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シリーズ-検査値異常と薬剤・8
―投与薬剤の検査値への影響―中枢神経系作用薬・Ⅱ
著者: 片山善章1 澁谷雪子2 米田孝司3
所属機関: 1神戸常盤大学保健科学部医療検査学 2神戸常盤大学短期大学部衛生技術学科 3オリエンタル酵母工業株式会社長浜事業所
ページ範囲:P.1075 - P.1083
文献購入ページに移動催眠薬と鎮静薬は,従来は異なった薬物として分類されていたが,薬理学的にはその作用に本質的な相異はなく,ともに中枢神経機能を抑制する作用がある.バルビツール酸誘導体とベンゾジアゼピン(benzodiazepine;BZ)系誘導体が使用されているが,いずれも少量では鎮静作用があり,中等量以上投与は催眠作用を示し,多量では麻酔効果がある.バルビツール酸誘導体はBZ系誘導体が導入される前に使用された鎮静・催眠薬である.しかし,薬物依存性が強く,過量投与により急性中毒を起こしやすく,呼吸中枢を抑制して昏睡や死に至るといった欠点があるためあまり使用されていない.BZ系誘導体は麻酔域を超える用量が高く,用量を増やしても薬物依存を生じることは稀である.
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