本感染症学会総会

桜満開の京都にて“新しい人,微生物,薬剤関係”をテーマに開催

清田 浩

pp.818

 第84回日本感染症学会総会は上田孝典教授(福井大学医学部内科学(1))を学会長として,2010年4月5,6日の2日間にわたり国立京都国際会館にて開催された.学会の内容は2つの特別講演,6つの招請講演,22の教育講演,4つの感染症レビュー,9つのシンポジウム,7つのパネルディスカッション,30のワークショップ,そして約350のポスター演題,16のランチョンセミナーおよびイブニングセミナー,さらに卒前・卒後教育企画およびICD講習会と広範にわたる数多くの演題で構成され,2,300余名が参加し大変充実したものとなった.

 本学会のテーマは“新しい人,微生物,薬剤関係”であり,会長シンポジウムとして3者のかかわりあいを多角的にとらえて議論する場が第1日目の冒頭に企画され,これを受けて様々なテーマに議論を発展させるといった巧妙な演出が設定され,それが見事な効果を生む結果となったと思う.

シリーズ-ベセスダシステム・6

検体の適・不適

海野 みちる

pp.828-831

はじめに

 “日母分類”改訂のためのワーキンググループの第1回会議(日本臨床細胞学会・日本婦人科腫瘍学会・日本病理学会などの代表が集まり,ベセスダシステム導入の必要性についての検討会)が,開催されてから3年が経過しようとしている.

 改正の必要性としては,①標本の適・不適を評価し,不適正標本を減少させる,②検診の精度管理のために推定病変を記載する,③HPV(human papillomavirus)検査との整合性をはかる,④診断困難な異型細胞の評価基準を明確にする,⑤欧米および他臓器癌の判定基準との整合性をとる,などが話し合われた.不適正標本を減少させるための重要な項目である検体の適・不適には,不合格検体と不適正検体があり,不合格検体とはラベルの剥がれなどで患者が特定できない場合や,標本の破損で鏡検不可能な場合である.不適正検体とは,検体処理や検査は施行したが,上皮細胞を評価するには適さない場合である(図1~5).

シリーズ-検査値異常と薬剤・6

―投与薬剤の検査値への影響―末梢神経系作用薬・II

米田 孝司

pp.832-839

交感神経作用薬

1. 作動(刺激)薬

 交感神経作動薬は,自律神経節に作用して節後線維の興奮を起こす薬物をいう1)

 1) イソプロテレノール(図1,表1)

 β受容体に作用して心筋刺激を惹起するアドレナリン作動薬としてカテコールアミンに分類されるが,カテコールアミンとは異なり化学合成された薬剤である.そのため心停止を伴った場合に静脈内注射薬として使用し,気管支拡張薬の吸入剤として気管支筋を弛緩して気道を拡げる.通常,気管支喘息,急性気管支炎,慢性気管支炎,気管支拡張症,肺気腫に基づく気管支痙攣の緩和に使用する.

Coffee Break

外国旅行で耳にした“世界最良の名前”

佐々木 禎一

pp.754

 かつて私が現役時代,病院視察や国際学会などで諸外国を訪問する機会が多くあった.したがって当然現地の人たちと話す機会が多く,やはり国ごとにけっこう珍らしい名前の人々と逢うことも多々あった.今回その中で“世界最良の名前”と自他共に許した例を紹介しよう.

映画に学ぶ疾患

「つみきのいえ」―環境と長寿

安東 由喜雄

pp.771

 旅立った妻を思いながら,残った家で淡々と暮らす老人の姿を描いた秀逸な映画に,2008年度のアカデミー賞,短編アニメーション賞を受賞した「つみきのいえ」(加藤久仁生監督)がある.わずか12分3秒のこの作品は鉛筆の線が感じられるように淡い色使いで作られているが,淡々と生きる老人の姿を通して,見ているわれわれに人生感や過去を振り返るきっかけを与えてくれるような物語仕立てになっている.環境問題を云々しているわけではないが,海面が上昇しているその町は,妻が生きていた頃から水没し続けている.老人はその街に1人残り,水位が上がるたびに“つみき”を積んだかのように家を積み上げて暮らしている.夕食には必ず妻が座っていた席にもワイングラスを用意している.何か妻に語りかけているようだ.ある日,彼は妻からプレゼントされたパイプを海中に落としてしまい,思い切ってダイビングスーツをつけて海の底へと探しに出かける.老人は妻と暮らしたいくつかの積木の家を見ることになるが,彼の人生の中の折々のシーン,妻と初めて出会った日,子供が初めて生まれ学校に通いだした日,娘がフィアンセを初めて連れてきた日のことなどが走馬灯のようによみがえってくる.その映像に生々しさはなく,“遠い風景”として描かれているが,老人の寂寥感,喪失感がひたひたと迫ってきて心に残る.

 世界一の長寿国となった日本では,老人の孤独死が後を絶たない.現在,日本人の平均寿命は85.7歳であるが,その中で沖縄県の女性は最も長寿である.では,なぜ沖縄なのかということになるが,これにはいくつかの要因がありそうだ.温暖な気候風土,ストレスの違い,遺伝的なバックグランドの違い,女性ホルモンやX染色体にコードされる蛋白質の環境による発現の違いなど.しかし沖縄の夏の暑さは尋常ではないうえ,全国一失業者が多い沖縄社会がとりわけストレスが少ないとする説明には合点がいかない.次に,遺伝的なバックグラウンドの違いによる影響であるが,これまでの研究から,沖縄住民の先祖は九州南部から十世紀前後に南下して定住したものであると推測されており,わずか千年程度の期間で大和民族と違う長寿遺伝子が育まれてきたとする考えには少し無理がある.

