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今月の主題 子宮頸癌の予防と検査 各論 〈検査手技・判定の実際〉
組織診―新しい組織診断基準
著者: 坂本穆彦1
所属機関: 1大森赤十字病院検査部
ページ範囲:P.1429 - P.1432
文献購入ページに移動わが国の子宮頸部病変の診療に大きな影響力をもつ「子宮頸癌取扱い規約」がこのたび10数年ぶりに改訂されることになった.大きな変更点のひとつに子宮頸部扁平上皮系異型病変の扱いがある.ことに境界病変と非浸潤癌に関する用語・定義に大幅な改変がなされる.従来からの異形成・上皮内癌(CIS)に変わって,CIN(子宮頸部上皮内腫瘍)が採用される.CINは1,2,3の3段階に分けられる.CIN3には従来の高度異形成とCISが含まれる.これらの改訂の意義を理解して日常診療に対応することが望まれる.
参考文献
1) 日本産科婦人科学会・日本病理学会・日本医学放射線学会(編):子宮頸癌取扱い規約,3版,金原出版,in press
2) 日本産科婦人科学会・日本病理学会・日本医学放射線学会(編):子宮頸癌取扱い規約,2版,金原出版,1997
3) 坂本穆彦・安田政実(編):腫瘍病理学鑑別診断アトラス―子宮頸癌,文光堂,2009
4) 日本母性保護医協会:研修ノート,No.11―子宮がん検診:細胞診とコルポスコピー,日本母性保護医協会,1978
5) Solomon D, Davey D, Kurman R, et al : The 2001 Bethesda System : terminology for reporting results of cervical cytology. JAMA 287:2114-2119,2002
6) Richart RM : Influence of diagnostic and therapeutic procedures on the distribution of cervical intraepithelial neoplasia. Cancer 19:1635-1638,1966
7) Tavassoéli FA, Devilee P (eds) : World Health Organization Classification of Tumours. Pathology and Genetics Tumours of the Breast and Female Genital Organs, IARC Press, Lyon,2003
8) 坂本穆彦(編):子宮頸部細胞診ベセスダシステム運用の実際,医学書院,2010
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