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特集 ここまでわかった自己免疫疾患 各論 3.膠原病と類縁疾患
1) 全身性エリテマトーデス
著者: 高崎芳成1
所属機関: 1順天堂大学医学部膠原病内科
ページ範囲:P.1135 - P.1140
文献購入ページに移動全身性エリテマトーデスは若い女性に好発する原因不明の自己免疫疾患で,多彩な自己抗体の出現と腎炎をはじめとする多臓器病変を特徴とする.その診断はアメリカリウマチ学会の分類基準に準じて行われるが,定型的な症例では必ずしも困難ではない.しかし,病像は不均一で,前景にたつ病変によって治療に対する反応性や予後にも相違が認められる.したがって治療に際しては個々の症例が有する臓器病変の病態と重症度を勘案する必要がある.ステロイドおよび免疫抑制薬が治療の中心となるが,病態によっては難治性の経過をとり,機能障害を残したり,致死的な経過をとることもある.この問題を克服するために現在,より特異的な効果を有する新たな免疫療法が開発されている.
参考文献
1) 高崎芳成:リウマチ・膠原病の疫学.日臨 67:458-462,2009
2) Anolik J, Sanz l : B cells in human and murine systemic lupus erythematosus. Curr Opin Rheumatol 16:505-512,2004
3) Crispín JC, Kyttaris V, Juang YT, et al : Systemic lupus erythematosus : new molecular targets. Ann Rheum Dis 66(Suppl 3):65-69,2007
4) 高崎芳成:膠原病の分子標的と制御へのアプローチ―全身性エリテマトーデスの分子標的と制御.最新医 65:965-972,2010
5) 高崎芳成:膠原病と自己抗体.臨リウマチ 21:5-12,2009
6) 高崎芳成:全身性エリテマトーデス―最近の診断と治療の進歩.日内会誌 100:736-742,2011
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