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文献詳細

雑誌文献

臨床検査55巻10号

2011年10月発行

文献概要

今月の表紙 代表的疾患のマクロ・ミクロ像 非腫瘍・10

肝硬変のマクロ・ミクロ像

著者: 小松明男1 坂本穆彦2

所属機関: 1東京都保健医療公社多摩南部地域病院検査科 2大森赤十字病院検査部

ページ範囲:P.944 - P.945

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 肝硬変は,非腫瘍性慢性肝疾患の最も進行した不可逆性の病変である.すなわち,正常な小葉構造の消失,異常な小葉改築,および著明な線維化が肝臓全域に認められる疾患である.原因は,日本では慢性ウイルス性肝炎,欧米ではアルコールが最も多い.原因により肉眼像,組織像に若干の差異はあるが,ここではあえて共通する事項を注視する.

 最初に肉眼像であるが,特徴的な所見は肝臓の委縮とびまん性小結節性変化である(図a).肝臓の委縮は初期段階ではみられないことがあるが,進行した状態では著明である.びまん性小結節性変化は,肝実質の小葉改築と線維化による凹凸であり,割面のみならず,表面にもびまん性にみられることが多い.

参考文献

1) Friedman SL : Mechanisms of hepatic fibrogenesis. Gastroenterology 134:1665-1669,2008
2) Fauerhold L, Schlichting P, Christensen E, et al : Conversion of micronodular cirrhosis into macronodular cirrhosis. Hepatology 3:928-931,1983

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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