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文献詳細

雑誌文献

臨床検査54巻8号

2010年08月発行

文献概要

今月の表紙 代表的疾患のマクロ・ミクロ像 悪性腫瘍・8

卵巣腫瘍のマクロ像・ミクロ像

著者: 海野みちる1 小松京子2 坂本穆彦1

所属機関: 1杏林大学医学部病理学講座 2杏林大学医学部・付属病院病理部

ページ範囲:P.848 - P.852

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 卵巣癌は自覚症状がほとんどなく,腹部圧迫感や鈍痛などを主訴に来院し,診断された時点で進行期分類(表1)がすでにIII期やIV期の進行癌で発見されることが多く,予後不良の腫瘍である.胸・腹水や術中洗浄液ないしは腫瘍表面擦過など,細胞診の結果が卵巣癌の進行度の判定に深くかかわっている.

 卵巣腫瘍は発生母地と悪性度により分類されている.発生母地による分類は表層上皮性・間質性腫瘍,性索間質性腫瘍,胚細胞腫瘍に分けられ,悪性度による分類は良性腫瘍,境界悪性(低悪性度腫瘍),悪性腫瘍に分類されている(表2).嚢胞性腫瘍は良性のことが多く,充実性腫瘍の約80%が悪性もしくは境界悪性腫瘍である.

参考文献

1) 日本産科婦人科・日本病理学会(編):卵巣腫瘍取扱い規約 第2版,金原出版,2009
2) 石倉浩:卵巣腫瘍,外科病理学 第4版(向井清,真鍋俊明,深山正久編),文光堂,pp1121-1147,2006
3) 石倉浩,手島伸一(編):卵巣腫瘍病理アトラス 2004年 第1版,文光堂,2004
4) 南敦子:卵巣の細胞診.細胞診を学ぶ人のために 第4版(坂本穆彦編),医学書院,pp1,150-154,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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