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今月の主題 未病を考える 総論
未病の概念
著者: 丁宗鐵1
所属機関: 1日本薬科大学漢方薬学
ページ範囲:P.855 - P.859
文献購入ページに移動はじめに
健康と病気の間には,「病気に向かっている」動的な状態がある.いわばボヤの状態である.これを漢方医学では「未病」と呼ぶ.いかなる疾患も発症を事前に察知して防止策を講じられれば,これに優る治療法はない.ボヤのうちに火事を消し止める考え方は防災だけでなく,健康管理にも適応できる.未病の診断,つまりボヤの検出も現代医学にとって大きなテーマである.今こそ伝統医学の医学概念である未病に耳を傾けるときであろう1,2).
健康と病気の間には,「病気に向かっている」動的な状態がある.いわばボヤの状態である.これを漢方医学では「未病」と呼ぶ.いかなる疾患も発症を事前に察知して防止策を講じられれば,これに優る治療法はない.ボヤのうちに火事を消し止める考え方は防災だけでなく,健康管理にも適応できる.未病の診断,つまりボヤの検出も現代医学にとって大きなテーマである.今こそ伝統医学の医学概念である未病に耳を傾けるときであろう1,2).
参考文献
1) 丁宗鐵:図解 東洋医学のしくみと治療法がわかる本,ナツメ社,2010
2) 丁宗鐵:体質と未病.日本システム学会雑誌 11:2-6,2005
3) 石田秀実訳:黄帝内経素問 上巻,東洋学術出版社,pp45-58,1991
4) 石田秀実訳:黄帝内経素問 中巻,東洋学術出版社,pp17-31,1992
5) 石田秀実訳:黄帝内経素問 下巻,東洋学術出版社,pp157-161,2000
6) 杉原徳行:金匱要略講義,出版科学総合研究所,pp17-23,1981
7) 貝原益軒,伊藤友信訳:養生訓,講談社学術文庫,pp38-168,1982
8) 平野重誠:病家須知,農文協,2006
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