あとがき フリーアクセス

濱﨑 直孝

pp.842

 高齢化社会の反映か,排尿障害改善薬のテレビコマーシャルが流れるほどですから,ずいぶんたくさんの人々が排尿に絡んだ不都合で苦しんでおられることが推測できます.そこで本号では,「排尿障害」を主題として,この領域の第1人者である榊原隆次先生(東邦大学医療センター佐倉病院内科学神経内科)に企画をお願いいたしました.榊原先生のお言葉を借りれば,排尿障害とは,尿意切迫,頻尿,尿失禁と排尿障害,尿閉とを含めた現象を指し,非常に多くの人々がこの症状に悩まされているということです.テレビコマーシャルに排尿障害改善薬の宣伝が出るのがうなづけます.

 排尿障害の病因としては,男性では前立腺肥大,女性では骨盤底筋障害,男女共通では神経因性膀胱があります.総論では,その病因についてそれぞれの専門の先生方に基本から最先端の情報までをわかりやすくまとめていただきました.各論では,これからの新しい臨床検査領域としての検査にこだわり,排尿障害の検査を中心に最新の情報を網羅したつもりです.そのためウロダイナミクス,ビデオウロダイナミクスなど聞きなれない言葉が出てきます,また,脳磁図で排尿障害の検査が行われていることを含めて,排尿障害の検査が随分と進歩していることをおのおのの論文より感じております.さらに,膀胱上皮が膀胱の知覚メカニズムに密接に関与していることなど,不勉強にして驚くばかりです.臨床検査の新しい専門領域の確立も必要であるようです.本号が,読者の皆様への有用な情報になりますことを願っております.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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62巻5号(2018年5月発行)

今月の特集1 肝線維化をcatch
今月の特集2 不妊・不育症医療の最前線

62巻4号(2018年4月発行)

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック

62巻3号(2018年3月発行)

今月の特集1 症例から学ぶ血友病とvon Willebrand病
今月の特集2 成人先天性心疾患

62巻2号(2018年2月発行)

今月の特集1 Stroke—脳卒中を診る
今月の特集2 実は増えている“梅毒”

62巻1号(2018年1月発行)

今月の特集1 知っておきたい感染症関連診療ガイドラインのエッセンス
今月の特集2 心腎連関を理解する

60巻13号(2016年12月発行)

今月の特集1 認知症待ったなし!
今月の特集2 がん分子標的治療にかかわる臨床検査・遺伝子検査

60巻12号(2016年11月発行)

今月の特集1 血液学検査を支える標準化
今月の特集2 脂質検査の盲点

60巻11号(2016年10月発行)

増刊号 心電図が臨床につながる本。

60巻10号(2016年10月発行)

今月の特集1 血球貪食症候群を知る
今月の特集2 感染症の迅速診断—POCTの可能性を探る

60巻9号(2016年9月発行)

今月の特集1 睡眠障害と臨床検査
今月の特集2 臨床検査領域における次世代データ解析—ビッグデータ解析を視野に入れて

60巻8号(2016年8月発行)

今月の特集1 好塩基球の謎に迫る
今月の特集2 キャリアデザイン

60巻7号(2016年7月発行)

今月の特集1 The SLE
今月の特集2 百日咳,いま知っておきたいこと

60巻6号(2016年6月発行)

今月の特集1 もっと知りたい! 川崎病
今月の特集2 CKDの臨床検査と腎病理診断

60巻5号(2016年5月発行)

今月の特集1 体腔液の臨床検査
今月の特集2 感度を磨く—検査性能の追求

60巻4号(2016年4月発行)

今月の特集1 血漿蛋白—その病態と検査
今月の特集2 感染症診断に使われるバイオマーカー—その臨床的意義とは?

60巻3号(2016年3月発行)

今月の特集1 日常検査からみえる病態—心電図検査編
今月の特集2 smartに実践する検体採取

60巻2号(2016年2月発行)

今月の特集1 深く知ろう! 血栓止血検査
今月の特集2 実践に役立つ呼吸機能検査の測定手技

60巻1号(2016年1月発行)

今月の特集1 社会に貢献する臨床検査
今月の特集2 グローバル化時代の耐性菌感染症

59巻13号(2015年12月発行)

今月の特集1 移植医療を支える臨床検査
今月の特集2 検査室が育てる研修医

59巻12号(2015年11月発行)

今月の特集1 ウイルス性肝炎をまとめて学ぶ
今月の特集2 腹部超音波を極める

59巻11号(2015年10月発行)

増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ

59巻10号(2015年10月発行)

今月の特集1 見逃してはならない寄生虫疾患
今月の特集2 MDS/MPNを知ろう

59巻9号(2015年9月発行)

今月の特集1 乳腺の臨床を支える超音波検査
今月の特集2 臨地実習で学生に何を与えることができるか

59巻8号(2015年8月発行)

今月の特集1 臨床検査の視点から科学する老化
今月の特集2 感染症サーベイランスの実際

59巻7号(2015年7月発行)

今月の特集1 検査と臨床のコラボで理解する腫瘍マーカー
今月の特集2 血液細胞形態判読の極意

59巻6号(2015年6月発行)

今月の特集1 日常検査としての心エコー
今月の特集2 健診・人間ドックと臨床検査

59巻5号(2015年5月発行)

今月の特集1 1滴で捉える病態
今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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